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平成28年  6月 定例会-06月14日-02号

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  1. 世田谷区議会 2016-06-14
    平成28年  6月 定例会-06月14日-02号


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    平成28年  6月 定例会-06月14日-02号平成28年 6月 定例会 平成二十八年第二回定例会 世田谷区議会会議録第九号  六月十四日(火曜日)  出席議員(五十名) 一番   おぎのけんじ 二番   加藤たいき 三番   河野俊弘 四番   青空こうじ 五番   あべ力也 六番   ひうち優子 七番   上川あや 八番   すがややすこ 九番   和田ひでとし 十番   上山なおのり 十一番  石川ナオミ 十二番  高岡じゅん子 十三番  田中みち子 十四番  阿久津 皇 十五番  佐藤美樹
    十六番  小泉たま子 十七番  河村みどり 十八番  津上仁志 十九番  山内 彰 二十番  畠山晋一 二十一番 真鍋よしゆき 二十二番 上島よしもり 二十三番 大庭正明 二十四番 田中優子 二十五番 桃野よしふみ 二十六番 そのべせいや 二十七番 福田妙美 二十八番 高久則男 二十九番 安部ひろゆき 三十番  三井みほこ 三十一番 ゆさ吉宏 三十二番 江口じゅん子 三十三番 桜井 稔 三十四番 たかじょう訓子 三十五番 中村公太朗 三十六番 藤井まな 三十七番 岡本のぶ子 三十八番 平塚敬二 三十九番 板井 斎 四十番  山口ひろひさ 四十一番 石川征男 四十二番 菅沼つとむ 四十三番 中里光夫 四十四番 村田義則 四十五番 羽田圭二 四十六番 風間ゆたか 四十七番 中塚さちよ 四十八番 諸星養一 四十九番 佐藤弘人 五十番  高橋昭彦  出席事務局職員 局長     小田桐庸文 次長     望月敬行 庶務係長   小池 篤 議事担当係長 井上徳広 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 佐々木 崇 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 月岡弘志 調査係長   谷澤真一郎  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    板垣正幸 副区長    宮崎健二 世田谷総合支所長        内田政夫 北沢総合支所長        男鹿芳則 玉川総合支所長        小堀由祈子 砧総合支所長 寺林敏彦 烏山総合支所長        進藤達夫 政策経営部長 板谷雅光 地域行政部長 萩原賢一 総務部長   岡田 篤 危機管理室長 澤谷 昇 財務部長   本橋安行 生活文化部長 田中文子 総合調整担当参事        原田茂実 スポーツ推進担当部長        五十嵐慎一 環境総合対策室長        菊池弘明 産業政策部長 花房千里 清掃・リサイクル部長        松下洋章 保健福祉部長 金澤弘道 地域包括ケア担当参事        久末佳枝 障害福祉担当部長        松本公平 高齢福祉部長 瓜生律子 子ども・若者部長        中村哲也 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        渡辺正男 防災街づくり担当部長        関根義和 道路・交通政策部長        青山雅夫 土木部長   小山英俊 教育長    堀 恵子 教育次長   岩本 康 教育環境推進担当部長        志賀毅一 教育政策部長 工藤郁淳 総務課長   星 正彦     ──────────────────── 議事日程(平成二十八年六月十四日(火)午前十時開議)  第 一 代表質問
     第 二 一般質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 代表質問  二、日程第二 一般質問     ────────────────────     午前十時開議 ○上島よしもり 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○上島よしもり 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。  質問通告に基づき、発言を許します。  自由民主党を代表して、二十九番安部ひろゆき議員。    〔二十九番安部ひろゆき議員登壇〕(拍手) ◆二十九番(安部ひろゆき 議員) 質問に先立ち、このたびの熊本地震で犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された多くの皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  四月十四日の夜、熊本県で発生したマグニチュード六・五、震度七の地震、そして、余震に対する警戒のさなかであった十六日の未明、阪神・淡路大震災と同規模となるマグニチュード七・三、震度七の本震が発生しました。一連の地震活動において二度の震度七は観測史上初めてであり、最初の大きな地震を本震とみなす長年の常識や、地震活動が時間の経過とともに徐々におさまるという常識はもろくも崩れました。現在においても、広範囲に断続的に余震が発生し、その数は千六百回を超えていることが報道で伝えられております。今回の熊本地震は、大きな地震の後に起こる余震はそれよりも小さいという思い込みの代償は、余りにも大きいものとなってしまいました。  一九九五年の阪神・淡路大震災、そして二〇一一年の東日本大震災にとどまらず、台風や異常気象をもたらす豪雨災害、河川の氾濫や大規模な土砂災害、あるいは火山の噴火など、想定をはるかに超える自然の猛威を前に、我々はどう立ち向かっていけばいいのでしょうか。さまざまな観測技術が飛躍的に進歩を遂げた現在でも、一瞬にしてとうとい命を奪い、平和な日常を変えてしまう自然の力をとめることはできません。そうであるならば、私たちは、いつ、どこでも災害が起こり得るという前提に立ち、いざというときに備えるしかないのであります。  自治体が担う責務において、人命を守ること以上に優先されることはないのです。今でき得ることをちゅうちょせず、スピードを上げて、災害への万全な対策を期するための歩みをとめることなく、政策を前に進めなければなりません。私たち自由民主党世田谷区議団は、これまで以上に区民の生命と財産を守ることを区政の根幹に据え、世田谷区の持てる力と資源を最大限生かし、誰もが安心して暮らし続けられる、そして、真の豊かさを実現できる地域社会であり続けられるよう、全力で取り組んでいく決意であります。  それでは、質問通告に従い、順次伺ってまいります。  先月、日本では八年ぶりとなる主要国首脳会議、伊勢志摩サミットが開催されました。安倍首相は、サミットの議長を務め、最大のテーマである世界経済について、金融政策と機動的な財政戦略、構造改革という先進七カ国版の三本の矢を協力して進めることになり、世界経済の成長と安定に向け、各国が責任を果たしていくことを首脳宣言として採択しました。さらに、現役アメリカ大統領として初となるオバマ大統領の被爆地広島訪問の実現、そして、ともに広島の地で核兵器廃絶に向けた恒久平和のメッセージを世界に向けて発信しました。こうした歴史的な外交成果とあわせ、世界経済の成長を牽引する役割を果たした上で、世界経済の下支えに欠かせない日本の内需を腰折れさせかねない来年四月の消費税一〇%への引き上げを二年半延長する決断に至りました。そして、この新たな判断に対する批判を真摯に受けとめた上で、国政選挙である参議院選挙にて国民の信を問うと表明しました。  政府には、国際社会と強固な信頼関係を築き、連携を深めながら、引き続き日本経済の成長発展に向け、そして、いまだ多くの方々が避難生活を強いられている熊本地震からの復興も含め、力強い政策の実現・実行を望むものであります。  世田谷区では、実に六十七年ぶりとなる当初予算の修正可決を受け、スタートした二十八年度ですが、はや二カ月半が経過しました。我が会派は修正案を提案した立場でありますが、当初予算という議案の重みを重々承知した上での決断であり、そして、軽々に提案したものではありません。同日可決された保坂区長の議会軽視の言動を改めるよう求めた決議とあわせ、区民の生命、財産を守るために必要不可欠な本庁舎整備と道路整備に対する保坂区長の取り組み姿勢への警鐘であることは、既に申し上げたとおりです。  冒頭で申し上げたこのたびの熊本地震ですが、九州地方は大きな地震が発生する確率もさほど高い地域でなく、さらに、津波への対策が大きく注目されてきた中で、内陸部という地域特性もあり、地震に対する意識は高くなかったと言われております。一方、首都圏に位置する我が世田谷区はどうでしょうか。今後三十年以内にマグニチュード七クラスの首都直下地震が七〇%程度の確率で起きると言われていながら、既に数年が経過している中で、とうとい犠牲から学ばなければならない教訓とは何か。改めて申し上げますが、東日本大震災以降、地方自治体の庁舎に対する国民の意識は大きく変わりました。被災直後はもちろん、その後に待ち受ける復旧復興、生活再建における自治体が担う役割の大きさは言うまでもなく、災害時に庁舎がダメージを受けた場合の影響は計り知れません。  東日本大震災の被災地や被災者への支援を継続する姿勢を持ち続けている保坂区長ですが、九十万人に迫る区民を守る姿勢は心もとないと言わざるを得ません。想定されている首都直下地震が一たび起きれば、災害対策の拠点となる本庁舎は大きな被害を受ける可能性が高いにもかかわらず、中庭を囲む景観の継承などと危機感のかけらもない議論に終始し、時間を費やしてきた責任は重いと言わざるを得ないのであります。一刻を争う状況において、多くの職員の力は不可欠であり、現在の第三庁舎だけで十分な機能を果たすことができないのは誰の目にも明らかです。  我が会派は、未来に継承しなければならないものは、中庭を囲む景観や庁舎の外観などではなく、安心できる暮らしだと一貫して申し上げてまいりました。そして、優先すべきは強固な災害対策の拠点としての機能性、分散化の解消など区民の利便性、コスト縮減、工期短縮であると申し上げてきました。首都直下地震などすぐに起きるはずはないなどと楽観視している場合ではありません。もう一度申し上げます。自治体が担う責務において、区民の生命を守ること以上に優先されるものはないと肝に銘じていなければならないのであります。  そこで、まず本庁舎整備について伺います。  熊本地震では、病院や自治体の庁舎など、多くの施設が被害を受けました。中でも、築年数が五十年を過ぎ、建てかえを検討中であった宇土市役所本庁舎が半壊した姿は、世田谷区の本庁舎に重ね、衝撃を受けた人も少なくないはずです。この間、区の本庁舎整備は、区長のこだわりが議論を呼び、まさしく迷走を続けてまいりました。当初予算の修正可決された内容は、まさにその迷走をただす一つであったことは御承知のとおりであります。  本年四月から本庁舎等整備基本構想検討委員会が設置され、現在検討が行われております。一部の委員が現実性のない改築案を声高らかに理想であると主張していることも聞いておりますが、区が抱える最重要課題である本庁舎整備の最終的な責任の所在は、紛れもなく保坂区長であり、保坂区長が首長としての責任のもとで、区民のため優先すべきは何かを見きわめ、決断すべきものであることに変わりはありません。  庁舎が機能することは大事だという認識は新たにした。機能を強化し、防災拠点としての庁舎づくりをしたいとは、五月十日付の新聞に掲載された区長のコメントですが、この記事を見て、遅きに失する発言との思いが込み上げてくるのは私だけではないはずです。我が会派はもちろん他会派からも、景観の継承や建物の保存を重視する保坂区長に対して、震災への備えとしての防災の拠点、災害時の拠点となる本庁舎の重要性は、再三再四申し上げたことであります。失った時間は戻りません。区長は、これまで無駄に時間を費やし、区民の生命と財産、さらに、本庁舎で働く多くの職員の安全をも脅かしていることを猛省し、防災の拠点、災害対応の司令塔となる本庁舎整備の具体的な方向性を一刻も早く決断すべきであります。  そこで、本庁舎等整備基本構想検討委員会の検討状況と今後の検討の方向性、あわせて、このたびの熊本地震を踏まえた上で、検討委員会からの最終報告の後、災害対策の拠点となる本庁舎整備をどのように進めるつもりなのか、見解を伺います。  次に、震災対策についてであります。  冒頭で申し上げたこのたびの熊本地震のように、私たちの常識を超え、これまでの地震対策では耐えられないような事態が首都直下地震でも起こり得る可能性は、想定しなければなりません。震災発生の直後、まさに生死を分ける一刻を争う状況下での対応に始まり、避難所の運営や救援物資への対応、その後に続く生活再建を初めとした復旧復興業務など、自治体が担う役割は膨大です。しかし、災害対策の拠点、区民の命を守る司令塔となる本庁舎整備がおくれている中で、現在、第一、第二庁舎は震度六強から七の地震で柱や壁が損壊し、継続使用できないおそれがあることは区が認めています。その上、現在の防災計画は、第一、第二庁舎が使用できなくなることは想定外であるということでありますが、こうした状況で果たして想定を超えるような災害に対して十分な対応ができるのでしょうか。  区では、現在、世田谷区地域防災計画の修正作業に着手していると聞いておりますが、どのような項目に重点を置き、どのような検討をされているのでしょうか。第一、第二庁舎が災害拠点として使用できない前提での十分な見直しは、もはや必須であります。熊本地震で浮き彫りとなった課題等も踏まえ、具体的な取り組みとあわせ、見解を伺います。  さて、先ほど申し上げた本庁舎整備を始めるに当たって、世田谷総合支所移転に関する議論も避けて通ることはできません。現在、本庁舎等整備基本構想検討委員会では、世田谷総合支所も本庁舎面積に含め、検討が進められておりますが、移転が決定次第、本庁舎面積から減ずるとしています。また、影響は、面積だけにとどまらず、総合支所の機能拡充の方向性が明確にならないことには本庁舎に残す機能が定まらず、今後の検討に支障が出るのではないでしょうか。さらに、世田谷総合支所移転は、三軒茶屋を候補地として検討中ということでございますが、世田谷地域の拠点を移転するからには、三軒茶屋地域の明確なまちづくりのビジョンがあってしかるべきであります。世田谷総合支所移転に関する検討状況と、具体的な進捗があるのか、また、総合支所の機能拡充の方向性とあわせ、支所移転を踏まえた三軒茶屋地域のまちづくりビジョンについて伺います。  次に、持続可能な行政経営として、まず、行革と財政基盤の確保について伺います。  区財政は、世田谷区の景気動向の不安定要因や円高に伴う企業収益の減少がもたらす区民税や財調交付金への影響など、依然として予断を許さない状況であります。一方、本庁舎整備を初め老朽化が進む公共施設の改修、改築は必須であり、多額の財政負担が見込まれます。また、熊本地震を踏まえれば、都市基盤整備の重要性は高まり、さらに財政負担も必要となります。さらに、全国的に人口減少が進行する中で、区の人口は九十万に迫り、今後も人口増が続き、勢い行政需要も増大していくことが想定されます。加えて、区長の思いつきや抱え込みの政策が散見される現状においては、人口増にあわせ、単純に行政予算をふやせば行政がいずれ破綻することは容易に想像できます。  しかし、我が会派は、厳しい財政状況、人口増による行政需要が増大する中であっても、真に必要な施策には積極的に財源を投入する勇気、社会状況の変化に応じた不断の行政経営改革の取り組みを断行する信念、将来に備えた持続可能な財政基盤の確保に向けた緻密な戦略が不可欠であると考えます。  区では、二十八年度当初予算の段階で、未来志向の行政経営改革として、その取り組みの方向を示しましたが、具体的な方向性は見えてきません。今求められる施策のために、また、未来に向けた財源確保のために、早期に具体的な行政経営改革の方策を示し、着実に取り組んでいくことが必要であると考えます。区の見解を伺います。  行政需要が増大する中で、行政だけで全てに応えていくことは不可能です。町会・自治会や商店街、各種団体などの協力はもちろん、持続可能な行政経営をするためにも、民間活力を効果的に導入することは欠かせません。事実、近年では、民間の力で十分なサービス提供をできる分野がますます広がっていることから、民間活力を効果的に導入することで、コスト縮減はもとより、柔軟な対応による区民サービスの充実が期待できます。  その一つが図書館運営であると我が会派は考えます。区では、昨年十月の条例改正により、区立図書館への指定管理者制度の導入を可能としました。指定管理者制度の導入は、開館日の拡大や開館時間の延長など、区民の利便性を向上させるものであり、我が会派としても、より柔軟な取り組みによる図書館運営のさらなる充実を求め、その改正に賛成しましたが、その後、二十九年度の経堂図書館への指定管理者制度の導入を目指すという報告以外、具体的な取り組みが全く見えてきません。民間活力導入による今後の区立図書館運営の全体像をお示しください。  続いて、福祉保健分野の課題について何点か伺ってまいります。  まず、健康寿命延伸への取り組みです。  誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるためには、健康であることが第一です。平成二十八年三月の健康せたがやプラン(第二次)中間評価によると、世田谷区民の平均寿命は、男女とも全国平均を上回っているものの、六十五歳以上の健康寿命は平成二十一年度以降横ばいの状態です。より多くの区民が健康であり続けるためには、健康寿命をできるだけ平均寿命に近づけることが重要です。  ことしの一月一日に発表された「世界疾病負担研究2013」によりますと、日本の健康寿命は、男性七十一・一一歳、女性七十五・五六歳と、男女とも世界第一位でありますが、まさにその日本が誇るこの世界第一位の健康寿命をさらに延伸するには、並大抵の施策では対応できません。また、同報告の中では、健康を損なう代表的な疾病は、脳卒中、虚血性心疾患、肺炎、肺がん、糖尿病などが挙げられますが、その多くが生活習慣病であります。  このように、健康を阻害する疾病の多くが生活習慣に起因することからも、区民一人一人が自分の健康に向き合い、日ごろから健康づくりに取り組むことが欠かせないわけです。そのための健康診断、保健指導の徹底が大変重要になります。法に基づく特定健診、特定保健指導、成人歯科健診は、生活習慣病予防を目的とし、医療保険者に実施が義務づけられたものですが、さらなる区民の健康寿命の延伸に向けては、年齢を問わず、全ての区民の健康管理を支えていくという区の強い気構えが必要です。より多くの区民の方々が健診を受診し、健康指導及びその経過の把握等を継続するための具体的な施策に対する区の見解を伺います。  さて、いよいよ七月から地域包括ケアが全二十七地区で実施されます。そのシステムが本来担うべき機能を発揮し、その役割を果たすことによって、真に区民のためになるものであれば大変心強いものであると思います。しかし、一昨年来、我が会派が再三申し上げてきたことは、モデル事業の十分な検証もないままに全地区展開ありきでよいのか、あるいは、三者が一体化整備されない地区がある中で、本当に同様のサービスが提供され、混乱なくスタートできるのかということでありました。そこでまず、区民が混乱することなく全地区において同様のサービスが提供できる万全な体制が整ったのか、改めて伺います。  この地域包括ケアを推進していく中では、高齢者が御自宅で安心して過ごしていただくために、在宅での医療や訪問看護、介護を受けることができる体制を整備することも欠かせません。そのためには、自分の地区または地域でどのような医療機関があり、訪問看護や介護のサービスがあるかを知る必要があります。例えば名古屋市では、市内に四カ所のハブ拠点を設け、診療所ごとに担当できる在宅患者の人数や、対応可能な医療処置、領域などを把握し、退院患者の状況に合わせ、診療所の受け入れを打診するなど、退院後の在宅での生活に対してきめ細かに対応をしています。  安心して在宅で生活するためには、区も名古屋市のようにハブ拠点を整備し、在宅医療センターとして、医師会、歯科医師会、薬剤師会の協力を得て、実効性のある医療連携を進める必要があるのではないでしょうか。また、ICTを活用して、医師会、歯科医師会、薬剤師会の参加を求め、さらに、ケアマネジャー、訪問看護師等で患者に関する情報共有を行うべきと考えますが、あわせて見解を伺います。  次に、保育待機児対策です。  国では、一億総活躍社会の実現に向けて、希望出生率一・八という明確な目標を示し、これまで以上のスピードで保育待機児解消を実現するために、保育の受け皿の確保や多様な保育サービスの提供、保育人材の育成や確保に向けた処遇改善など、積極的に取り組みが行われています。この機を逃がさず、これまで以上に国や都と連携し、保育待機児対策を進めるべきです。さらに、保育待機児の解消に向けては、広く地域社会の理解を得ることも必要ですが、保育施設の建設に反対する近隣住民の声が全国でもたびたび取り上げられている中、世田谷区も例外ではありません。SNSでのつぶやきや子ども・子育て応援都市宣言では何一つ解決できません。他の会派も質問しましたが、我が会派としても、区長は、保育園建設に不安を覚え反対の意向を示す区民のもとにみずから出向き、応援都市を宣言した首長の責任において、説得に当たるべきではないでしょうか。  先般報告された本年四月の待機児童数は、多くの職員の努力もありながら、一千百九十八名と、昨年に引き続き大変厳しい状況です。中でも、三歳児以上の待機児童がほぼ解消に至った一方で、ゼロ歳児から二歳児の待機児童数が増加しているのが特徴です。そのゼロ歳児から低年齢児を預かる重要な保育室がありますが、認可と比べ、キャリアアップ助成などなく、施設維持が脆弱であるとも聞いています。  本来、認証、認可への移行を前提とすべきですが、区の危機的待機児童を解消するには、現在ある十四の保育室の協力が不可欠であります。現場の職員は、新たな保育園開設に当たり、大変困難な状況と聞いています。これ以上職員に努力せよと言う前に、区長が首長として責任をしっかりと果たさなければ、待機児解消の実現はできるはずもありません。区長みずから責任をしっかりと果たした上で、今後、国の動きを敏感に捉え、都や関係機関との連携はもちろんのこと、ターゲットを低年齢児に絞り、保育室など既存施設の安定的運営に加え、事業者の参入促進などについても大胆な取り組みを展開すべきと考えますが、見解を伺います。  さて、障害者差別解消法の施行から既に二カ月が経過しましたが、最も大切なことは、私たち一人一人がその意義や理念を理解することです。区ではこれまでも、区民を対象にした施行直前講演会や、施行日である四月一日には、当事者の皆さんとともに記念セレモニーを行うなど、障害者差別解消法の周知に向けた取り組みを展開してきております。このように、法施行直後の今こそ、法が目指す理念を周知する絶好の機会であるわけですが、この間の取り組みを見る限り、まだまだ周知に向けた創意工夫の余地が残されているようにも感じます。障害のある方も多数世田谷区を訪れることになるであろうオリンピック・パラリンピックも控える中で、今後どのように取り組みを進めるのか、見解を伺います。  福祉分野の課題の最後に、児童相談所移管に関して伺います。  特別区が児童相談所を設置できることを盛り込んだ改正児童福祉法がさきの国会で可決、成立しました。これまで二十三区が足並みをそろえて児童相談所の移管を受ける方向で東京都と協議をしてきたわけですが、改正法施行後は、希望する区から順次児童相談所を設置することが可能となります。しかし、移管に際しては、東京都との協議において、人材や財源の確保といった課題をしっかりと整理する必要があります。今後、区は、児童相談所の移管を含め、児童相談行政をどのように整備していくつもりか、人材や財源の確保など、課題への対応も含め、見解を伺います。  次に、災害に強いまちづくりについて伺います。  まず、道路です。熊本地震においても、道路の分断による救出、復旧作業への支障や支援物資の遅滞を招くなど、改めて道路の重要性は明らかになりました。そして、何より孤立した被災者の不安は計り知れません。災害に強い都市基盤の整備は、まさに自治体の責務の最たるものであり、道路環境が脆弱な世田谷区においては、都市基盤の根幹である道路整備は、まさに区民の生命と財産を守るために、スピードを上げて取り組まなければならない責務であります。道路事業とは、長い時間と多くの困難な課題が待ち受けているものです。だからこそ、リーダーの強いメッセージと明確な指示が現場職員の士気を高め、区民の協力を得て初めて事業が実現し、真に区民の生命、財産を守ることができるのです。区長は、これまでの道路整備に対する消極的な姿勢を改めるべきであります。  さて、今年度は道路整備に係る組織を大胆に改正し、補助五四号線の見直しに伴う第Ⅰ期工事に全力を注ぐとともに、脆弱な区内道路環境の改善に向け一丸となって取り組むとは、さきの議会での答弁であります。区長が再三発言されたその全力の成果は、この二カ月半でどれだけあったのでしょうか。あわせて、補助五四号線の見直しに伴うⅠ期工事の進捗状況、さらに、区施行の道路にとどまらず都施行、あるいは狭隘道路など区内の道路網の整備促進に向けた具体策、今後の方針に対する見解を伺います。  都市整備領域の組織改正では、防災街づくり担当部も新たに設置されました。このたびの熊本地震で犠牲となられた方々の約七割が建物の倒壊によるものであり、また、倒壊した多くが昭和五十六年五月以前の旧耐震基準の建物でありました。政府は、首都直下地震の想定として、建物の全壊を最大十七万五千棟とする一方、耐震化や木造住宅密集地域の解消などの対策を進めることで、二万三千人とされる死者を半減させることができると見込んでいます。命を守り、命を救う建物の耐震化促進は待ったなしであります。まさに今、区はどのような覚悟で建物の耐震化などの災害対策に取り組んでいるのか、今できる方策は何か伺います。  熊本地震に限らず、震災から復旧する過程では、損壊した家屋や店舗などの大量の瓦れきが発生し、その処理も大変重要です。平時から私たちの生活に欠かすことのできない清掃工場でありますが、震災発生後、機能していない状況では迅速な復旧は考えられない不可欠な施設でもあります。現在、区内には二つの清掃工場があるわけですが、そのうち世田谷清掃工場では、一昨年以来、たびたび操業を停止し、万全に機能しているとは到底言えない状況です。このたびの震災を目の当たりにすれば、こうした課題をいつまでも放置している余裕はありません。ごみの収集運搬を担う区として、中間処理を担う清掃一部事務組合に対し、安定的な処理体制の確保を強く求めていくべきと考えますが、世田谷清掃工場の操業状況と今後の展望について、区の見解を伺います。  次に、教育政策について伺ってまいります。  学校は、大規模な震災発生時は一時集合所となり、その後、自宅での居住継続が困難な方々のための避難所となる公共施設です。校舎や非構造部材の耐震化は既に終了しているものの、新耐震基準以前に建てられた校舎もあり、このたびの熊本地震を踏まえれば、学校によっては避難所としての機能が維持できるか、少なからず不安に駆られます。昨年、公共施設等総合管理計画の基本方針が示され、教育委員会もこの方針に従い、これまで基本計画で示された年二校を基本とした学校改築などの考えを見直していると伺っています。しかしながら、現実に想定を覆す震災が発生した以上、全ての児童生徒の安全を確保するため、また、多くの思い出を育む学び舎の環境整備として、さらに、地域住民の方々の不安を払拭するために、小中学校の改築、改修は計画に沿って実施することを基本としながらも、可能な限りできることから前倒しして着手することも必要ではないかと考えます。見解を伺います。  さて、区では、第二次教育ビジョンにおいて、世田谷九年教育の推進を打ち出し、小学校と中学校の連続した学びにより、郷土愛を育み、地域のきずなも深めようと取り組んでおります。こうした中で、平成二十八年四月の学校教育法の改正により、義務教育学校の設置が可能となったことは御承知のことであります。報道によると、この四月より十三都道府県では二十二校、都内では品川区六校が義務教育学校となりました。かねてより、世田谷九年教育を推進している区として、義務教育学校の設置についてどのように考えているのか、見解を伺います。  文部科学省では、二〇二〇年に向け、英語教育の早期化や道徳の教科化など、大胆な教育改革を打ち出しています。中でも、児童生徒一人一人にタブレット端末を一台貸与し教科書として使用する改革は、教科書の採択に大きな影響を与えることになるのではないでしょうか。こうした中で、今般、「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議が発足し、教科書検定や採択など、制度改革や導入費用、著作権問題など、さまざまな検討課題の整理に着手し始めたことが報じられました。翻って、世田谷区は、第二次教育ビジョンにおける四年間の第一期行動計画も半分過ぎようとしている中で、教科書採択についても、国の動きに先んじた区としての対策や、これまでの取り組みについて、ICTを含めた評価が必要なのではないでしょうか。教科書採択に関して、今後二年間の取り組みと第二期行動計画に向けた方向性を伺います。  教育に関し、最後に不登校対策について伺います。  区では、これまで不登校対策として、学校における未然防止や迅速な対応に向けた体制づくり、学校や児童生徒、保護者への支援など、さまざまな取り組みを進めてまいりますが、不登校児童生徒数は区でも増加しています。不登校に陥った経緯は複雑多様化しており、なお一層の取り組みが必要です。不登校は、子どもたち一人一人の進路や人生に大きな影響を与えるだけでなく、本人や保護者でさえも、不安や絶望感を抱くなど、家庭環境への影響も計り知れません。区では、今後、不登校への対応をアクションプランとしてまとめていくとのことですが、その際、どのような視点で従来の取り組みを見直すのか、また、強化すべき点はどこか、見解を伺います。  さて、我が会派は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックが、区政を取り巻くあらゆる分野において、千載一遇のチャンスであると何度も申し上げてまいりました。大会期間はもちろん、アメリカ選手団の事前キャンプ地となることからも、多くの外国人旅行者が世田谷区を訪れることに期待が高まっています。  政府観光局によると、二〇一五年度に日本を訪れた外国人観光客は、前年度比四五・六%の二千百三十五万人となり、初めて二千万人の大台を超えました。また、政府は、二〇二〇年までに年間二千万人の目標を四千万人に引き上げ、東京都も目標の一千万人を既に超えているなど、国、都を挙げた外国人観光客誘致の取り組みは今後ますます加速していくものと考えます。さらに、各自治体では、国際化に向けたさまざまな政策が展開され、民間企業においても、分野を問わず外国人を意識した取り組みが展開されています。  一方で、世田谷区の在住外国人は約一万七千人で着実に増加しており、外国人旅行者へのさまざまなサービスや支援とあわせて、在住外国人の方々へのきめ細かい対応が今後ますます重要と考えます。区では、組織改正により新たに生活文化部に国際課を設置したわけですが、これらの背景を踏まえた今後の区の国際施策をどのように展開しようとしているのでしょうか。また、オリンピック・パラリンピックを契機とした国際化の機運を区内産業の振興にどのように生かしていくのか、見解を伺います。  加えて、区では平成二十八年一月に産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画を策定し、国の認定を受けたと伺いました。認定を受けた市区町村では、創業を支援する側への専門家の派遣や、創業を希望する側の事業資金調達の優遇など、双方にメリットがあるものと聞いておりますが、計画が認定された後の状況及び今後の方向性についても、あわせてお聞かせください。  オリンピック・パラリンピックは、スポーツだけではなく文化の祭典でもあります。IOC国際オリンピック委員会は、オリンピック憲章において、オリンピック開催時の文化プログラムを義務づけておりまして、前回の東京大会では、国宝級の美術品の展示や歌舞伎、能などの公演があったと聞いております。ことし開催されるリオデジャネイロのオリンピック・パラリンピックにおいて、数年前から文化プログラムが実施されているとのことでありますが、リオでのオリンピック・パラリンピックが終われば、いよいよ二〇二〇年に向けたさまざまなイベント、取り組みが全国各地で本格的にスタートしていくことと思います。日本の文化、伝統の源とは、おもてなしに代表される日本人の心であり、その心こそ世界に誇る日本の文化です。区は、オリンピック・パラリンピックを世界に誇る文化の祭典としてどのように取り組んでいくか伺います。  また、千葉県での事前キャンプは、世田谷区に移動する前の調整であり、区への影響はないとの報告を受けておりますが、昨年十一月の覚書締結以降、事前キャンプの具体的な内容に関する協議、交渉の状況はどうなっているのか、具体的に決定した内容があるのか、本大会に向けた準備状況とあわせ、お答えください。  次に、公共施設整備に関し、二点伺います。  まず、都立玉川高校跡地活用についてであります。基本計画において広域生活・文化拠点に位置づけられた二子玉川は、三十年余りをかけ、再開発事業も完了し、新たなにぎわいを見せております。さて、このエリアには、広大な面積を有する都立玉川高校跡地があります。無論、東京都の土地であること、用途地域などさまざまな条件はありますが、人口増加の動向も踏まえ、喫緊の課題である保育施設はもとより、児童館、図書館を初めとする区民集会施設、また、災害時の医療対応や保健センターが三軒茶屋から梅ヶ丘へ移転するため、玉川地域の区民にとって、利便性向上に保健、福祉、介護予防施設など、必要性を見定める必要があります。区では、この夏に東京都へ跡地活用を要望する予定としております。そこで、夏の都への要望を見据え、区として区民が有効に活用できるよう、どう進めていくのか伺います。  最後に、世田谷区民会館第二別館キャロットタワー二十六階の事業展開について伺います。区内で二十六階という高層からの眺望を楽しむことができる唯一の公共的な施設であるこの第二別館ですが、今後、観光の拠点としてはもちろんのこと、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会を視野に、区民の機運醸成の一助として、活用や大会期間中のおもてなしの場として、さらに二〇二〇年以降をも展望し、いかに有効活用するかが問われています。現在、レストランと展望ロビーなどを運営している指定管理者の期間が平成二十九年三月までという中で、区は新たな条例制定などを視野に入れ、七月には今後の事業展開に関する検討状況を報告するということですが、現時点における運営上の課題と今後の事業展開の基本的な考え方を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 安部議員にお答えをいたします。  まず、熊本地震を踏まえた災害対策の観点から、本庁舎の整備についてのお尋ねでございました。本庁舎等整備基本構想検討委員会におきまして、学識経験者、区民あわせて二十名の委員によって、四月以降六月四日までに、既に四回にわたって真剣で掘り下げた議論をいただいております。検討委員会では、区からお示しした本庁舎等整備検討素材における区民自治と協働、交流の拠点としての庁舎、区民の安全安心を支える防災拠点となる庁舎など、五つの基本的な方針について論点を提示し、御議論をいただいているところであります。  特に四月に発生した熊本における地震からは、発災時に防災拠点となる庁舎が揺るぎなく機能することの重要性について、私自身改めて課題を投げかけられたと受けとめております。検討委員会において、この点に関しても、掘り下げた示唆に富む議論が続いていると聞いております。七月には、この検討委員会から四カ月の議論のまとめをいただく予定ですので、これまでの議論、議会での議論も含めまして、区として基本構想の素案をまとめてまいりたいと思います。  次に、発災時に第一庁舎と第二庁舎を災害拠点として使用できない場合に触れた御質問をいただきました。  東日本大震災から五年経過いたしました。被災地の復興はまだ道半ばと感じていたところに、今回熊本で二度にわたる震度七の大きな震災がありました。こうした相次ぐ災害への備えを強化するために、平成二十七年度から二十八年度にかけて、区では、世田谷区地域防災計画の修正に取り組んでいるところであります。このたび、六月一日に防災会議を開催、計画素案を決定いたしました。  計画素案の修正に当たっては、関係法令及び上位計画の反映を進めていくほか、実災害での教訓を修正の視点として取り上げております。例えば、東日本大震災の際に重要性が指摘されました避難所運営において、女性からの視点で見直していくといったテーマ、また、早期の生活復旧のためのボランティアを受け入れていくための体制整備、また、避難行動に支援を要する方々へスムーズに手を差し伸べる対策、区民への防災意識啓発などを重要な視点として盛り込んでいるところであります。今後、熊本地震における課題についてもしっかり見きわめていき、計画の見直しに反映をさせたいと思います。御質問をいただいております大規模災害時における第一、第二庁舎の代替施設につきましても、早急に近隣施設との協力協定を進めるなど取り組んでまいります。順次計画、マニュアル修正に反映させていく予定でございます。  次に、ライフステージにおける取り組みの姿勢についてということで御質問を伺いました。  昨年度、健康せたがやプラン(第二次)中間評価において、世田谷区の平均寿命は延伸しているものの、御指摘のように六十五歳健康寿命は横ばいの状態であります。健康寿命の延伸に向けては、住みなれた地域でいつまでも元気に過ごすことができるように、サロン活動など、健康づくりや介護予防に向けた区民の自発的な活動が広がっていくことが極めて重要です。この七月からの全二十七地区でスタートする福祉の相談窓口では、地域活動、団体のネットワークをより住民の方々や高齢者の皆さんに身近なものとし、広げていくことを意識しております。一方、区民一人一人の健康づくりを支えていくためには、若い世代からの生活習慣病予防対策が重要であり、区民が健康診断等を通して自分自身の健康状態を把握することも大変大事であります。具体策については保健所長が答弁しますが、人口がふえていく中、健康寿命を延ばし、地域の支えあいが機能して、生き生きと毎日を過ごせる地域づくりに全力で取り組んでまいります。  最後に、オリンピック・パラリンピックを契機とした国際交流、産業振興についてのお尋ねでございます。  六月一日現在、区内在住の外国人人口は一万七千六百人を超え、御指摘のように、これまでの対応を顧みて、より細かくて丁寧な配慮とサポートが必要であるというふうに考えております。昨年一年間で東京を訪れた外国人旅行者数も約千百八十九万人に達するなど、今まさに、在住、短期滞在、また、旅行者を問わず、さまざまな言語、文化を背景とする方々にとって、住みやすく過ごしやすいまちづくりの実現が求められていると考えております。オリンピック・パラリンピックを契機として、地域観光情報の多言語対応や国際交流など国際化の取り組みを積極的に行っていくことは、世田谷区が多文化共生社会に向けた豊かで平和な地域社会へとさらに発展していく契機にもなると考えております。  新たに設置した国際課では、これらを踏まえ、区内大学や留学生、関係団体などとともにさまざまな取り組みを展開してまいります。また、国内、世界中から世田谷区が注目され、訪問してもらえるような区の魅力を発信する取り組み、その仕組みづくりを検討しております。魅力あるまちづくり、区のブランド力のアップにつながり、結果として区内産業の振興につながり、区民にも大きなメリットをもたらす取り組みにしたいと考えております。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 私からは、三点についてお答えさせていただきます。  まず第一点は、行政経営改革についてでございます。  人口増加や少子・高齢化が進み、公共施設の整備更新需要が高まる中にあって、区は持続可能な財政基盤の確立に向けて、より一層の行政経営改革に取り組む必要があると認識しております。新実施計画において、必要性、有効性の観点から、事業の改廃と見直しや、税外収入の確保、区民負担の見直し、債権管理の適正化など、行政経営改革の基本的な考え方を示し、その考え方に基づき、歳出削減と歳入確保に徹底して取り組んでおります。また、これまで培ってきた行政経営改革の手法に加えまして、行政実務の効果の最大化を図り、限られた予算を工夫を凝らして再配分し、資源の利活用を徹底するなど、行政サービスを根本から変える改革が必要であると考え、新たな改革の手法の創出に向けて検討を進めております。引き続き、行政経営改革の基本的な考え方に基づき、事業の精査を進める一方で、新たな行政経営改革の手法で、すぐに実現できるものは二十九年度予算編成において活用し、また、その考え方を次期新実施計画策定に当たっての基本的な方針の一つとして位置づけてまいります。  次に、道路整備の促進についてでございます。  本年三月に東京都特別区及び二十六市二町の協働で策定いたしました東京における都市計画道路の整備方針、いわゆる第四次事業化計画におきましては、区内で区施行九区間三・七キロメートル、都施行十区間八・四キロメートル、計約十二キロメートルの優先整備路線を選定しております。これらの優先整備路線は、公共交通不便地域の解消、通り抜け車両の抑制など、区民の日常生活の安全性や利便性向上に資するだけでなく、災害時には、延焼遮断帯や避難路、緊急物資の輸送路となるなど、地区の防災性向上に必要不可欠な路線であります。このため、区では、区施行の優先整備路線について、計画期間内に着実な事業化を目指すとともに、都施行の優先整備路線につきましても都に整備促進を働きかけ、都市計画道路ネットワークの早期整備を図ってまいります。また、同時に、木造密集地区における狭隘道路の整備や土地区画整理事業を施行すべき区域での道路基盤の整備など、総合的な取り組みを進め、災害に強いまちづくりを目指してまいります。  最後に、都立玉川高校の跡地について御答弁申し上げます。  旧都立玉川高校跡地のある二子玉川地区では、世田谷区基本計画及び都市整備方針で、広域生活・文化拠点と位置づけております。地域整備方針では、商業、業務、文化、交流、スポーツ・レクリエーションなどの機能を備え、にぎわいと居住、自然環境が調和するまちを目指すとしており、これらの地域像の実現に向けた活用を図る必要があると考えております。また、二子玉川地区の再開発の進展とともに、近年、人口増の傾向が続いており、この動向に対応する活用も検討する必要があります。一方、平成二十六年度策定の公共施設整備方針、昨年度御報告した公共施設等総合管理計画の基本方針の中でもお示しさせていただいたとおり、高度成長期に建設された公共施設の更新事業が大量に控えており、区が整備運営する大型施設を新設することは難しい状況にございます。このような条件を踏まえながら、地元要望施設の公益性、財源などを考慮し、当該地域における政策的優先度をもとに、お話しのありました施設も参考に、区としての活用の方向性を整理した上で、東京都との協議に臨んでまいります。    〔宮崎副区長登壇〕
    ◎宮崎 副区長 私からは、四点の御質問について順次御答弁申し上げます。  最初に、地域包括ケアシステムに係ります整備体制についてでございます。  区では、身近な地区におけるまちづくりセンターにおきまして、あんしんすこやかセンター及び社会福祉協議会と連携し、福祉の相談に対応するとともに、地区のさまざまな課題の解決に取り組む地域包括ケアの地区展開を二年前からモデル事業として行ってまいりました。モデル事業では、複合的な課題を抱える方への支援を行うとともに、総合支所の関係各課や専門組織等に適切に引き継ぐなどの事例を積み上げてまいりました。また、地区で活動する個人や団体、NPO、事業者等との協力、連携を進め、区民の新たな活動場所もふやしてきております。現時点での総括といたしましては、区民周知の方法や職員の相談対応のスキル向上、バックアップ体制の強化、利用しやすい窓口案内、一体整備が未完了の施設における連携や案内の仕方等の必要性を課題として取り上げております。  これらの課題に対しましては、職員研修や相談対応マニュアルの充実等により解決を図ってまいりますが、着実に相談体制の充実や的確なサービス提供等に向けた取り組みを進めていくよう、努力してまいります。七月には、全地区におきまして、福祉の相談窓口の看板を掲げ、三者連携と地域の方々との参加と協働による地域包括ケアの地区展開を開始させていただきます。  次に、保育待機児対策について御答弁申し上げます。  この間、あらゆる手法を活用いたしまして、保育施設の整備、定員拡充に全力を挙げて取り組み、平成二十八年四月には千二百五十九名の定員拡充を図ったものの、保育待機児童数は前年よりも十六名増の一千百九十八名となりました。多くの子育ての家庭の御期待に応えられなかったことに対しまして、大変申しわけなく思っております。  今後の対策といたしましては、三歳児以降の待機児解消にめどがついたことを受けまして、引き続き認可保育園の整備を進めながら、低年齢児を対象とした保育施設の整備に重点を置いて取り組んでまいります。特に連携施設の設定が整備の障壁となる小規模保育事業につきましては、連携施設の候補となる認可保育園を区が確保し、公募に際して公表し、また、地域状況を踏まえ、一定の条件のもとに連携施設を設定しない場合も認めるなど、整備の促進を図ってまいります。なお、認証保育所、保育室など、認可外保育施設につきまして、先般閣議決定されましたニッポン一億総活躍プランの中で、自治体独自の保育施設の運営費の一部支援策が示されております。今後、国の動向を踏まえまして、認証保育所の利用者負担軽減や保育室の運営費補助のあり方について検討し、早急に対応策を構築してまいります。  続きまして、児童相談所の移管に向けました区の姿勢についてでございます。  今般の児童福祉法改正によりまして、特別区が児童相談所を設置できることになりまして、児童虐待を含め、子ども、家庭を取り巻く環境が複雑化、深刻化する状況を踏まえた大変意義のある法改正が行われたと受けとめております。区は、人口八十九万を抱える基礎自治体として、地域の多様な関係機関と密に連携協力してきた実績と経験を生かし、個々の子どもや家庭に対して切れ目のない効果的な支援を行うため、いち早く児童相談所の移管を実現させたいと考えております。  一方で、専門人材の確保や育成、都区財政調整上の交付金や配分割合などの取り扱い、一時保護所のあり方、現在世田谷児童相談所が管轄しております狛江市をどうするかといった管轄地域の扱い、児童福祉施設や認可外保育施設に関する事務など、児童相談所設置市としての組織体制など、移管に向けた課題は山積しております。例えば、人材につきましては、区は、これまで九人の職員を世田谷児童相談所に派遣し、人材育成に努めてまいりましたが、今後、さらに多くの職員を計画的に都の児童相談所へ派遣し実務経験を積ませるほか、都職員の身分切りかえを含めた具体的な検討が急務となっております。  これらの課題に対しまして、特別区長会に新たに設置されます連絡調整会議での検討や、東京都との協議を加速させるとともに、まずはこの間、二十三区で策定いたしました特別区児童相談所移管モデルにつきまして、区の実情を踏まえた具体化の検討を行うとともに、区としての移管に向けたロードマップを早急に作成してまいります。この過程におきまして、所管委員会におきまして協議、御議論をいただき、区としての案を固めていきたいと考えております。  続きまして、オリンピック・パラリンピックに関連いたしまして、文化の祭典としての取り組みについて御答弁申し上げます。  オリンピック・パラリンピックは、文化の祭典でもあることから、二〇二〇年、東京大会は日本の文化の魅力を世界に示すとともに、文化芸術を通じて世界に貢献するまたとない機会であり、文化芸術の振興にとって絶好の機会として捉えております。区は、世田谷区第二期文化・芸術振興計画を策定し、文化都市せたがやとして文化・芸術振興施策を進めることとしております。今後、東京大会を見据え、世田谷美術館、文学館や文化生活情報センターを初めとした世田谷区の豊かな文化・芸術資源を生かし、民間との協働も視野に入れまして、美術や演劇、音楽など、世田谷の文化に触れる機会の創出や地域の生活文化の発信など、さまざまな取り組みを推進してまいります。社会的に人口が減り、経済成長が難しい時代だからこそ、文化が地域を活性化させる力にもなります。庁内はもとより、外郭団体や関係機関等と連携し、また、実施に当たっては区単独の予算ではなく、国や東京都の補助金を活用し、多様な取り組みを図ってまいります。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 二本の質問に御答弁申し上げます。  まず初めに、区立図書館の民営化についてです。  教育委員会では、昨年の平成二十七年度から第二次世田谷区立図書館ビジョンに基づき、多様な区民ニーズを捉えた魅力あふれる図書館サービスのより一層の充実に取り組んでおります。昨年度は、本のない図書館と呼ばれる図書館カウンターを二子玉川と三軒茶屋に開設しました。また、本年九月に世田谷合同庁舎内にリニューアルオープン予定の世田谷図書館は、くつろぎやコミュニティーの空間創出、閲覧席の充実等、また、夏休み中に子どもや地域の方に親しんでいただけるプレオープンも視野に入れるなど、民間事業者と連携して、現在さまざまな準備を進めております。また、梅丘図書館は、策定委員会とワークショップを合同開催する手法により、区民意見を数多く取り入れながら、基本構想の報告書を取りまとめました。さらに、経堂図書館は、平成二十九年度からの新たな運用体制の実現に向け、現在、指定管理者の候補者となる事業者を選定中です。  このようなさまざまな取り組みを指定管理者制度、一部業務委託といった多様な方法により実現しております。今後の民間活力の導入につきましては、経堂図書館の検討状況や全庁的な指定管理者制度見直し等を踏まえ、平成二十九年度中に策定する図書館ビジョンの第二期行動計画の中で具体的に検討してまいります。  次に、世田谷九年教育と学校教育法の一部改正による義務教育学校の設置について御質問いただきました。  議員お話しのとおり、本年四月、学校教育法の一部改正により、小中一貫教育を実施することを目的とした義務教育学校の設置が位置づけられました。義務教育学校の狙いは、小中学校の連携の強化、義務教育九年間を通じた系統性、連続性に配慮した取り組みであると捉えており、本区においては、既に世田谷九年教育として国に先駆けて実践してまいりました。御案内のように、世田谷九年教育では、小中学校が学び舎を構成して連携し、児童生徒の九年間の発達全体を見通しながら、区独自で制定した世田谷区教育要領に基づく指導を行っております。また、小中学校の教員が学び舎ごとに合同研修を行い、学習習得確認調査から分析した課題について授業改善を図るなど、教員の授業力や指導力の向上に取り組むとともに、挨拶運動などで児童生徒の交流を深めるなど、特色ある学校運営に取り組んでおります。  教育委員会といたしましても、学校教育法の改正による義務教育学校の動向を見据えながら、第二次教育ビジョンの重点事業に掲げた世田谷九年教育の定着と質の向上、また、昨年度末に策定しました世田谷マネジメントスタンダードの活用により、より一層質の高い義務教育の実現に取り組んでまいります。  以上です。 ◎内田 世田谷総合支所長 私からは、二点御答弁申し上げます。  まず、世田谷総合支所移転の検討状況等についてでございます。  世田谷総合支所の移転につきましては、現在、三軒茶屋の民有地において、相手方と施設整備可能な規模を調整するとともに、新たな世田谷総合支所における防災、コミュニティー機能や本庁に残すべき窓口等の機能を精査しているところでございます。あわせて、総合支所の機能拡充につきましては、高齢者や子ども・子育て支援等の新たな課題への対応も踏まえ、総合支所のあり方を地域行政部等と検討してまいります。  三軒茶屋駅周辺地区は、都市整備方針において、広域生活・文化拠点として、にぎわいと活気に満ちた魅力ある拠点づくりを進めるとともに、駅付近は防災性の高い建築物の整備を誘導することを定めております。また、国道二四六号の南側に複数の大学があり、学生など多くの若者の力も活用し、多様な世代がともに地域活動に参加するまちづくりが期待されております。区といたしましては、支所移転に関し、施設整備等にかかるコスト、職員数、本庁舎の窓口機能、三軒茶屋周辺の公共施設の再配置など、さまざまな課題があることから、関係する所管と調整し、本庁舎整備のスケジュールも踏まえ、世田谷総合支所移転についての方向性を示してまいります。  次に、世田谷区民会館第二別館の今後の事業展開についてです。  世田谷区民会館第二別館は、飲食の提供もできる集会施設として、平成八年にキャロットタワー二十六階に開設いたしました。高層ビル最上階の眺望を生かしたレストラン、集会室と無料の展望ロビーとを設置しており、現在の指定管理者の期間は平成二十九年三月となっております。施設運営の課題は、東京タワーなど都心の眺望がレストランの利用者しか見ることができないこと、展望ロビーやレストランなどの設置場所を初め、予約方法や運営時間などを条例規則、事業者募集等で細かく定めているため、事業者の創意工夫が生かしにくい点などと認識しております。加えて、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を踏まえた、おもてなしや観光の展開も必要だと考えております。  区といたしましては、これらの課題を踏まえ、利用者アンケートも参考に、事業者の柔軟な発想を引き出す仕組みを、指定管理者制度や利用料金制を基本に、区民会館条例にこだわらず、新たな条例も視野に入れ、検討しております。特に二十六階の強みである眺望を最大限活用した区民の交流、さらに、観光の場であることを念頭に、東京二〇二〇大会、国際交流、観光等の関係所管と連携を図り、議会の御意見も伺いながら、今後の事業展開をまとめてまいります。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、健康寿命の延伸に向けての具体策についてお答えいたします。  健康寿命を損なう要因の多くは生活習慣病であり、若い世代からの健康づくりが大切です。議員お話しのとおり、健康診断、保健指導の徹底が重要となります。現在、医療保険者に義務づけられた特定健診、特定保健指導を初め、さまざまな形で健康診断が実施されていますが、保険者によっては受診率が伸び悩んでいるところもあると聞いております。  区は、昨年度、地域保健と職域保健が連携して働く世代の健康づくりを支援できるよう、世田谷区地域・職域連携推進連絡会を設置いたしました。そこでの検討から、健診の内容と種別等をわかりやすく記載したリーフレットの作成、事業主向けのセミナーの共同実施、特定保健指導に至らない方を対象に、生活習慣病重症化予防の個別指導等の取り組みを進めているところでございます。区や医療保険者等が相互のネットワークを生かして、従業員や区民に健診の情報提供や啓発を行い、働く世代を中心に受診率の向上や保健事業等の充実に取り組むことが、区民の健康づくりに、ひいては健康寿命の延伸につながると考えております。今後も、地域職域連携の輪を通じ、区民の健康管理を支援してまいります。  以上です。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、地域包括ケアシステムについて、二点御答弁いたします。  まず、在宅医療に関する情報提供を行う在宅医療センターについてです。  高齢化が進展する中で、区民が療養生活になっても住みなれた地域で安心して暮らしていくには、在宅医療に関するさまざまな情報を適切に得ることができる体制を整備することは、重要な課題であると認識しております。区では、平成十九年度から、在宅医療電話相談センターを設置し、医療機関や介護施設の御案内を行っておりますが、多様化する在宅医療ニーズに対応するためには、必要な医療処置やリハビリなど、一人一人の状況に合わせた詳細な医療情報を提供できる体制の強化が必要であると考えております。今後は、平成三十年度を目途に、医師会、歯科医師会、薬剤師会等と連携し、区民の在宅医療を支える医療情報を提供することができる仕組みについて、医師や介護職等多職種が参加する医療連携推進協議会において御意見を伺いながら、検討してまいります。  次に、ICTを活用した情報共有についてです。  医療や介護を必要とする区民が在宅で安心して療養生活を送るには、医療関係者と介護関係者が患者の情報を共有し、きめ細かな医療介護サービスの提供を図ることが必要です。区では、これまでも医療連携推進協議会で患者の医療介護情報の共有について検討しており、さまざまなツールを利用しながら情報共有を図ってまいりました。今年度は、両医師会が、東京都の補助金を活用し、年度内の実用化に向けてICTによる情報共有システムの開発を行っているところでございます。このシステムでは、医師や看護師、ケアマネジャー等が患者の情報を同時に共有することで状況を的確に把握し、多職種が連携して支えることが必要な高齢者等の在宅医療を推進することを目指しております。区といたしましても、引き続き、ICTの活用を通して、医療職と介護職等の多職種によるネットワークづくりを支援してまいります。  以上でございます。 ◎松本 障害福祉担当部長 障害者差別解消法周知の取り組みについて御答弁申し上げます。  本年四月一日の障害者差別解消法の施行に向けては、区民当事者の意見を伺いながら作成した職員向けガイドブックや研修などを通じ、全職員へ法の内容や区の対応を周知するなどの準備を進めてまいりました。また、施行当日には、区役所中庭にて、障害当事者などの御参加を得ながら、世界自閉症啓発デーのキャンペーンとともに、法施行周知のイベントを開催しております。今夏には、南米のブラジル・リオデジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催され、スポーツや文化を通じた交流が行われます。これを契機に、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、一層障害者スポーツへの関心も高まるものと考えております。  区といたしましては、引き続き障害者団体や関係機関とも連携し、イエローリボンやリーフレットを活用した障害者差別解消法の周知啓発を図ってまいりますが、加えて、スポーツ・文化交流やさまざまな地域活動の機会も捉え、工夫を凝らしながら障害理解の促進と差別解消の周知啓発に努めてまいります。 ◎青山 道路・交通政策部長 私からは、補助第五四号線Ⅰ期区間の進捗状況について御答弁申し上げます。  補助第五四号線Ⅰ期区間につきましては、駅前交通広場である世田谷区画街路第一〇号線とともに、平成三十三年度末の事業完成を目指し、この四月の組織改正により事業推進体制を強化し、鋭意事業を進めているところでございます。現在、既に重点的に交渉中の案件につきましては、引き続きスピード感を持って事業執行に取り組んでいるところであり、担当職員には、現時点での予算措置状況だけを見てちゅうちょすることなく、一日でも早く事業協力をいただけるよう積極的に交渉を進めるよう指示しております。  一方、新たに事業推進を図る案件につきましては、現段階で全案件について、改めて関係権利者の意向や交渉状況、土地境界の確定状況等を再整理するとともに、人通りが多い高密な商業地での建物解体や建てかえ等、用地取得の順序にも影響する物理的要件等の整理と分析を進めているところでございます。成果が目に見える形であらわれるには、いましばらく時間をいただきたいと存じますが、区といたしましては、これらの整理と分析から、精緻な用地取得計画の策定を進め、これに従って着実に事業を推進し、事業全体のスピードアップに全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎関根 防災街づくり担当部長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  最初に、狭隘道路の整備促進に向けた具体策についてお答えいたします。  区では、三十年以上前から狭隘道路の整備拡幅に取り組み、これまでに約百十七キロメートルの拡幅整備を行っており、現在では年間五千メートル以上の整備実績がございます。しかしながら、現時点でも、区内の建築敷地の約三分の一が幅員四メートル未満の狭隘道路に接しており、災害時における緊急車両の通行や避難経路の確保、また、日常生活の利便性の観点からも、狭隘道路の解消は依然として重要な課題であると認識しております。狭隘道路の整備促進策の一つとして、平成二十三年度からは、建てかえのある敷地前の拡幅だけでなく、お隣や向かい側の敷地の権利者にもお声がけしながら、同時に拡幅する啓発活動を行っており、平成二十七年度までの五年間で百一件、延長約千百メートルの整備実績を上げております。今後とも、拡幅整備のさらなるスピードアップを目指し、新たな促進策を検討するなど、狭隘道路の解消に向けて一層の取り組みを進めてまいります。  次に、建物の耐震化について、区の覚悟と今できる方策についてお答えいたします。  今回の熊本地震では、死者の多くが建築物の倒壊でお亡くなりになり、改めて建築物の耐震性確保の重要性を強く認識したところでございます。現在の区の耐震基準では、震度六強以上の地震一回に耐えるレベルであり、熊本地震において建築物の倒壊被害が多数発生した背景といたしましては、大きな地震が何度も繰り返し起こる波状型地震という従来想定していなかった地震が主な原因であると考えられております。  現在の区の耐震化対策でございますが、本年三月に世田谷区耐震改修促進計画を改定し、平成三十二年度までに住宅と民間特定建築物の耐震化率を九五%にすることなどを目標に、さらなる耐震化の促進に向け、取り組んでいるところでございます。今回のような波状型地震に対し、区といたしましては、当面の対応として、耐震シェルターや耐震ベッド等の普及を推進してまいります。また、建築物の耐震基準につきましては、建築基準法の構造基準等と連動することから、国や東京都の動向を注視してまいります。いずれにいたしましても、大地震による建築物の倒壊を防ぎ、万が一倒壊したときでも人命は守る、その覚悟で区としてできる最大限の対応を行ってまいります。  以上です。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 私からは、災害に強いまちづくりの観点から、清掃工場についての御質問にお答えいたします。  清掃工場は、災害時には、通常の廃棄物に加え、災害廃棄物も処理していかなければなりません。地域の衛生的な環境を確保して、復旧復興に寄与するためにも、被災後速やかに、かつ安定的に稼働することが必要でございます。そのため、清掃工場は、通常の建物よりも高い耐震性を有しておりますが、工場のプラントで安定的な処理を行うということが前提となることは申すまでもございません。世田谷清掃工場については、この間、区として、抜本的対策を含めまして、安定的な中間処理体制の確保と、清掃工場周辺にお住まいの皆様を初め区民の理解を得る取り組みを清掃一部事務組合に強く求めてまいりました。清掃一組でも重くこれを受けとめまして、対策検討委員会を設け、検討や対策に当たっています。  不安定稼働の原因となりました作業環境確保につきましては、プラント機器類の囲い込みや吸引ダクトの新設等の対策を施し、試験稼働の上、環境測定を行った結果、通常の保護具で作業ができる回復が確認をできたことから、四月二十五日より二炉とも、また本日時点でも、通常稼働をしております。  さらに、追加対策といたしまして、消耗品の交換や各種の測定、内部清掃の充実等を本年度から実施するとともに、現在整備工事も含む中長期的取り組みの検討を行っているところでございます。整備工事内容の最終判断は、対策検討委員会の検討結果を踏まえて、中間処理に関する権限と責任を有する清掃一組が行うものですけれども、区といたしましては、今後とも議会の御意見等を踏まえまして、安定的な中間処理体制確保の観点から、地元区としての主張を強く行ってまいります。  以上です。 ◎志賀 教育環境推進担当部長 小中学校の改築、改修について、前倒しで着手すべきという点について御答弁申し上げます。  今回の熊本地震では、これまでの想定を覆す震度七という強い揺れが二回続けて発生した地域もあり、生活再建の見通しが立たない状況が連日ニュース等で報道されております。御指摘のとおり、学校は、大規模震災発生時には一時集合所となり、その後、自宅での居住継続が困難な方々のための避難所となります。世田谷区では、校舎や非構造部材についても耐震化は既に終了していることから、直ちに倒壊する状況には至らないものと認識しており、避難所としての機能は維持できるものと考えております。  なお、今後、国等が熊本地震の検証作業を行い、新たな耐震基準に関する方向性が示された場合には、それに基づいた取り組みを進める必要があると考えております。教育委員会といたしましては、公共施設等総合管理計画の基本方針に基づき、学校施設の計画的な改築や改修を基本に進めてまいりますが、複合化等の推進をあわせて、庁内関係所管と連携して検討してまいります。  以上です。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、教育政策の観点から二点御答弁を申し上げます。  まず一点目、デジタル教科書を見据えた教科書採択についてということでございます。  今月公表されました文部科学省の「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の中間まとめ(案)では、これまでの副教材としての扱いから、初めてデジタル教科書の位置づけや教科書制度のあり方について、一定の方向性が示されました。ここでは、デジタル教科書は紙の教科書の内容と同一のものとしておりまして、紙の教科書と併用しながら必要に応じて使うことや、動画や音声はデジタル教科書と一体的に使用する副教材として扱うものとしております。このほか、議員お話しにもございましたように、経費負担ですとかデジタル教科書の著作や編集といった課題なども挙げられております。  平成三十二年度及び三十三年度から全面実施が予定されている次期学習指導要領では、アクティブラーニングの視点に立った深い学びや対話的な学び、主体的な学びの実現などが重視されており、デジタル教科書を含めたICTを効果的に活用することで、このような学びの実現が期待されております。教育委員会といたしましては、教科書採択のあり方などの今後の国の動向を注視しつつ、教員がICTを効果的に活用して事業を推進できるよう研修を進めるとともに、さらなる環境整備にも取り組んでまいります。  引き続きまして、二点目でございます。不登校対策に関するアクションプランについてということでございます。  教育委員会では、平成二十一年五月に策定しました世田谷区における不登校対策のあり方に基づき、さまざまな対策を講じてまいりましたが、不登校に至る経緯も複雑化、多様化しておりまして、さらなる取り組みが必要であると認識しております。国や都におきましても、不登校の児童生徒の増加を受け、検討が進められている状況があり、支援のあり方などについての報告が取りまとめられたところでございます。  区では、こうした状況を踏まえまして、不登校対策において行政が担うべき役割や機能について、いま一度検討を行い、改めてこれまでの学校あるいは学校外における支援の方針を見直し、今後数年を見据えた不登校の児童生徒に係る具体的な取り組みを仮称不登校対策アクションプランとして取りまとめていく必要があると考えております。  検討に当たりましては、不安や悩みといった児童生徒や保護者の思いに寄り添うとともに、新たなほっとスクールを含めたその運営や指導内容、学校の支援体制、個に応じた支援、専門家や関係機関と連携した支援などを中心に対応策を検討しまして、平成二十九年度の施策策定に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎花房 産業政策部長 私からは、創業支援事業計画について御答弁申し上げます。  起業・創業支援の推進は、区の産業振興計画においても重点事業として位置づけております。御質問の創業支援事業計画は、地域の相談機関や金融機関等が地方自治体と連携して、創業をより一層推進することを国が認定するものでございます。ことし一月にこの認定を受けた本区の計画は、区を初め東京商工会議所世田谷支部、世田谷信用金庫、昭和信用金庫、日本政策金融公庫渋谷支店、せたがや中小企業経営支援センター、ものづくり学校、産業振興公社の八つの団体が相互に連携しながら創業支援事業を実施していくもので、平成三十一年度までの五カ年度に合計で四百三十件の創業を目標としております。区では、新たに今申し上げました八団体の連絡会議を設置いたしまして、団体間の連携による新たな事業展開についての検討を進めております。その一環として、現在区役所第一庁舎ロビーにて本計画のPRを目的としたパネル展示を行っております。区といたしましては、関係団体とより一層緊密に連携いたしまして、創業するメリットの周知や創業に向けての継続的な支援など、区内での起業者数の増加を目指しまして、引き続き区内産業の活性化に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎五十嵐 スポーツ推進担当部長 私からは事前キャンプなどの準備状況についてお答えいたします。  アメリカ選手団のキャンプに関する状況につきましては、アメリカオリンピック委員会へ具体的な利用施設、利用期間について、各競技団体との調整をお願いしているところです。リオ大会の終了後、協議が急速に進展すると考えておりますので、キャンプ時の運営体制について、キャンプ受け入れの経験のある自治体などから情報収集を行うなど、具体的な協議に向けて準備を進めているところでございます。  一方、報道がありました千葉県の事前キャンプは、各競技団体が独自に行う強化トレーニングの位置づけであると聞いております。このようなケースがあった場合、世田谷区へのスムーズな移行ができるよう、各自治体と連携を図ってまいります。また、東京二〇二〇大会に向けては、全庁挙げて取り組みを進めることを目的に、庁内推進本部を設置するとともに、区内産業団体代表や有識者などによる懇談会を開催いたしました。大会後のレガシーを見据えた取り組み方針の策定に向け、検討を行ってまいります。  二〇二〇年までの限られた時間の中で、効率的かつ効果的に取り組みを進め、大会を契機に多くの有益な遺産、レガシーを創出することができるよう、引き続き議会の皆様と情報を共有し、御意見をいただきながら、スピード感を持って取り組んでまいります。  以上です。 ◆二十九番(安部ひろゆき 議員) 本庁舎整備についてなんですけれども、区長が答弁で、検討委員会の議論を受けとめ、区議会での議論を踏まえ、基本構想素案を策定するというふうにお答えいただきましたけれども、やっぱり本来議会こそが本当に民意の最高の代弁機関でありますので、区としても議会の意見を本庁の整備基本構想の素案作成に尊重すべきというふうに私は考えていますけれども、区長はどのように考えているかお答えください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 安部議員の再質問にお答えをいたします。  本庁舎整備基本構想検討委員会におきましては、本年四月以降、検討素材に盛り込みましたさまざまな論点について議論をいただいているところであります。本庁舎の規模や交通計画、広場の機能など、本庁舎の整備に当たり、基本となる条件について議論の積み重ねを現在進行していただいているとおりであります。この間の検討委員会の検討状況については、区議会の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会に御報告し、議論をいただいているところですが、今後、七月にいただく予定の検討委員会のまとめを尊重し、直ちに区として基本構想の素案を策定してまいります。基本構想の素案を策定した以降は、パブリックコメント等の結果も含め、区議会第三定例会、第四定例会において、さらに十分な御議論をいただいた上で、区議会の意見を踏まえて基本構想としてまとめてまいりたいと考えております。 ◆二十九番(安部ひろゆき 議員) 何か議会軽視のように聞こえてしまうんですけれども、これについてはまた一般質問等でいろいろ私たちの会派で質問があると思いますので、真摯に答弁をいただきたいと思っております。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で安部ひろゆき議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第二を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第二 一般質問 ○上島よしもり 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  一番おぎのけんじ議員。    〔一番おぎのけんじ議員登壇〕(拍手) ◆一番(おぎのけんじ 議員) 毎年千人以上の未就学児がふえている、区長がそう語るのを聞くたび、私は少し苦々しい思いを抱きます。世田谷に魅力を感じ、多くの世帯がお子さんともども転入をされてくることは、非常に喜ばしいことであります。しかし、その一方で、世田谷での子育てのしづらさを理由に転出をされる方、あるいは転入を断念される方々がいるということもまた事実であり、そちらには目を伏せているのではないか、そんな気がしてなりません。  待機児対策に当たり、質の確保は譲れないと区長は念仏のように繰り返します。しかし、認可入園というプラチナチケットを手に入れることができた一部の子どもに対しては、区長の言う世田谷基準の保育が提供される一方で、不運にも希望する保育所に入園できなかった千百九十八人の子どもたちは、待機児童となりました。区長が国の基準よりも手厚い世田谷基準にこだわり続けるがゆえに、受け入れ枠がふえず、事業者も集まらず、他の自治体であれば享受できるはずの国の基準レベルの保育が受けられない子どもたちがふえ続けてしまっています。
     私は区長の言う社会的包摂の定義はよく知りませんが、世田谷の待機児童は明らかに社会的に包摂されてはいません。無認可保育所利用者に対する補助という謝罪料のようなものを払うことが包摂だとは、私は思いません。四月以降、待機児を多く抱える他の自治体からは、矢継ぎ早に緊急対策が打ち出されました。国に対する要望をしつつ、足元でできることをなりふり構わずやるのだという首長の並々ならぬ熱意を感じました。一方、保坂区長は、解消できない理由と自分の理想論をだらだらと並べるだけ。そして、世田谷は待機児童を正しくカウントしていますと、そんなことを聞いて誰が喜ぶのだというようなことを殊さら強調するその様は、まさに負け犬の遠吠えのようであり、一区民として非常に恥ずかしく、また情けなく思いました。  よくも悪くもリーダーの姿勢は伝播します。先日の記者会見でも、定員拡充は実現したいがこれからの努力次第だと述べていました。この完全に他人事のようなやる気のなさが、職員の方々の懸命な整備意欲をそいでしまっているのではないかという強い懸念を私は持っています。しかし、職員の方々にくれぐれも忘れないでいただきたいのは、我が子が待機児となり、苦しみあえいでいる区民があまたいるという当たり前の事実です。  私のもとにも、この一年間、何十人もの区民の方から、何とかして子どもを保育園にというわらにもすがるような思いをたくさん寄せられました。区長のこだわりが、区民が望んでいることではありません。もはや、他自治体のような強力なリーダーシップが望めない以上、現場の皆さんにボトムアップで頑張っていただくしかありません。私は、その可能性に期待する立場として質問をしてまいります。  保坂区長が就任して以降、整備計画は四年連続未達成に終わり、四年連続過去最悪を更新し、四年連続全国ワーストとなりました。もはや緊急事態を通り越して非常事態、異常事態と言うべき状態であります。区長のみならず所管部においても、結果責任に対する認識が著しく甘く、極めて無責任だと言わざるを得ません。この事態をどう受けとめているのか、見込みを外し続ける最大要因は何だと総括をしているのか。  一方で、ことしは二千二百十一人という過去最大の計画が打ち出されました。毎年の積み残しが重なっているとはいえ、野心的を通り越して無謀と感じます。なぜこれほど楽観的な計画が立てられるのか、実際のところ、所管は達成が現実的だと考えているのか、まず伺います。  次に、全国ワーストの待機児を抱える自治体の布陣として、過去最大の計画を張る組織として、また、反対運動への対応など不測の事態も大いに想定される中、今の当該所管の人員体制で十分だと考えているのか。十分ならばその理由を、不十分ならばなぜ強化をしないのか、お聞かせください。  また、昨年度新設された待機児対策担当参事の成果を実績ベースで、同様に昨年から設置された待機児緊急対策本部では何が議論され、成果として生み出されたのか、これらがもたらした待機児解消効果を具体的にお示し願います。  次に、国の緊急対策への対応と国への提言について伺います。  三月に厚労省から発表された待機児緊急対策の中で、待機児が多い自治体に対する要請と言える項目が幾つかありました。特に、臨時的な受け入れ強化の推進、認可基準を満たす施設の積極的認可、小規模保育園等の卒園児の円滑移行、小学校の空き教室等の活用などは世田谷が名指しをされているも同然だと私は思いましたが、今のところ区からはゼロ回答という認識を持っています。  特に受け入れ枠の拡大について、どこまで突っ込んだ検討が行われたのか、非常に疑わしく思っています。ゼロ歳の面積基準緩和についてはシミュレーションが行われ、緩和をすると保育士が足りない、一歳の待機児がふえる、よってできませんということでしたが、そこで思考停止をするのではなくて、練馬のように一歳児一年保育を暫定運用するとか、特に待機児の多い世田谷、玉川エリアだけを限定緩和するとか、枠をひねり出すための検討が徹底的に行われたのかどうか。定員弾力化六百八十四人というのは限界値なのかも含め、区の見解を伺います。  次に、今年度の整備計画について伺います。  千百九十八名の待機児のうち、千百九十四名がゼロ歳から二歳に集中しています。現在の計画では認可保育園増設が一丁目一番地に据えられていますが、三歳から五歳の解消が見えてきた今、いかにゼロ歳から二歳の低年齢児をスピーディーに受け入れるかが重要であります。手間、時間、コストがかかる認可整備ではなく、機動性のある小規模保育所整備を中心に進め、認可外施設へのさらなる補助拡大、働き方改革といった国への申し入れを並行して行うべきと考えます。まず、この点について区の見解を伺います。  そして、この小規模保育の整備が遅々として進んでいません。昨年度六施設百八人の計画に対し、実績は三施設四十人、うち二施設三十一人は新制度に伴う移行であり、新規整備はほとんどできませんでした。整備が進まないハードルは、事業者による物件と連携園の確保です。区は、今年度新規事業として送迎保育事業への補助、小規模認可保育所への賃料補助を打ち出していますが、補助制度をただ用意して事業者を待つのでなく、プッシュ型の事業者確保に努めるべきであります。  連携園の確保については、今後、区でもエリア事情等を考慮したマッチングを開始するとのことですが、さらに踏み込んで、区が主体となり、送迎ステーション用の物件と認可保育所を含めた複数の連携園を事前確保した上で、事業者募集をする。あるいは、小規模保育園に通う児童とより近い連携園をつなぐコンシェルジュ機能を区が担うなど、事業者負担を極力取り除くような構造にすること。また、区、都の条例遵守の緩和、あわせて、以前から指摘されている検査済み証にかわる遵法性調査の速やかな導入など、事業者への規制緩和を最大限行いつつ、開園後の指導検査を厳しく行う方向にシフトをするべきです。そして、最も肝心な物件確保に関しては、不動産調査専門員のさらなる拡充、町会・自治会、商店街への告知強化、総合支所、まちづくりセンターの人的リソースの活用など、あらゆる角度から徹底して情報取得に努めるべきと考えます。  以上、小規模保育事業推進策について区の見解を伺います。  次に、保育士確保について伺います。  区長は、あるメディアで自治体間による保育士の待遇格差が地域ごとの保育士偏在を助長する。よって、世田谷だけ突出した待遇にはしないという趣旨の発言をしていました。しかし、世田谷では、保育士の家賃助成や給与独自加算を既に行っています。そして、今年度、二千二百人枠を新規整備する、イコール保育士四、五百人は確保しなくてはなりません。今の保育士求人倍率を見れば、自治体間の奪い合いだということは誰の目にも明らかです。保育士にとっての好待遇条件を競い合う環境が生まれることの何が問題なのでしょうか。言っていることとやっていることが支離滅裂過ぎて、言葉になりません。何はともあれ、国への待遇改善申し入れは継続しつつ、さらなる区の時限的な独自加算、区内外の潜在保育士獲得への予算措置など、さらに踏み込んだ対策をとるべきであり、そうでもしなければ五百人確保など到底おぼつかないと考えますが、所管の保育士確保にかける意気込みと具体策をお聞かせください。  最後に、区はこれまで整備計画に伴い待機児童数がどう変化し、いつ解消のめどが立つのか、積極的に公表してきませんでした。第二期子ども計画の需給見込みが形骸化した今、確度の高い中長期計画を速やかに策定し直し、しばらく待機児童は解消しません、いついつまでに解消することを目指します、その計画はこうで、こうで、こうですとわかりやすく丁寧な説明と期待値調整をしていただきたい。そして、毎月の整備進捗を記者会見で発表する、「区のおしらせ」でエリア別の整備状況を掲載するなど、待機児解消に関心を寄せる区民の方々に対し、誠実に真摯に向き合っていただきたい。それが無駄な保活やネット上のあらぬうわさを減らすことにもつながります。  私自身、この世田谷で待機児童の保護者となりました。区外の無認可保育園や区外の認証保育園に通わせていたときの時間的、経済的、肉体的苦痛、その間保育園を探し続けた精神的苦痛は、今でも鮮明に思い出すことができます。現場の皆さんの頑張りにより、同じような境遇にある方々が、今度こそ、一人でも二人でも減ることを切望し、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎中村 子ども・若者部長 区の待機児対策について御質問をいただきました。順次お答えいたします。  まず、整備計画の未達成についてです。  これまで保育施設の整備計画につきましては、未達成の状況が続いており、保育施設への入園を希望されている多くの保護者の皆様には、大変申しわけなく思っております。計画未達成の最大の要因としては、幾つかの整備計画地において近隣住民の方々との合意形成に時間を要し、開園におくれが生じていることがあります。現在、区は、事業者とともに保育園が近くに整備されることに不安を抱かれている方々に対し、十分な説明を行い、できる限りの対策を提示して、一日も早い合意形成に向けた取り組みを進めているところです。区は、これまでも、国有地や都有地での施設整備を初め、不動産専門調査員を配置し、民有地を活用した施設整備促進や、保育園整備用地の二十年間の賃借料補助制度の新設、国家戦略特区制度を活用した都市公園内での整備、送迎保育事業など、待機児解消に向けたさまざまな対策を講じてまいりました。  平成二十八年度の整備計画といたしましては、昨年度からの継続整備で五百八十三人、新規整備で千六百二十八人、合わせて二千二百十一人分の計画数を目標に、既に現時点で二千三十三人分の事業決定をしている状況です。今後、保育園の開設を切に望んでいる皆様の期待に応えるため、本整備計画の着実な実現に向けて進捗管理を徹底するとともに、あらゆる手法を活用し、整備計画の実現に向け、全力で取り組んでまいります。  次に、待機児解消に向けた人員や組織について御答弁いたします。  保育施設の整備を担当する所管課の人員体制につきましては、これまでも専門知識を持つ不動産専門調査員の配置や用地買収経験のある職員を配置するほか、平成二十五年度の専管組織立ち上げ時に十名だった職員数を、本年四月には非常勤職員を含めて十八名に増員するなど、体制強化を図っております。全員が一丸となって待機児童解消に向けて取り組んでいるところです。  また、二十七年四月より、待機児童に関する対策について意思決定を迅速に行うため、区長を本部長とした関係部長により組織する保育待機児緊急対策本部を設置し、あわせて、推進体制強化のため、保育待機児対策担当参事を設置いたしました。対策本部では、整備に係る進捗管理のほか、区有地や地域における整備可能な用地を洗い出し、これまで高齢施設でありましたデイ・ホーム大原跡を活用し、区立大原保育園における定期利用の保育の実施や、国家戦略特区制度を活用した都立蘆花恒春園及び都立祖師谷公園での保育園整備等、着実に成果を上げております。今後も、保育待機児緊急対策本部の持つ迅速性や、全庁の連携協力体制を最大限に生かしてまいります。  次に、国の基準を上回る基準を設定している自治体に対して、国が緩和を要請していることに関連しての御質問です。  現在、区では、ゼロ歳児一人当たりの保育室の面積を五平米、一歳児五名につき一名の保育士配置と、国の基準を上回る保育所については、運営費の上乗せ補助をしています。今回の国の要請を受け、ゼロ歳児の面積を国基準の三・三平米として定員を試算した結果、現在より三百三十九名の受け入れが可能となることを確認しましたが、次年度にはこのゼロ歳児が一歳児に進級することにより、一歳児から入園を希望する方の受け入れ可能数がその分減少し、待機児童数の増加につながること、保育士も百十九名が新たに必要となるなど、実施は非常に困難であると考えております。保育士配置につきましても、乳児期には一人一人の子どもへの大人の温かい見守りやきめ細かな対応が重要であり、子どもの安全や保育の質の観点から、現行の区基準を維持してまいります。  また、定員の弾力化については、平成二十八年四月現在、面積、保育士を最大限活用し、約六百八十名実施しており、さらなる弾力化は難しい状況にあります。このため、四月の厚生労働大臣と市区町村長との緊急対策会議では、自治体独自の認可外保育施設への財政支援、税制優遇による民間土地活用の誘導、育児休業取得促進を含めた働き方改革の三点のほか、保育士の処遇改善、幼稚園の一時預かり事業について要望を行ったところです。区としては、今後、国の動向を踏まえ、待機児解消に向けた対応策を早急に構築してまいります。  次に、小規模保育事業についての御質問です。  本年四月の保育待機児童の状況を考えると、三歳から五歳までの待機児童はほぼ解消されているため、今後は特にゼロ歳から二歳の低年齢児を対象とする小規模保育事業の整備をより一層促進していく必要があると認識しております。小規模保育事業は、既存建物の一部を活用して短期間で整備できる反面、三歳以降の受け入れ先となる連携施設の確保が課題となっています。今後は、新たに整備する認可保育園を連携施設候補として区が確保し、公表し、マッチングを図っていくことや、地域状況を踏まえて一定の条件のもと連携施設を設定しない場合を認めるなど、整備の促進を図ってまいります。  また、既存建物を活用して小規模保育事業を整備する際には、バリアフリー関連の条例や規則により構造躯体に大幅な変更が必要とならないよう、関係所管と連携し、一定の条件のもとで柔軟な運用を行っております。検査済み証のない建物につきましても、国のガイドラインを踏まえた活用事例を早期に実現するよう取り組んでいるところです。  現在も、金融機関や税理士会、不動産協会などへ働きかけ、物件情報の収集に取り組んでいるところですが、引き続き、出張所、まちづくりセンターを通じたチラシ配布や広報板へのポスター掲示などを通じて、町会・自治会や商店街への情報提供も積極的に行ってまいります。これらの取り組みにより、事業者の負担を軽減し、小規模保育事業への参入がより促進される環境づくりを全力で進めてまいります。  次に、保育士確保策です。  区は、保育士確保策として、昨年度より、東京都の先駆的な取り組みに対する補助事業を活用し、保育人材情報サイトの開設や委託事業者が開催する地方開催を含めた転職フェアのブース設置、人材確保に関するアドバイザー派遣などを進めております。特に今年度は、地方での人材確保の取り組みを昨年度の二回から十三回と回数をふやし、保育運営事業者への支援を強化しています。潜在保育士の掘り起こしについては、昨年度より、世田谷区産業振興公社との共催による保育士就労支援プログラムを行い、事前講習と職場体験を通じて、ブランクがある方や資格はあるが就労未体験の方の不安を解消し、保育施設への就職に結びつける試みを実施しました。  区としましては、国の公定価格によると約三百六十三万円となる保育士の平均年収を区独自加算により平均約四百万円としていることや、八万二千円を上限とした住宅確保支援事業などの取り組みをしているところですが、全産業の東京都平均は年収約六百十二万円であり、単純比較は難しいですが、差があることは確実だと思っております。ニッポン一億総活躍プランの追加的な処遇改善に加え、さらなる処遇改善を実施するよう国や東京都へ要望してまいります。さらに、保育士養成校と保育施設とが保育士の養成や育成について協議する場を設定するなど、過去最大の保育士確保に向けて、保育運営事業者と一丸となって積極的な保育人材確保策を進めてまいります。  次に、子ども・子育て支援事業計画の見直しと丁寧な区民への情報発信について御答弁いたします。  現在の子ども・子育て支援事業計画では、平成三十二年四月までに保育総定員数をおよそ二万人分まで拡大することとしておりますが、就学前児童の増加が現在の人口推計を上回る状況にあることなどから、今年度、本計画を見直し、議会とも十分協議した上で、区民の皆様へお示しする予定です。  また、保育施設整備の進捗については、これまで、区長記者会見に加えて、区のホームページにおいて個別の整備地における施設の開園予定や住民説明会の予定を逐一更新し、保育園の開園を切望されている保護者の方に必要な情報を届けるよう努めてまいりました。特に現在整備中の認可保育園については、開設予定時期とあわせて運営する事業者の連絡先をホームページに掲載し、入園を御希望される方が事前にお問い合わせができるよう、丁寧な情報提供を行っているところです。今後も、区ホームページや記者会見に加えて、区報や子育て応援アプリ、メールマガジンなども活用し、保護者の方に必要な情報が適時適切に届くよう、各媒体の特徴を生かした積極的な情報発信を行ってまいります。  以上です。 ◆一番(おぎのけんじ 議員) 再質問させていただきます。  昨年度五園で四百五十人分が反対に遭って開園に至らなかったということでしたけれども、やはりそこに対する組織的な対策というものが欠かせないんじゃないかと思います。区長は、よほどのことがない限り出向かないと言っておりましたが、宮崎副区長や中村部長も同じスタンスでしょうか。それから、既に開園して、なお反対運動に直面しているところ、良好な関係になったところ、いろいろあると思いますけれども、各保育園での対応履歴を区の試算として各事業者に共有するとか、そうした動きはないのか。  以上、答えづらいかもしれませんが、可能な範囲で御答弁願います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 再質問に御答弁申し上げます。  いわゆる反対をされている方々の部分につきましては、この間も担当のほうから報告をいただいております。当然のことながら、その状況に応じては、先般区長からもお話がありましたが、区長にしろ、私にしろ、出向く覚悟はございます。ただ、今の状況の中では、事業者のほうと、その辺のところの取り組みを含めていろいろ、いわゆる状況の把握等を含めてやっている状況ですので、その状況を一応報告を受けて、その段階で必要であれば出向きたいと、そのように考えております。  以上です。 ◎中村 子ども・若者部長 再質問にお答えいたします。  保育園の整備に当たりましては、その保育園が開園後に長年にわたって地域の皆様に支えられて運営できるよう、近隣の皆様や町会・自治会の皆様の御協力をいただくことが重要であると考えております。一方で、お話しありましたとおり、合意形成に時間を要して開園時期がおくれている整備地が五ヵ所ございます。この五ヵ所につきましては、一日も早い合意形成に向けた取り組みにより、現時点で二カ所が既に工事に着工しております。この二カ所は今年度内の開園を目指しております。その他三カ所につきましては、二十九年四月の開園を目指して、今取り組んでいるところです。  保育園が近くに整備されることに対する住民の皆様の懸念は、整備地によりさまざまでございますが、例えば交通の問題ですとか、音の問題、建物の配置の問題など、具体的な問題になってきておりますので、当面、合意形成に当たりましては、所管課と部長とで対応させていただきたいと思っています。区といたしましては、今後も事業者とともに整備地ごとの住民の皆様の御懸念をきっちりと把握した上で、丁寧な説明を行って、整備計画の着実な実現に向けて全力を挙げていきたいと思います。  以上です。 ◆一番(おぎのけんじ 議員) ぜひとも丁寧に、スピーディーに進めていただきたいと思います。  以上で終わります。 ○上島よしもり 議長 以上でおぎのけんじ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、二十一番真鍋よしゆき議員。    〔二十一番真鍋よしゆき議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(真鍋よしゆき 議員) 本年四月十二日、国土交通大臣は、今国会で改正された踏切道改良促進法に基づき、改正後第一弾となる改良すべき踏切道として、全国五十八カ所の踏切道の指定を行いましたが、うち二十二カ所は世田谷区内の踏切でありました。危険な踏切が区内に多くあるということを改めて考えさせられました。この二十二カ所は、いずれも京王線の踏切でありまして、連続立体交差事業が平成三十五年三月完成予定であります。しかしながら、その前の工事をやりました小田急線、世田谷代田駅~喜多見駅区間の六・四キロが当初の予定より八年間延びています。京王線は約七・二キロの区間でありますけれども、同じように延びてしまったらどうなるのか。今でも平成三十五年三月完成予定といったら、まだ七年もかかるのかということを大半の区民の方が言われますが、これ以上延びてしまったら困るなということで、促進法も改正されましたので、これを早期実現するための世田谷区の決意をまずお尋ねしたいと思います。  続きまして、先ほど来ずっと議論になっております都市計画道路でありますが、先般、第四次事業化計画が発表され、補助五四号線のⅡ期、Ⅲ期、下北沢部分が見直されたということは、本当に残念でなりませんが、その前の第三次事業化計画、区施行が、下北沢のⅠ期が全く進んでいないということもありますけれども、着手したのが十路線。それで、この十カ年の中で完了したのは、区役所周辺の補助一五四号線の二百七十五メートルのみ。それも二年間延伸しておりまして、十路線のうち九路線がまだ事業中という状況です。いろいろと工事期間を決めるわけですけれども、先ほどの鉄道もそうですが、道路に至っては、全くこれは延伸、延伸になっています。  かつて、この世田谷区議会で質問させてもらったことがありますが、補助二一六号線の榎~千歳通りの一部分の整備の際、区が用地買収をして整備して、一軒だけ飛び出したまま、ほかのところだけが拡幅された道路がありました。その一軒のお宅は、多分反対しているのだろう、何かいろいろと区に嫌がらせをしているんじゃないかと言われておりまして、私、知り合いなものですから、その方に聞きました。どうして区に協力してくれないのですかと聞きましたら、いや、用地買収の人が一回も来ていませんと言うわけですね。当時の課長に聞きましたら、そんなことはありませんということでしたが、調べてもらいましたら、本当に行っていなかったです。なぜかというと、その方は、最初の説明会のときにいろいろ質問したそうでありまして、ブラックリストか何か知りませんけれども、あの人はどうも危ない人だということで、しょせん担当しても二年か三年でかわりますので、その方を後回しにしたというのが、どうもそのときの結論だったようであります。  その後の区長選挙で、前の熊本区長と我が党は、できればワンプロジェクト、ワンチームにしようという政策協定も結んだのが思い出されます。このような形で、これまでの教訓、さまざまな失敗、反省、そのことを総括して、今後、都市計画道路の整備をどう努めていくのか、区の見解をお尋ねします。  また、第四次事業化計画の中では、ずうっと懸案でありました祖師谷公園と補助二一六号線の都市計画がダブっているという問題が、初めて、東京都によりまして、図面入りで検討イメージに載りました。これまで祖師谷公園といえば、昭和十八年に防空区域になって、昭和三十二年に都市計画決定をされて、七十年たってもまだ二割しかできていない。先般、私の質問に世田谷区御当局は、このままのペースで行けば三百五十年かかるという答弁もいただきました。  こういう公園と、それから、今整備している二一六号線、どうしていくのかというのは本当に重要なポイントでありまして、これまで公園は公園、道路は道路としてきた東京都が、検討イメージといえども、それを図面にして載せたことは大きいと思います。このことを地元区である世田谷区はどう捉えて、どう対応するのかお尋ねします。  続きまして、保育園のことにつきまして伺います。  るるお話がありましたけれども、事業者提案型の保育所の開設で特に言われますのが、近隣の方々が聞いていなかった、突然だ、知らなかったという言葉です。看板が立って、突然、福祉施設であるとか保育園とかと見て、びっくりして、それからいろいろともめていくということを私も何カ所か見ています。申請の段階でも、こういう申請中ですよということで挨拶回りをされたらどうなのだろうかな等々、考える方も多いと思います。当然、世田谷区も、これまで苦い思いもしているわけですから、こういう実例を見て、マニュアル等をつくって、いろいろと御指導されていると思いますけれども、その辺の、今後、近隣の皆様方の御理解を得るために世田谷区がどういう努力をしているのか、お尋ねしたいと思います。  また、保育料の格差の問題であります。毎回申し上げておりますけれども、認可保育園、それ以外が認可外と言われること自体、本当に私は腹が立つのですけれども、東京都独自の認証保育所、平均世帯で認証保育所の場合に月額六万九千円の保育料、そして、認可保育園の場合は二万九千二百円ということで、よく一票の格差と言われていますけれども、二倍以上は憲法違反だと最高裁は言っていますが、この保育料の格差も憲法違反じゃないのかなというふうにまで思います。この格差是正について、区の考えをお尋ねいたします。  続きまして、世田谷みやげの普及についてお尋ねをいたします。  私は、いろいろ地方に行くときに世田谷みやげを持っていきまして、大変喜んでもらっております。いろいろなところに行きますと、うちの息子は今世田谷に住んでいるんだよ、自分も若いときは世田谷に住んでいましたよなんていうことをよく聞きます。世田谷を第二のふるさとと思っている方は、こんなに多いんだなということをよく思います。  今度、六月十八日にいよいよプレミアム商品券、十億円分が二十億円分、倍の方が応募されたということを聞いていますし、まちバル、まちゼミ等々、本当に各商店街は頑張っていますが、この世田谷みやげも、何とかもっともっと普及させていきたいと思っております。当初、平成十八年度は五十二の指定商品が、今は百七の商品ということで、充実もしています。  そこで、ふるさと納税でございます。ふるさと納税の過度な返礼品競走にくみする気はさらさらありませんけれども、世田谷の心を贈る世田谷みやげとして、産業振興の観点からも、ふるさと納税の返礼品に活用できないかと思いますが、区の見解を求めます。  最後に、このごろ世田谷区の借り上げ住宅が、撤廃といいますか、引き揚げているという例をたくさん見ます。それで、ちょっと調べてみましたら、世田谷区の職員が、今、世田谷区に住んでいるというのが四割だそうです。管理職の方々は三三%というふうに聞いております。大震災が発生したら、大丈夫だろうか。全職員の区内在住がこれだけ少なくて、大丈夫だろうかという心配があります。ここで保坂区長にお尋ねしますが、区長は職員の区内在住についてどうお考えなのか、ぜひとも伺いたいと思います。  また、二十三区一括で募集している職員採用制度、九十万人口を抱える世田谷区、区長も大阪にいて、政令指定都市を目指すなんていうことも言われていますので、独自の採用というのを考えられないのか、お尋ねをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 真鍋議員にお答えをいたします。  職員の区内居住について、特に借り上げ住宅について触れていただきました。  まず、御指摘のように、災害時の職員参集を初め職員自身が区政の課題を肌で感じて区政に向き合っていく、日々の仕事をしていくという面を考えると、区内在住率が高いのが望ましいと考えております。区では、この間、災害対策職員住宅の整備などを進めてまいりましたが、他方、行政経営改革のもと、区内職員住宅の契約更新をしないということで、整理縮小に取り組んでまいりました。五年前の三百戸から現在二百九戸と減ってしまっているということでありますが、今、議員おっしゃるお話も含めて、区内により多くの職員が住むという取り組みについて、もう一度これは考えてみたいというふうに思っております。  職員の独自採用につきまして、現在の特別区人事委員会による共同方式は、各区の自主性を確保しながら、スケールメリットを生かした効率的なメリットもあり、一定の機能を果たしているものと考えますけれども、独自の採用という御提言もいただきましたので、九十万に近い自治体として、これは今後どのようにあるべきか、課題として受けとめさせていただきたいと思います。  世田谷区で働きたい、こういう受験者をさらにふやして、意欲ある優秀な人材を獲得し、区政を支える職員としてしっかり育成していくことだと、これが最も重要だと考えております。最初に立ち戻りまして、世田谷区内に在住する職員をいかにふやしていくのかが重要なことだと受けとめまして、具体的にどういうふうにその職員をふやしていくかという課題に取り組んでまいりたいと思います。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 京王線の早期整備についてお答えさせていただきます。  京王線連続立体交差事業は、仙川駅~笹塚駅間の延長約七・二キロメートルの事業としまして、平成二十六年二月に事業認可を受け、平成三十五年三月の完成を目指して進められております。連立事業の進捗状況といたしましては、平成二十七年度末時点で、用地取得率は約一割との報告を受けております。区におきましては、駅周辺まちづくりや都市計画道路、駅前広場事業等を通じて、連立事業の促進に努めてきており、本年二月には、関係機関とともに連立事業の事業及び工事説明会を沿線六会場で開催し、千七百五十八名の来場者がございました。さらに、事業進捗がより一層見えるように、PR方法の工夫や工事可能な箇所から随時、側道整備などの実施等を関係機関と調整、検討してまいります。  区といたしましては、引き続き沿線周辺住民の皆様へのより丁寧な説明や意見交換を行いながら、積極的にまちづくりを進めますとともに、連立事業の促進のためにさらに東京都など関係機関との連携を深め、安全安心で住みやすく魅力あふれるまちの早期実現に向けて全力で取り組んでまいります。  以上です。 ◎青山 道路・交通政策部長 私からは、都市計画事業等について三点御答弁申し上げます。  まず、連続立体交差事業についての区の見解と今後の対応についてでございます。  議員御指摘のとおり、小田急線の連続立体交差事業につきましては、区内においては三区間で事業が行われ、それぞれの区間の事業期間は延伸の手続を経て、いわゆる狛江工区及び経堂工区が約十四年間、現在事業中の下北沢工区が約十五年間の期間を要しております。事業期間を延伸した理由といたしましては、三区間とも事業に必要な用地の取得に時間を要したことが主な要因と聞いております。連続立体交差事業につきましては、東京都が事業主体となり事業を施行しており、区は事業に合わせて周辺のまちづくりを進めております。これらの事業を進めるに当たっては、多くの関係権利者の皆様の御理解と御協力が必要となることから、区といたしましては、東京都並びに鉄道事業者と課題等を共有し、一層連携することにより、早期整備に向け取り組んでまいります。  次に、都市計画道路事業についての区の見解と今後の対応でございます。  道路事業におきましても、事業の進捗を左右する一番大きな要因は用地の取得であると考えてございます。予算や人員に対してもさることながら、とりわけ事業期間に大きく影響するのは、いわゆる取得困難物件への対応であり、その解決に要する時間が事業の長期化の原因となっていると認識しております。用地取得が困難になる理由といたしましては、集合住宅等に見られる権利の細分化や相続等による権利関係の複雑化のほか、区で用意した代替地が権利者の御希望とマッチしない現実などがあり、これらの課題の解決が事業推進の鍵になるものと考えております。  今後でございますが、区では、まず代替地につきましては、地域に住み続けたいという権利者の皆様の御希望に沿える代替地を用意するための工夫をより一層進めてまいります。また、多数の権利者との交渉が必要となる大規模集合住宅等につきましては、既に用地取得交渉の外部委託の活用を始めておりますが、この四月の組織改正で整備強化した体制により、さらに積極的に外部委託の活用を図り、事業を推進していく考えでございます。  最後に、都市計画道路補助第二一六号線整備と祖師谷公園計画との整合性についての考えでございます。  補助第二一六号線は、都市整備方針におきまして、区の広域生活・文化拠点である二子玉川駅周辺地区と主要な地域生活拠点である成城学園前駅周辺地区、千歳烏山駅周辺地区とを結ぶ南北の主要な生活交通軸に位置づけられており、区といたしましては、補助第二一六号線整備の必要性、重要性は高いと認識しております。  一方、本年三月に策定した東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)では、東京都全体で三百二十区間、約二百二十六キロの優先整備路線を選定いたしましたが、今回、選定されなかった路線も多く残されております。このような状況を踏まえ、第四次事業化計画では、今後の都市計画道路整備に向けた取り組みを検討していくこととしております。  お話にもございましたが、検討のイメージの一部として、他の都市計画等と重複している路線が挙げられており、その中の例にお尋ねの補助第二一六号線と祖師谷公園との重複区間が示され、このような箇所では計画の整合を検討する必要があるとしております。しかしながら、現時点では、検討の体制やスケジュール等については定まっておりません。区といたしましては、こうした課題に対する具体的な検討について、できるだけ早く進めるよう東京都に対して働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、二点お答えいたします。  まず、保育園の整備に当たって近隣住民の理解を得るために区が取り組んでいることについてお答えいたします。  お話のありました保育施設の整備運営事業者が民有地を確保して保育施設を整備する、いわゆる提案型の場合、事業者の責任において近隣対応を行っていただくことを基本としますが、区としてもこれまでに培ったノウハウを活用し、必要に応じて助言、指導を行っているところです。具体的には、事業者に対して、整備に先立って近隣の住民の方々や町会・自治会に対して御挨拶に回ることや、近隣の方々に十分な説明を行い、不安に対してはできる限りの対策を行うことなどの助言を行うとともに、必要に応じて説明会に同席するなど、支援を行っているところです。  お話にもありましたが、整備地の状況はさまざまであり、近隣の方から直接区に対して御意見や御不安の声をいただくケースもございますが、今後とも進捗管理を徹底し、よりきめ細かな近隣対応に努めるよう、適宜事業者に対する助言、指導に当たってまいります。  次に、認可と認可外の保育料格差是正について御答弁いたします。
     認証保育所を利用する世帯への保育料補助制度につきましては、住民税課税対象所得額に応じて、月額五千円から二万円の四段階に分けて補助を行い、子育て世帯の経済的負担の軽減を図っております。補助の実績でございますが、平成二十七年度の認証保育所利用者二千三百九十一人のうち、補助金の交付申請を行い、実際に補助を受けた方は九百七十四人であり、その割合は約四〇%となっております。先般閣議決定されましたニッポン一億総活躍プランでは、自治体独自の保育施設への運営費の一部支援が示されました。区としては、国の動向を踏まえ、待機児解消に向けた対応策を構築してまいりますが、その中で認証保育所の保育料補助について、所得階層区分や補助金額のあり方などの検討を行ってまいります。  以上です。 ◎岡田 総務部長 私からは、世田谷みやげをふるさと納税の返礼品として活用するということについて御答弁申し上げます。  ふるさと納税制度は、寄附を通じて生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度として創設されたものでございます。多くの自治体では、この制度を利用して、地元の特産品などを返礼品として寄附を集めるとともに、地元産業の振興の一助としているところです。しかし、年々、自治体間での返礼品競走が過熱しており、この点については適切な対処も求められているところです。  このような中、区では本制度の本来の理念に基づき、こうした競争には加わることなく、世田谷を応援していただくための世田谷らしい取り組みを進めることとしてまいりましたが、ふるさと納税による区財政への影響の広がりは看過できないものとなっております。今年度から寄附にかかわる事業への理解をより深め、広げる取り組みの一環として、事業関連の品物や鑑賞券などをお送りすることといたしましたが、議員より一例として御提案いただきました世田谷みやげを返礼品として活用することにつきましては、産業振興の観点なども踏まえ、関係所管とも連携して検討を進めてまいります。  以上です。 ◆二十一番(真鍋よしゆき 議員) るるお答えをいただきまして、ありがとうございます。今答弁をいただきました形で一生懸命取り組んでもらいたいなと思っております。  きょう、区長に非常時の職員体制のことで御質問しまして、前向きな答弁をいただいたと私は思いましたが、かつて、この世田谷区議会で、当時、大場啓二区長だったと思いますが、非常時にどうやって区長はこの役所に来られますかという質問をされた方がいらっしゃいまして、当時の津吹教育長が手を挙げて、区長のところに自転車で迎えに行って、区長を後ろに乗せて役所に参りますという答弁をされたのを本当に覚えております。そこで、保坂区長は、非常時、どうやって世田谷区役所に駆けつけるのか、お尋ねをしたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 私の場合は、車の運行ができれば当然車でということになりますし、できなければ歩いて駆けつけるということになります。自転車で載せてもらう必要はないだろうと思います。  以上です。 ◆二十一番(真鍋よしゆき 議員) いつ、本当に、大震災が襲ってくるかわかりませんので、区長にしても私たちにしても、そのときにどうするかというのは、いつも考えていきたいなと思っています。起こらないほうがいいんですけれども、災害に向かって、やれることを一生懸命、力を合わせて、行政も議会もやっていくべきだなと痛感をいたしました。またいろいろ具体的なことは、次回の機会に質問していきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で真鍋よしゆき議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時十六分休憩    ――――――――――――――――――     午後一時十分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  三番河野俊弘議員。    〔三番河野俊弘議員登壇〕(拍手) ◆三番(河野俊弘 議員) 質問通告に従い質問します。大きく分けて二点、一点目は区における防災訓練について、二点目は児童生徒の自殺防止対策について質問いたします。  初めに、防災について。  昨年は、阪神・淡路大震災から二十年の節目の年であり、ことしは東日本大震災から五年がたち、時の経過とともに復興も進み、日常を取り戻すことができている人もふえている一方で、復興へ向け、まだ長い道のりを必死に頑張っている人も多くいます。そして、先月発生した熊本、大分での地震被害により、今現在、多くの被災者が苦しんでいます。九州地方は、比較的地震の少ない地域とされていました。しかし、今回の熊本、大分の地震で最も大きい震度七の観測をする地震が四月十四日、十六日未明と立て続けに発生しました。五月十四日までに最大震度が六強の地震が二回、六弱の地震が三回発生しました。そして、この二回発生した最大震度七の地震は、日本国内の震度七の観測事例としては、四例目と五例目に当たり、九州地方では震度七の地震自体が初めてでした。過去、例を見ない連鎖地震であります。  東京でも同じことが起きない保障はどこにもありません。もし都心部で大震災が発生した際、東北、九州での震災とは、人口規模、地域特性など大きな違いから、想定することのできない甚大な被害が出てくることも考えられ、誰もが危惧することであります。震災が起きる前にどれだけ被害を最小限にとどめることができるか、減災することができるか、行政としての役割を明確にし、世田谷区が抱える災害時に考えられる問題点をより広く区民に理解してもらうことが必要です。世田谷区の防災対策の現状を伝え、ソフト面において啓発することがいかに重要であるか。自助、共助のさらなる発展は、八十九万人区民を抱える都市として、やるべきことであります。これも公助のあり方の一つであると考えます。そこで、私からは、日ごろの防災意識を高め、区民自身の危機管理意識を啓発していくことの一環として、各地で行われている防災訓練のあり方についてお聞きします。  防災訓練の課題として、防災訓練の単体開催では参加人数が伸びないこと、開催地によっては参加者が固定されてしまい、そして、深刻なのは、高齢化であります。これからの超高齢化社会で、もしもの災害時には若い世代の力が不可欠であります。今まで防災訓練に参加したことのない新たな若い世代の参加者をどう取り込んでいくか、そして、新たなコミュニティーをどう築き、どう行政として促していくかが重要であります。  区では、年間を通してさまざまな催事があり、それには、区が主催するもの、商店街、町会・自治会とさまざまな催事があります。区がそうした観光資源等を活用し、多くの人が来場するイベントの場で防災訓練を絡めていくことが、より身近に防災を伝えることができ、若い世代を取り込むきっかけとなって、地域防災力の底上げになると考えます。例えば学園祭やいろいろなフェスティバル等で区側から積極的に投げかけていくことで、各実行委員会のさまざまなアイデアが出てくることがあるのではないでしょうか。今までの防災訓練については、区が主催するもの以外、申し込みをいただいて防災訓練を実施していますが、区が把握しているさまざまな催事において、防災訓練の実施を提案し、進めていくこと。そのときに各実行委員会のアイデアにより、ふだんの防災訓練に捉われない新しい伝え方が出てくるのではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。  加えて、区が提案し、進めていくその中で、区が抱える課題について伝えることが重要であります。AEDなど、ふだん知っていても手には触れない多種多様な防災器具の実演も重要ではありますが、住んでいる地域の人口を伝え、各地域の避難所、オープンスペースについてのキャパシティーの限界、避難所に頼らない在宅避難の重要性、区の整備されている備蓄品の限界など、先ほども申し上げたように、八十九万人都市として、現状は、全ての区民に行き届く公助の限界があるということを理解してもらった上で、区民自身の防災の備えを啓発すべきであります。我々が知っていることは、一般区民にとって知らないことがとても多く潜在しています。行政側からこのような説明をする際、一見、区民を突き放すような言い方に聞こえるかもしれません。しかし、現実を伝えることは、区民の危機管理能力、自己防衛力を高めることとなり、行政としての任務であります。区の見解をお聞かせください。  関連し、防災訓練の新たな対象者として、大規模マンションの転入者をターゲットにアプローチすることができないか。大規模マンションができた際の人口構成の変化は見逃せません。転入したばかりの方に地域性の理解をしてもらうことが重要であります。地域防災力の維持とともに、向上につながると考えます。施工業者の選考または決定の際に呼びかけていくことはできないでしょうか。さらに、大規模マンションでは、避難所としてのオープンスペースもあるが、そのスペースの提供について呼びかけるきっかけになるとも考えます。避難所として協定を結ぶきっかけにもなると思いますが、区の見解をお聞かせください。  次に、夏休み等長期休暇明けの不登校及び自殺予防についてです。  児童生徒の自殺予防の対策は、大きな課題であると考えています。内閣府作成の平成二十六年度自殺対策白書の中には、十八歳以下の日別自殺者数を調べた資料があります。過去約四十年間の厚生労働省人口動態調査の調査票に基づき集計したグラフでありますが、これによると、夏休み明けの九月一日が最も自殺者数が多くなっているほか、春休みやゴールデンウイーク等の連休など、学校の長期休暇明け直後に自殺者がふえている傾向があることがわかっています。児童生徒の変化を察知するには、学校や家庭、地域での対応、連携が必要でありますが、事前に自殺の起こりやすい時期が予想できているのであれば、その時期に集中し、かつ、長期休暇に合わせた対策を講じていくべきだと考えます。  そこで、学校の長期休暇の休み明け直後の状態として考えられるのが、子どもたちにとって、生活環境、リズムの変化です。長期休暇中は、ふだんと違い、朝、決まった時間に起床し登校、下校、夕食、就寝というリズムが大きく変わる契機になりやすく、大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすいと考えます。この時期に、生活のリズムを整えながら、スムーズに学校生活に入れるような取り組みをしていくべきだと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。夏休みであれば、水泳等を活用し、夏休み明け前に通学することで、生徒同士の関係を深めることはもちろん、休み明け前に学校関係者との顔を会わせるきっかけにもなります。生活リズムを取り戻し、件数が減るのではないでしょうか。  不登校や自殺のきっかけになることは、ふだんの学校生活においても多くあります。人間関係のトラブルや進路への不安等、子どもたちが抱えている悩みは一人一人違います。児童生徒に近い身近な教職員がいかに察知できるかということも大切であると考えます。教育委員会では、教職員にこのような力をつけさせるために、具体的にどのような取り組みをしているのか。また、少しでも子どもたちの変化に気づいた際には、素早く学校として対応することが重要であります。先ほども申し上げたように、子どもたちは一人一人異なる悩みやストレスを抱えています。そうした悩みを克服していくことが心身の成長につながり、必要なことでもありますが、みずから解決することができないこと、虐待などみずからの責任に起因するものでない悩みも多いです。解決するタイミングを逸した場合、その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。  参考に、実際にここ五年間の教育センターでの来室相談の件数一つとっても増加傾向であります。件数は、相談者の重複も含めてですが、二十三年の総件数千百十五件に対し、二十七年では千六百九十六件と、年々百件近くふえています。この現状を踏まえ、学校及び教育委員会では、具体的にどのような対応をするのか、見解をお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎澤谷 危機管理室長 区や商店街、町会・自治会が行うイベントに防災訓練を絡めていくことが地域防災力の底上げになると考えるがどうかの御質問について、御答弁申し上げます。  大災害発生時において、被害を最小限に食いとめるには、日ごろから家庭や地域で災害への備えをし、災害発生時に適切な対応をする必要がございます。議員お話しのとおり、公助には限界があり、ふだん防災に関心を持っていない方々に自助、共助の取り組みを進めていくことは大変重要なことと認識しております。区内では、各総合支所ごとに商店街や町会・自治会、地域の実行委員会などが行うフェスティバルなど、さまざまなイベントにおきまして、消防署等関係機関の協力も得ながら、防災に関する体験コーナーや啓発パンフレットの配布等のPR活動を行っていまして、幅広い区民を対象に啓発活動を展開してございます。  こうした啓発活動の充実を図るとともに、これまで以上に避難所運営訓練や防災訓練の充実も求められております。今後も、地域や消防署等、関係機関とも連携しまして、大規模マンションなどにお住まいの方々も含めまして、さらに多くの区民の方に興味を持たれるような訓練や啓発を行い、地域の防災意識の向上を図ってまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、夏休みなど長期休暇明けの不登校及び自殺防止について、二点御質問いただきました。順次御答弁申し上げます。  一点目でございます。水泳などを活用して休み明け前に通学することで、生活リズムを取り戻し、件数が減ると考えるが区の見解はという御質問でございます。  児童生徒の不登校及び自殺防止対策は、喫緊の課題と捉えておりまして、その発生状況としましては、長期休業明けですとか連休明けにふえる実態がございます。そこで、小学校の夏季水泳指導は夏休みの前半と後半に分けて実施しておりまして、子ども同士や教員との交流を交えまして、スムーズに学校生活に戻れるような取り組みの工夫をしております。中学校では、夏休み中も部活動を定期的、継続的に実施しまして、生活リズムの維持にも役立っております。  このほか、夏休み前の事前指導や七月下旬に三者面談などを実施しまして、親子で夏休みの生活についての意識づけを行い、規則正しい生活を送らせるよう働きかけております。また、教育委員会では、長期休業日前に具体的な生活指導事項や、学校の組織的な対応、教育相談や関係機関などとの連携が必要な児童生徒への声かけなどのかかわり方など、各学校の取り組むべき内容をまとめまして、校長会や生活指導主任研修会などで周知徹底を図り、対応をしているところでございます。  教育委員会としましては、第二次教育ビジョンに人権教育と生命の大切さを学ぶ教育の推進を挙げておりまして、道徳の時間を初めとしましてさまざまな教育活動を通じて、今後も生命の尊重や豊かな感性を育む教育を進めてまいります。  二点目でございます。いじめ、学業の不振、家族との不仲、親からの叱責、進路の悩みなども原因に挙げられると考えられるけれども、区の取り組みはという御質問でございます。  児童生徒が不登校などに至るきっかけにはさまざまな要因がございますけれども、せたがやホッと子どもサポートへの子どもからの相談件数を見ましても、長期休業明けの時期に増加をしている状況がございます。そのため、教育委員会では、それら児童生徒の悩みや不安をできる限りつかみまして、早期対応、早期解決をしていくことが大切であると考えております。現在、各学校では、スクールカウンセラーが全員面接を行い、心理的ケアをするとともに、相談しやすい環境を整えることにより、不登校などの未然防止を図るよう努めております。  また、各学期に学校生活のアンケートを実施しまして面談をするなど、一人一人の悩みや不安に寄り添う取り組みを行っております。その際、世田谷保健所が作成しました自殺予防小冊子ですとか、教職員向けの自殺直前のサインの解説書なども参考にしまして、子どもの不安な心に寄り添うことができるようにしております。  さらに、今年度より、小学校三年生以上、全ての児童生徒に学校生活への意欲や学級満足度を図ることができるQ―U調査を活用しまして、学校生活や学級への思いなど、一人一人の様子をより客観的に捉える取り組みを今年度から全校で実施しております。こうしたさまざまな取り組みにより、担任はもとより、学校の組織的な対応を強化し、児童生徒の気持ちをしっかりと受けとめた学校経営に努めてまいります。  以上でございます。 ◆三番(河野俊弘 議員) 最後に、児童生徒の問題について意見します。  私は、この世からいじめがなくなることはない、しかし、自殺は限りなくゼロに近づけていくことができると考えています。そのためには、いじめから逃げるために自殺を選ぶことはないのだと、命に対する倫理観について、親を含めて伝え、育てていかなければならないと思っています。いじめられている子に手を差し伸べたその後の教育が非常に重要であります。自殺で苦痛から逃避することを単に戒めたり同情したりすることは、連鎖反応をもたらしかねないと、そういうふうに思っています。この点は、報道のされ方にも問題があると思います。児童生徒であるそのときにできた大切な友達は、その後の人生をより充実させてくれます。人生の中で大切な思い出をつくることができます。教育委員会のみならず、関連する所管が団結し、児童生徒一人一人がすばらしい人生を歩めるよう、意見をし、終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、四十七番中塚さちよ議員。    〔四十七番中塚さちよ議員登壇〕(拍手) ◆四十七番(中塚さちよ 議員) 質問通告に従い、順次質問してまいります。  最初に、労働教育についてお尋ねいたします。  近年では、ブラック企業の問題に加え、ブラックバイトが社会問題化しています。正社員から非常勤、パートやアルバイトへの置きかえが進んだ中で、アルバイトの求人数は増加しているのに対し、若年層の人口は減少、人材難や人件費削減のため、ぎりぎりの人数で業務を回すことから、アルバイトにも過重労働が発生しております。  二〇一四年には、某外食チェーン店で深夜にアルバイトが一人で全ての業務を行うワンオペが話題となりました。その会社では、その後、法令違反との指摘を受けて、労働環境の改善を図りましたが、深刻な人手不足により、いまだ日中のワンオペがなくなっていないとも言われており、アルバイターを取り巻く労働環境の整備は依然十全とは言えない現状です。  そのような中で、昨年十一月に行われた厚生労働省の調査によると、高校生でも、アルバイト先での不当労働など、労働に関するトラブルを経験する例が三割以上に上っているとのことです。実際に高校生がアルバイトで体験したトラブルには、一日に労働時間が六時間を超えても休憩時間がなかった。働いた時間分の全てがアルバイト代として計算されていない。商品やサービスの買い取りを強要されたなどといった法令違反のおそれがあるもののほか、採用時に合意した以上のシフトを入れられたといったシフトに関するトラブルが多く挙げられており、過重労働による学業のしわ寄せも懸念されます。  高校生であっても、こうしたトラブルに直面した際に、みずからの権利、生活を守っていくための知識を身につけておく必要性が高まっていますが、特に若い世代では、必要な知識が十分に行き渡っていないのが現状ではないでしょうか。調査によると、高校生では約三割がアルバイトを経験するとのことです。アルバイトを始める前の学校教育段階で、働く人にとって必要な知識を身につけられるよう、社会科の授業等で学べる機会をふやすべきと考えます。  今でも中学校の教科書では、労働者の権利や労働三法、育児・介護休業などが説明されておりますが、これらはまだまだ遠い先、自分にはまだ関係ないと思われがちです。中学生が一番近い将来経験する仕事は、大概は、コンビニ、スーパー、ファストフード、飲食店などのアルバイトなので、そういったバイトをしている中で直面する困りごとやトラブルなど、身近で具体的な事例を紹介したり、直接見聞きする機会を提供することが実際にアルバイトをする上で役立つ知識となるのではないでしょうか。区の見解を伺います。  次に、ごみ屋敷対策と生前整理について質問します。  住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例、いわゆるごみ屋敷対策の条例がこの春施行されてから二カ月がたち、かねてから指摘されていた物件も含め、管理不全な状態、ごみ屋敷やごみ屋敷のおそれがあるとされる事例が報告されています。区に内容を確認したところ、予想どおりではありますが、高齢者や障害者など、判断能力や身体機能の低下により、片づけられなくなっているケースが散見されました。身寄りのない高齢者や家族との関係が希薄な高齢者がふえていると言われる中で、一人では問題を解決できない高齢者や障害者に対し、条例では福祉部門との連携をうたっておりますが、介護保険などのサービスにつながっていても、介護保険は大がかりな片づけなどには利用できず、かといって、民間、社協やシルバー人材などの自費のサービスを利用できるだけの負担能力がない方もいらっしゃるかと思います。  このように制度上の制約や費用面の課題もある中で、こういった事例の解決に向けて、本条例はどのように役立つものなのでしょうか。また、本区の条例では、代執行は行わず、基本的な考え方としては、片づけは居住者がみずから行うとともに、地域の方々の支援や協力を期待するものです。しかし、ただでさえ、普通は近づきたいとは思えないごみ屋敷に、地域住民に清掃用具を支給する程度の手当でボランティアで、つまり無償で、片づけを依頼するのは酷な話ではないでしょうか。先行する大阪市の条例では、処分に携わった地域関係者や団体の人たちの謝礼金として、半日で三千円、一日だと五千円の支払いを定めているとのことですが、区としてはどう考えているのでしょうか。  今後、さらにひとり暮らしや高齢者のみ世帯など、家族の支援が日常的に得がたい方々や、認知症高齢者の増加が見込まれますが、このような条例をつくったことで、今までは個人の財産の問題と思われていたこういった問題に、行政も対応しますということが明確になった点は評価できますので、まずは引き続き条例の周知を求めます。区の見解を伺います。  高齢者の管理不全住宅の問題というのは、加齢による障害等で片づけが能力的に難しくなるということだけではなく、そもそもその人にとっては、ごみではなく、思い出の品であったり、分類が難しいことも一因と考えられます。ごみ屋敷というのは、一朝一夕でできるものではありません。しかし、一たびごみ屋敷になってしまえば、解決には難易度が増し、時間がかかります。しかも、居住者が高齢者の場合、環境を改善できないうちに老人ホームなどに入居することになったり、急逝してしまうリスクすらあります。  私も、以前に、身寄りのない八十代のお知り合いが急に入院し、その後、家に帰れず、結局お亡くなりになってしまい、大屋さんから、大量にあった家の物の処分に困って相談されたことがありました。そうなってしまう前の身辺整理のサポートがあれば、どうにもならなくなる前に解決へと向かえるのではないでしょうか。  条例のごみ屋敷には該当していないけれども、大量のものがあったり、いずれごみ屋敷になるおそれのある事例は、あんしんすこやかセンターや介護事業者などでも把握していると思います。本人の意思確認ができるうちに、民間事業者や地域の方々と連携し、生前整理の支援を行ってはどうでしょうか。区の見解を求めます。  最後に、ケアマネジャーの質向上について質問いたします。  ケアマネジャーの資質や専門性の向上を目的に、二〇〇六年に新設された資格に、主任介護支援専門員、主任ケアマネというものがあります。原則として、介護支援専門員、ケアマネジャーの実務経験が五年以上あり、所定の専門研修課程を修了することが必要となりますが、介護保険サービスや他の保健医療サービスを提供する者との連絡調整、他の介護支援専門員に対する助言、指導などを行う役割とされています。地域のケアマネジャーのスーパーバイザーとして、主任ケアマネジャーは活躍が期待されています。  区では、主任ケアマネジャーは、あんしんすこやかセンターに必置のほか、区内に二百以上ある民間の居宅介護支援事業者に所属する主任ケアマネもいます。しかし、現場のケアマネジャーの研修や勉強会では、どこにどれだけ主任ケアマネがいるのかわからないとの声が上がっています。主任ケアマネの所在のほか、そのケアマネジャーに指導や助言を仰ぐに当たっては、その人がもともと看護師だったのか社会福祉士なのか介護福祉士なのかといった基礎資格も重視されています。区内では、区や事業団が主催する研修のほか、介護サービスネットワークや地域のケアマネジャーが自主的にさまざまな勉強会なども開催しており、スキルアップや研さんに努めています。地域のケアマネジメント力の向上に向けて、主任ケアマネジャーの略歴、また、基礎資格といった情報も含めて、どこにどれだけいるとわかるような資料を作成してはどうでしょうか。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎工藤 教育政策部長 私からは、学校教育段階で的確な労働法の知識を身につけられるよう、社会科の授業などで労働について学べる機会をふやせという御質問についてお答えいたします。  子どもたちが、将来、アルバイトや正社員として働くに当たり、小中学校のうちから労働について、授業や体験活動を通して学ぶ機会を設けることは、大変重要であると認識しております。中学校学習指導要領の公民的分野では「社会生活における職業の意義と役割及び雇用と労働条件の改善について、勤労の権利と義務、労働組合の意義及び労働基準法の精神と関連付けて考えさせる」と示されております。  現在、中学校二年生では、全校で職場体験学習を実施し、子どもたちみずからの勤労の意義や働く人々のさまざまな思いを実感できるようにしております。また、三年生の授業では、子どもの未来を守るという観点からも、よい条件で安心して仕事ができる豊かな社会を実現できるよう、例えばアルバイトやパートなど、多様化する労働のあり方や、労働条件の向上、労働者の権利などについて、事例なども入れながら学習をしております。また、現在、尾山台小学校、及び北沢中学校、北沢小学校、下北沢小学校で構成する学び舎において、キャリア教育をテーマにした研究に取り組んでおります。教育委員会といたしましては、こうした研究の実績を各学校に広めるとともに、子どもたちに人間関係や社会を形成する力などを育み、自分の生き方や進路について、よりよい選択をしていく力が身につくようキャリア教育の機会や内容を充実させてまいります。  以上でございます。 ◎菊池 環境総合対策室長 私からは、ごみ屋敷条例施行後の対応及び協力者への謝礼等についてお答えいたします。  住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例が本年四月から施行されましたが、苦情等の相談件数は、五月末現在で十一件ございました。相談を受けた後、環境保全課や地域振興課が現場調査をし、チェック表により一次判定をしたところ、管理不全やそのおそれがある住居は五件でございました。これらにつきましては、居住者の情報を確認し、高齢者や障害者の場合は保健福祉課や関係所管課とケース検討を行った上で、居住者の生活環境を含め、物品の片づけに向けた対応を庁内で連携して行っております。  物品やごみ等の片づけは、原則的に居住者に行ってもらいますが、居住者ができない場合は、土地家屋の所有者にも対応を依頼することができます。物品やごみ等の片づけに際し、足立区や、お話しの大阪市では、町会や市民団体が作業を手伝う場合、条例で謝礼金を規定しておりますが、現時点では、世田谷区では地域住民の方々への協力の要請は想定していないため報酬の規定はなく、協力いただいた場合に必要な物品を支給することとなっております。  いずれにいたしましても、条例ができたことで居住者の生活環境全般にかかわることができるようになり、地域の課題解決に向けた取り組みが徐々に進むと考えております。なお、区民周知につきましては、四月一日付「区のおしらせ」一面で条例施行の説明とともにホームページにも掲載したほか、地域振興課や出張所、まちづくりセンター等にわかりやすいリーフレットを配布しており、今後とも丁寧な相談対応に努めてまいります。  以上でございます。 ◎寺林 砧総合支所長 ごみ屋敷になってしまう前のサポートについて御答弁いたします。  総合支所でかかわりのあるいわゆるごみ屋敷の居住者につきましては、認知症や精神面での疾患等を抱えていらっしゃる方もおり、判断能力や生活意欲が低下し、かつ、地域から孤立した生活といった、福祉的ケアを必要としながらもサービスを拒否される方も見受けられます。ごみ屋敷になる前のサポートでは、その御本人の生活状況の把握を行い、状況を適切に判断して、支援に結びつけていくことが大切であると考えております。その中でも、御本人が地域から孤立した形にならないようにすることが非常に重要であると認識しております。そのためには、地域の見守り、民生委員、あんしんすこやかセンターや地区担当職員の訪問などを通じ、御本人の意思を尊重しながら、信頼関係づくりを行い、その上で、医療や福祉サービス等につなぐ対応に努めているところでございます。  加えて、七月からスタートする地域包括ケアの地区展開の全地区実施に伴い、お住まいのより身近な場所でまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター及び社会福祉協議会の三者が連携して、福祉の相談窓口を開設いたします。高齢者、障害者、若者、子どものさまざまな問題、家の中での介護、家事援助やその他お困り事にまずは御相談いただきまして、地域とのつながりの中で対応する実効性のある仕組みとなるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、ケアマネジャーの質の向上について、主任介護支援専門員の区内の人数と、略歴等のわかる資料について御答弁いたします。  主任介護支援専門員は、十分な知識と経験を有する介護支援専門員のうち養成研修を修了した者で、介護、保健、医療などの職種間の連絡調整、介護支援専門員に対する助言、指導のほか、地域包括ケアシステムを構築していくために必要な情報の収集、発信などの役割が求められております。  平成二十七年六月に区が実施した調査によりますと、区内の居宅介護支援事業所やあんしんすこやかセンターなどに百六十五名の主任介護支援専門員がおります。国は、主任介護支援専門員の役割を重視し、さらなる資質向上を図るため、平成二十八年度より、主任介護支援専門員の更新制を導入し、更新研修を実施するとしております。区では、こうした国の動向を踏まえ、主任介護支援専門員向けの説明、意見交換会を行いまして、主任介護支援専門員の地域での役割や活動内容などを具体的に提示するとともに、主任介護支援専門員の所在を初め必要な情報を集約し、事業者などに提供してまいります。地域包括ケアシステムの構築に向けて、主任介護支援専門員が活躍しやすい環境の整備に努め、ケアマネジメントの質や専門性の向上に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆四十七番(中塚さちよ 議員) 今答弁いただきまして、主任ケアマネジャーについては資料を事業者向けに作成するといった御答弁をいただきましたので、ぜひよろしくお願いいたします。  再質問につきましては、労働教育なんですけれども、お話しいただいた中では、どちらかといえばキャリア教育とか生き方といったことの御答弁もありまして、本当にそれも重要なことと思います。重要なことなんですけれども、キャリア教育とか生き方というと、またそれはそれで大きな問題で、もっと身近なトラブルとか困り事に対して、身近な人が直接話してくれることが大事だと思いますし、学校の教員の方々も、まだまだそうした労働について、特別詳しく知識とかが足りないといったことも聞いております。そのようなところに関して、どのように今後フォローしていただけるのでしょうか。 ◎工藤 教育政策部長 教育委員会では、子どもたちが未来に向けて生き抜く力を身につけるということを一つ大きな柱としております。働いて糧を得るというプロセスにおいて、御指摘のような形で、子どもたちが行き詰まるといったことのないように、特に現場の教員も、そういった労働実態等についても、日々肌身で感じていないところもありましょうから、研修の機会等も通じまして、実地にリアルな教育内容になるように努めてまいりたい、そのように指導してまいりたい。  以上でございます。 ◆四十七番(中塚さちよ 議員) 中学生ということなので、その場ですぐアルバイトに携わるというよりは、またそのちょっと先になるのかとは思いますけれども、ぜひ将来を担う子どもたちが、しっかりこの世田谷区でも働くことの意義について学ぶとともに、トラブルに巻き込まれたときにも、何とか自分でやっていける、また相談できる、そういった世田谷区にしていただきたいと要望申し上げまして、質問を終わりにします。 ○上島よしもり 議長 以上で中塚さちよ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三十三番桜井稔議員。    〔三十三番桜井稔議員登壇〕(拍手)
    ◆三十三番(桜井稔 議員) 質問通告に基づき、質問します。  初めに、大規模地震の際の区の罹災証明書発行について伺います。  震災時の罹災証明書発行業務は、区の業務継続計画の最も大きな課題です。罹災証明書は、各種の被災者支援策の適用判断に使用されます。生活の再建を求める被災者にとっては、生活再建支援金や義援金の給付、税、保険料、公共料金の減免、応急仮設住宅入居など、支援につながる第一歩になります。我が党は、二回にわたり熊本の被災地に行きました。その中で、罹災証明書発行についてさまざまな課題があることを感じました。  一つは、罹災証明書の発行のおくれです。地震発生後一カ月を過ぎた五月二十七日でも、熊本の各市町村の罹災証明書の申請十二万八千二百五十件に対し、交付したのは六万一千四百八十七件の半分でした。話を聞きますと、県外の自治体職員からも協力を受けて作業を進めているが、建物被害の調査の規模が大きく、調査に時間がかかり、発行がおくれているとのことです。  二つは、建物被害調査の結果に対する住民の不満が上がっております。第一次調査で調査のやり方が徹底されず、調査結果が判断基準と違うと、不服の申し立てが次々とされています。  三つ目は、罹災証明の判断基準そのものに不満を上げております。水道やガスが使えない、雨漏りがするなど建物被害は一部でありながら、そこで生活ができず、避難所で生活をしています。一部の損壊でありながら家に帰れない人が多くいます。  四つは、罹災証明で一部損壊に判断されれば、支援がほとんどありません。何らかの支援が必要です。自宅に戻るための応急修理の対策は、半壊以上などに限られております。一部損壊に対しても、行政の支援をつくる必要があるのではないでしょうか。  今回の熊本大地震で、罹災証明書発行について、さまざまな問題が見えてきました。区は、これらの課題を捉え、検討し、区の業務継続計画に反映させるべきです。  翻って、世田谷区の罹災証明書発行はどうでしょう。人口八十九万人、四十六万七千世帯の人口密集地の世田谷区で、大規模震災時の罹災証明書発行業務の規模は、大変大きなものになると思います。区の罹災証明書発行マニュアルでは、建物被害の調査は発災直後から二週間程度で終えて、罹災台帳をつくるとしていますが、二週間でできるのでしょうか。建物調査は、区内二百七十六の町丁目別に罹災証明書の申請が出された全ての建物を調査します。首都直下地震の被害想定では、世田谷区内で揺れによる全壊が六千棟、火災による全焼が二万一千棟になっています。これら合計二万七千棟の調査が必要です。また、さらに、半壊、一部損壊など、多くの申請が予想されます。これらの調査のためにどのくらいの人数と時間が必要でしょうか。区は、熊本大地震発生後の状況を見て、人口密集地の世田谷で罹災証明書発行の課題は何と考えているのか伺います。首都直下地震の大規模災害時に区の罹災証明書の発行体制はどうなるのか伺います。また、日ごろからの罹災証明書発行の事務などの訓練はどうなっているのか伺います。  私たちは、熊本の被災地で、庁舎が損壊し、利用できない五つの自治体のうち、三つの自治体で話を伺ってきました。益城町の庁舎は、新耐震基準を満たしていましたが、今回の地震で損壊し、使えなくなりました。他の自治体も代替施設で業務などを進めていました。代表質問でも述べましたが、国は、東日本大震災の教訓を踏まえ、実効性のある業務継続計画とするために、庁舎が使えなくなることを想定し、代替庁舎を事前に特定することを示しました。大規模震災時、庁舎が使えることは重要です。しかし、庁舎が使えなくとも、区民の命と財産を守り、応急対策業務、復旧復興業務を行う区の業務継続計画が確実に実行できることこそ、最も大切です。  次に、地域の支えあい活動、ふれあい・いきいきサロンなどについて伺います。  高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、区は、あんしんすこやかセンターと社会福祉協議会と連携して、身近な出張所、まちづくりセンターで福祉の相談を受け、必要なサービスに結びつけ、また、地区の支えあい活動などを応援する地域包括ケアの地区展開を進めています。  地区の支えあい活動では、社会福祉協議会が助成、支援している住民の自主的な活動、ふれあい・いきいきサロン、ミニデイが重要な位置を占めております。現在、区内二十八地区でいきいきサロンが五百三十一団体、支えあいミニデイは七十八団体の活動がされております。社協は、この活動で、高齢者の健康づくり、介護予防を進め、近隣住民同士の人間関係を築き、お互いの見守りにより、生活援助が必要な方の早期発見などを期待しております。また、上北沢まちづくりセンターでは、空白だった上北沢五丁目で、住民に働きかけ、新たなサロンをつくり、住民の災害活動を強めております。  私は、高齢者が歩いて行ける身近なところに、いきいきサロンやミニデイをふやしていくことが必要であると思います。社協は、これら住民の自主的活動団体を今後ふやす必要性を述べていますが、その一方で、財政が厳しいとの理由で、既存の活動団体への助成額を半額に抑えました。このことで、活動団体の方から不満の声が上がっております。活動を参加者の参加費に頼らざるを得ません。誰もが気軽に参加できるよう、活動団体への助成額はもとに戻すことが必要です。区は、いきいきサロンやミニデイの活動がさらに広がるよう支援すべきです。そのためにも、社協に対する財政的支援をふやすことを求めます。見解を伺います。  次に、太子堂区民センターの大規模改修について伺います。  区は、太子堂区民センターにエレベーター設置を進めるとしました。太子堂区民センターの現在の規模ではエレベーター設置が難しい状況でしたが、区は、区民センター裏の昭和女子大学の体育館の敷地に新校舎が検討されていることを受け、新校舎建築とあわせ、太子堂区民センターの容積率を引き上げる連担建築物設計制度の活用を昭和女子大と協議し、区民センターへのエレベーター設置を進めると説明しています。  私は、三年前に太子堂区民センター利用者の切実な声を紹介し、この問題を取り上げました。区は、当時、老朽化した太子堂区民センターの大規模改修工事を検討していましたが、エレベーター設置が困難なため、大規模改修工事を延期しました。太子堂区民センターは、エレベーター設置などのバリアフリー化以外にも、会議室の防音工事など、幾つかの課題があります。太子堂区民センターの施設に対するさまざまな要望を捉え、その課題解決のために大規模改修工事を行うべきです。  昭和女子大学の新校舎建設のスケジュールはどうなっているのか、また、太子堂区民センターへのエレベーター設置のスケジュールはどうなっているのか伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎田中 生活文化部長 私からは、罹災証明書発行について、発行体制、人口密集地世田谷における課題、発行に向けての訓練などについて、順次御答弁いたします。  大規模災害が発生した際の罹災証明書は、各種の被災者支援制度の適用を受けるに当たって必要な証明書であり、現地調査や発行のための人員の確保、発行会場の開設等、さまざまな準備をする必要がございます。証明事務の基礎となる被災調査は、国の試算によりますと、二人一組の調査班が、一班当たり一日三十棟を調査する想定で、仮に全壊六千棟を十日間で調査するといたしますと、一日四十人、各総合支所で八人ずつが従事することとなります。ただし、国の試算では、全壊以外の罹災証明書の必要数はその数倍あるとされていますので、災害の規模に応じて人員を確保することが必要となります。また、証明書の発行場所は、日ごろ諸証明の発行を行い、区民になじみのある各総合支所となっておりますが、被災し、避難されている区民の利便性と事務の効率性をしんしゃくしながら、発行窓口の設置場所や職員配置の適切なあり方を検討してまいります。  今回の熊本地震においても、人手不足による発行のおくれが報道されております。特に人口密集地の世田谷では、火災による被害で被災者が多く見込まれるなど、特有の課題もあることから、大量の事務処理を行う必要があり、復旧復興のさまざまな業務に取り組む中では、区職員だけで罹災証明書発行事務を賄うことは極めて困難であると考えております。今後、熊本地震の状況も踏まえたマニュアルの見直しの中で、事務手順の確立、所要人員の算定を行い、他自治体からの応援など、人員確保の方法についても整理してまいります。  さらに、円滑な業務遂行には、事前の訓練が重要でございます。昨年八月には、関係所管による証明発行の手順や内容の読み合わせ訓練を行いました。今後は、マニュアルを充実させ、さらに実効性ある訓練を計画してまいります。  以上でございます。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、ふれあい・いきいきサロンやミニデイが広がるよう区は支援すべきということに御答弁いたします。  ふれあい・いきいきサロンやミニデイの取り組みは、高齢者の仲間づくりや閉じこもり予防等、介護予防の役割を果たしているほか、近隣住民による顔の見える関係の中で見守り等も行われており、地域の重要な社会資源であると認識しております。高齢化が進展する中で、こうした取り組みの必要性はさらに高まっていくと考えております。  こうした中、今後も活動団体が増加していくことを踏まえ、区では、事業をコーディネートする社会福祉協議会の人件費等を補助し、財政的支援を行っているところです。ふれあい・いきいきサロンは、住民の主体的な取り組みで、住民同士の支えあいの中で、多様な活動が行われている社会福祉協議会の自主事業です。社会福祉協議会では、会費や募金という限られた財源の中で助成制度を継続していくために活動団体との意見交換を行い、平成二十六年四月より、湯茶代など、サロンの運営補助の見直しを行いました。あわせて、支援のあり方を見直し、団体が安心して継続的に活動できるよう、会場確保や担い手の問題、参加者の生活課題への相談対応など、社会福祉協議会が個々の団体へのバックアップの強化も打ち出しておりますので、御理解をいただきたいと存じます。  以上でございます。 ◎内田 世田谷総合支所長 私からは、太子堂区民センターにつきまして二点御答弁申し上げます。  まず、大規模改修工事についてであります。  太子堂区民センターは、昭和五十五年竣工の地上二階地下一階の集会施設でございまして、特に高齢者の利用の皆様から、エレベーターが設置されていないため、各階への移動が困難との多くの御意見を伺っております。ユニバーサルデザインの観点から、エレベーターの設置の必要性は認識しておりますが、現状のままでは施設への設置は困難なため、大規模改修を見合わせて、効果的、効率的に整備する手法を検討してきたところであります。  このたび、隣地である昭和女子大学から、連担建築物設計制度の活用について協議の申し出があったことから、この制度活用により、エレベーター設置の可能性があるため、協議を進めているところです。エレベーター設置が可能な場合には、施設の休止期間等の視点から、大規模改修もあわせて実施することが望ましいと考えております。区といたしましては、太子堂区民センターの運営協議会や利用者団体等の皆様に、昭和女子大学との協議の進展に応じまして、情報の提供等を行ってまいります。  次に、今後のスケジュールにつきましてお答えいたします。  現在、区は、昭和女子大学と連担建築物設計制度の活用に関する協議を進め、制度活用に伴う双方のメリット、デメリット等の整理、調整を行っているところでございます。そのため、スケジュールをお示しできる段階ではございませんが、今後の協議の進展を適宜議会に御報告しながら、協議が整った場合は協定を締結し、利用者にとって利便性の高い太子堂区民センターの整備を目指してまいります。  以上です。 ◆三十三番(桜井稔 議員) 再質問します。  世田谷区の罹災証明発行は、各総合支所で行います。しかし、総合支所が損壊して使えない場合は、どこの場所で業務を行うのか答弁してください。 ◎田中 生活文化部長 総合支所が使えない場合はどうなるのかという再質問に御答弁いたします。  罹災証明の発行場所は支所の中で、区民の利便性と事務の効率性を勘案し、設置場所を定めることとなっております。現在、庁舎は原則継続して使用可能という前提条件としておりますが、今後、マニュアルの見直しに当たりましては、代替となる施設を指定しておくなど、庁舎が使用できないことを想定した対策についても検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆三十三番(桜井稔 議員) それで、もう一つは、今、本庁舎整備がやられていますが、本庁舎が新しく建設された後も、業務継続計画では、庁舎が使えなくなることを想定するのかどうか、そのことをお答えください。 ◎岡田 総務部長 再質問にお答えします。  現在計画しております本庁舎の建設につきましては、全て耐震強度で言うⅠ類相当を確保する予定でございますので、基本的には本庁舎の中で業務が可能ということで想定しております。  以上です。 ○上島よしもり 議長 以上で桜井稔議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、二番加藤たいき議員。    〔二番加藤たいき議員登壇〕(拍手) ◆二番(加藤たいき 議員) 質問通告に基づき質問します。  今年度も世田谷区は、皆さん御存じのように、待機児童全国ワーストワンのようです。昨年度は一千百八十三人、ことしの四月の子ども・若者部の想定だと保育園の増加等で減少するのではないかと聞いていましたが、出た数値だと一千百九十八人、また増加です。  世田谷区が想定する人口推移と同じで見通しは悪く、この人口推移の推計も、平成三十年に頭打ち予測でしたが、解消どころか、想定ができていない現在です。とはいえ、世田谷区に私たちの未来をつくってくれる子どもたちがふえていること自体は喜ばしいことです。いずれにしても短期的見直しと中長期的な見直しをそれぞれ考え直す必要があると考えます。  最近では、国会でも待機児童という言葉がメジャーになり、テレビをつければ待機児童のニュースも珍しくありません。この待機児童が解消するためには、国で幾ら審議しても、我々のような世田谷区、地方自治体がはっきりと強い意思を持って進めていかなくては解決する道筋はでき上がりません。千葉のほうでも保育園建設が取りやめになったり、隣の杉並区でも区立公園内に保育園の建設が区民による反対運動により思うように進んでいなかったりで、同様に世田谷区でも建設可能な区有地、民有地の確保に課題があります。  世田谷区では、芦花公園、祖師谷公園の都立公園内に保育園が建設できるようになり、何事もなく進んでほしいと願っています。こうした建設予定地の緩和などが進まないと、限られた中で進めるのは難しいと言えるのではないでしょうか。  国より四月二十二日付で幼稚園における待機児童の受け入れについて、各自治体に通知がありました。通知内容は、政府の待機児童解消に向けた今後の緊急対策の対応方針の一環として、幼稚園においても、教育活動に支障が生じないように配慮しつつ、地域の状況に応じて積極的に待機児童の受け入れに努めてほしい旨、適切な対応をお願いするものと聞いております。  区では、これまでも私立幼稚園に対して預かり保育の拡充などの働きかけをしてきたことは知ってはいますが、この通知を受け、改めて私立幼稚園に対しどのような方針で対応しようとしているのか伺います。  区立幼稚園は定員割れをしており、現在の充足率は、四歳児で七〇%、五歳児が九〇%です。定員割れの一因は、毎年区では千人規模の保育園の拡充をしており、流れたと考えられます。  教育委員会では今後、区立幼稚園を認定こども園へ移行していく計画です。私も予算特別委員会で話をしましたが、四月に区立多聞幼稚園を認定こども園に移行し、保育園枠を設置しましたが、いまだに保育園枠の在園児がいない状況です。  区立幼稚園用途転換計画では、就学前教育のさらなる充実、保育待機児の対応、配慮を必要とする子どもへの支援、地域の子ども・子育て支援の充実の四つの視点から計画を進めていくことになっていますが、残念ながら多聞幼稚園の用途転換については、保育待機児の対応に至っていない現状です。  保育待機児の対応という観点だと、認定こども園へ移行するまでの間、ある程度時間を要し、緊急対応は難しいことを理解しますが、区立幼稚園の用途転換を今後どのように進めていくのでしょうか。多聞幼稚園という前例のように進むのであれば、同じように進めても、地域差はあるかもしれませんが、用途転換の必要性が問われます。保育園枠がゼロという数字は問題です。区の見解を聞きます。  幼稚園を区立でつくることになった経緯は、私立幼稚園では定員過多に陥り、その対策で区立幼稚園をつくることにしたと聞いています。こういった経緯から考えると、定員割れを起こしている区立幼稚園の用途転換の際に、民間移行といった視野があるのではないでしょうか。ただし、配慮が必要な子どもたちの居場所の拡充が必要であり、また、夏休みといった長期休みも開かなくてはなりません。その上で、民間運営のこども園には待機児童対策についても柔軟な対応を期待しますが、民間に移行した場合どのようなメリット、デメリットがあるのか伺います。  国は、幼稚園教育要領の改訂を通し、幼児教育の重要性を示していることから、保育待機児童対策と絡め、今後、区でも中長期の視点を早急に整備し直し、待機児童が頭打ち状況を想定しなければなりません。次のステップである小学校の教室も足りなくなる可能性もあり、今だけを考えるのは危険です。箱物をつくるだけつくって、解決した後の受け皿の構築などのビジョンは、今の世田谷区にはありません。スピーディーに対応していただきたいと思います。  次に行きます。先ほどは待機児童、いわゆる我々の未来を支える子どもたちのことを聞きました。少し前なら待機児童問題より高齢者対策について議論が多かったのではないでしょうか。今の日本、世田谷があるのは、高齢者の方々がつくってきたことは忘れてはなりません。最近はおざなりになっている気がします。待機児童問題は表面に出ている分、至急手を打たなくてはいけないことは確かです。しかしながら、高齢者施策のおくれから、表面上に出てきてから対応するのでは時既に遅しだけにはしてはいけません。次の世代にツケを回さない高齢者施策、これも次の世代を担う子どもたちへの政策の一つなのではないでしょうか。今はどうも施策一つ一つがその場しのぎになっているように感じています。  団塊世代が後期高齢者になる約十年後、人口推移では六十五歳以上がさらに増加することになると世田谷区でも考えています。今、特別養護老人ホームの待機者が約千八百人、制度は変わり、これまで二千人と聞いていたので、数値的にだけは減りました。いかんせん私が聞いた話では、ついの住みかに世田谷区と決めていたが、家族に迷惑はかけられないので、特養に入るために離れることになりましたなど、聞いているだけで胸が苦しくなるようなお話を幾つも聞きました。  世田谷区では特養の整備は間違いなく計画どおりに進んでいるとのことですが、このような声があるのも事実です。反面で老老介護で悩んでいる方の話だと、どこでもよいから入れる場所を探していると聞きます。相反する内容ではありますが、共通することは、高齢者の方が安心に余生を過ごせるかだと思います。  隣の杉並区では、特養を区域外の南伊豆市に整備する計画を進めていて、よしあしもありますが、そのような選択肢もあるのかなんて私は思ってしまいます。が、あくまでも世田谷区をついの住みかにすることが一番大事なことです。特養ホームの整備状況と区の整備の方向性について、間違いなく待機高齢者がいなくなるという見解でよいのかお聞きします。  次に、介護現場で働く方々のことを聞きます。  有効求人倍率が、厚労省調べだと四月末、一・三四倍と上がっている中で、人材難と言われているのが建設業など、介護職も二・六九倍と非常に数値が顕著と言えるのではないでしょうか。東京都では四倍以上という数字も聞いています。  まず率直に疑問になることは、世田谷区内に介護職に従事する方が足りているのかということ。幸いにも介護労働安定センター調べによると離職率は一六・五%で、全産業平均の一五・五%と比べると突出した数値ではなかったことでした。  では、どうしたら介護従事者をふやすことができるのでしょうか。二〇二五年には日本全体の人口の三割が前期高齢者になると言われている中で、今以上に需要が高くなるのは確実です。  平成二十七年の賃金構造基本統計調査によると、介護職員の平均月収が約二十六万二千円、保育士が約二十六万八千円、低賃金できついイメージが先行し、なり手がないと言われている保育士よりも介護職員の平均月収が低い現状です。区では、国の助成により、保育士の家賃補助をしており、国の助成が終わっても二年間は区の単費で賄うとのことですが、需要が高まっている介護職の方々は忘れられてしまっているのではないでしょうか。  東京都が介護職員宿舎借り上げ支援事業を、ことしの一月に一事業所当たり四戸まで、一戸当たり八万二千円補助をすると出しました。しかしながら、四年間、団塊世代が後期高齢者になる十年後には切れてしまう事業です。この先、まだまだ増加すると推測されます。区ではこの事業をどのように扱うのか、それも含め、介護人材の確保にどのように取り組んでいるのか伺います。  以上、壇上からの質問を終えます。(拍手) ◎中村 子ども・若者部長 私からは、私立幼稚園における待機児受け入れについて御答弁いたします。  お話しにありましたとおり、本年四月に、内閣府、文部科学省、厚生労働省の連名で、全国自治体に対し私立幼稚園において地域の実情に応じた積極的な待機児童の受け入れを要望する旨の通知がありました。具体的には、ゼロから二歳児の緊急的な一時預かり事業の実施や、三歳以上について空き定員を活用して受け入れた上で、一時預かり事業により長時間の保育ニーズに対応するなどの方策が示されています。  区としましては、この間、世田谷区私立幼稚園協会と協議をしてまいりましたが、区内の私立幼稚園には低年齢児保育の実績がないため、ゼロから二歳の受け入れは困難であること、預かり保育を実施している園の多くは充足率が高く、空き定員の活用が見込まれない状況にあります。  現在、区独自の補助制度を活用して就労する家庭のニーズに対応した預かり保育を実施している私立幼稚園は、今年度、三園増加して十園となっております。  今後とも私立幼稚園の個別の実態をお聞きしながら、預かり保育のさらなる拡充に向けて働きかけを行ってまいります。  以上です。 ◎岩本 教育次長 私からは、区立幼稚園に関して二点御答弁申し上げます。  初めに、今後、用途転換をどのように進めるのかについてです。  平成二十六年八月に取りまとめた区立幼稚園用途転換計画では、御指摘のとおり、用途転換の目的として保育待機児童を一つの柱としております。この用途転換計画に基づく本年四月の多聞幼稚園の移行に当たり、保育待機児の状況から三歳児を含めた定員の拡充を検討いたしましたが、敷地や施設の状況、これまでの多聞幼稚園の充足率等を踏まえ、四、五歳児の幼稚園型認定こども園としてスタートしたところでございます。  区立幼稚園の用途転換では、具体の移行計画を取りまとめるのに当たり、当該幼稚園の在園状況や周辺の保育待機児の状況、また、施設整備の際の与条件等を踏まえる必要がございます。  今後でございますが、認定こども園の移行に当たりましては、地域の保育待機児の状況に応じたゼロから二歳の低年齢児の受け入れのあり方、また、今年度から取り組んでおります世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンの検討などを踏まえまして、用途転換計画の必要な見直しも含め検討してまいります。  次に、民間に移行する場合のメリット、デメリットでございます。  区立幼稚園を民営化による私立認定こども園へ移行するに際しましては、老朽化している当該区立幼稚園の園舎を解体した後、プロポーザルで選定した運営法人に土地を貸与し、運営法人が施設を整備し、こども園を運営していくことを想定しております。  民営化園の運営に向けましては、配慮を必要とする子どもへの受け入れ体制の整備、幼児教育の充実の観点から、小学校や周辺保育園等との連携強化など、民営化に当たって取り組むべき課題がございます。  一方で、民営化による私立認定こども園への移行に向けましては、運営法人の選定に当たり、保育待機児状況等に応じた受け入れ年齢や定員の設定、また、開園後の入園状況を踏まえ、例えば定期利用保育など柔軟な運用が期待できるところでございます。  また、区立園から私立園へ移行するに当たりましては、幼稚園の保護者や地域の方々に計画的にお知らせし、理解を得ながら丁寧に対応していく必要があると考えております。  以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、高齢社会について二点御答弁いたします。  まず、特養の待機者についてでございます。  区では第六期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画におきまして、地域密着型サービスの充実を図るとともに、区内での特養ホームについて、二〇二五年までに千人分の整備目標を定め、計画的な整備を進めております。  高齢者の地方移転をめぐり、国や他自治体の動きがございますが、区では、区民意識調査等におきまして約八割の区民が区に住みたいと思うと回答されていることも踏まえ、区内での特養ホーム整備を推進しており、公有地活用等により計画達成の見込みが立っております。  平成二十六年十二月の特養ホームの新規開設や、小規模多機能型居宅介護や認知症高齢者グループホームなどの整備により、近年二千名で推移しておりました特養ホームの入所希望者は、五月現在、千八百二十名と、昨年度より減少しております。  今後とも誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、住まいを初め、医療、予防、介護、生活支援サービスを身近な地域で総合的に提供する地域包括ケアシステムの構築に取り組む中で、地域密着型サービスの充実や、区内での特養整備を推進し、特養待機者を減らし、御本人が望む暮らし方が選択できるように取り組んでまいります。  続きまして、介護人材不足、介護人材の確保についてでございます。  平成二十八年三月の東京都における介護分野の有効求人倍率は約四・八倍と大変厳しい状況であり、区においても特養ホームなどの整備を進めている中、介護人材の確保は急務となっております。  区では介護人材確保や定着支援のため、福祉人材育成・研修センターを設置し、福祉の仕事入門講座、区内介護施設等のバス見学会、ハローワーク等と連携した就職面接・相談会など実施してまいりました。また、介護人材の養成確保のため、介護職員初任者研修の受講料助成や、介護福祉士受験対策講座、資格を有しながら離職中の看護師への就労支援として講演会や講座などを実施しております。  一方、都では既卒者や離職者等を介護人材の即戦力として確保するため、介護施設等で働きながら介護資格を取得させるトライアル雇用事業や、介護福祉士を目指す方への修学資金貸与事業のほか、今年度、新たに介護職員宿舎借り上げ支援事業を開始いたします。この事業には、区内事業者からも利用の意向が示されておりますが、東京都から詳細はまだ示されておりません。  都の人材確保対策事業や従来の区の取り組みを踏まえまして、現在、区では介護人材対策を検討するため、介護職員との意見交換を行っております。いただいた意見や他の自治体の取り組み状況も参考にしながら、介護人材の確保に向け取り組んでまいります。
     以上でございます。 ◆二番(加藤たいき 議員) 答弁で、今後の用途転換に対して、低年齢児の受け入れ、三歳児枠をつくるという前向きな言葉で理解しましたが、私立幼稚園との調整をしっかりとしてもらいたいと思います。  そして、介護職員の家賃補助を隣の目黒区では東京都の事業より手厚い事業、一施設十五人、月額五万円というものを予算をとったそうです。また、庁舎敷地内に保育園を設置するなど、隣の区に負けない世田谷区の積極的な姿勢を望みます。 ○上島よしもり 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、八番すがややすこ議員。    〔八番すがややすこ議員登壇〕(拍手) ◆八番(すがややすこ 議員) 初めに、スポーツとしてのゴルフの推進について質問いたします。  ゴルフは、ことし開催されるリオオリンピックにて百十二年ぶりに競技種目に復活いたしました。世界的に見るとゴルフは多くの国で親しまれているスポーツで、オリンピックもより多くの国や地域が参加できるよう、その選考方法が決められているとのことです。  一方で日本のゴルフ人口は、団塊世代の高齢化に伴い年々減少しているとのことで、日本のゴルフ業界はゴルフ人口減少に歯どめをかけるための対策が議論されているようです。また、区内ゴルフ練習場は天然芝であれば世田谷区のみどり率にも寄与していますが、近年、相続等によって閉鎖、売却の後、大規模マンション建設につながっている例が少なくありません。  さらに日本においてゴルフというスポーツは大人のレクリエーション的な要素が強く、また、プレー代も高額というイメージから、気軽に始められるスポーツではありませんが、高齢になっても割と続けやすいスポーツでもあります。  そこで、ゴルフというスポーツを子どものころからより身近に親しんでもらえるように、区内に十数カ所残っているゴルフ練習場と連携し、区立小中学校の体育の授業や部活動でスポーツとしてのゴルフを導入してみてはいかがでしょうか、見解を求めます。  次に、住民主体で定められたまちづくり憲章等への行政のかかわり方について質問いたします。  昨年九月の一般質問でも取り上げましたが、世田谷区の狭隘道路の解消に向けた取り組みは重要です。区道千八十六キロメートルのうち狭隘道路は約二六%の二百八十七キロです。区の答弁では年間五・四キロメートルの工事実績を上げているといいますが、このペースでは、順調に整備されたとしても、計算上は五十年以上もかかることになります。  また、世田谷区の狭隘道路解消に向けて欠かせないのが私道の整備です。住宅建築の際には四メートル以上の建築基準法上の道路に二メートル接道していなければなりませんので、道路幅が不足している場合は敷地後退をする必要がありますが、世田谷区内でよく見られるのが、建築後、花壇や駐車場等にして個人利用しており、結果、道路を塞いでいるケースです。後退した土地の利用についてはまだまだ課題があるのが現状です。  さらに、世田谷区内でよく見かける光景として挙げられるのが、住宅の建てかえにより敷地後退されて道路幅が確保されている、また、六メートル未満の角地においては隅切りが設けられているにもかかわらず、沿道住民事情等により電柱や電信柱がもとの道路幅のところにそのまま残ってしまっているケースです。このようなことがないよう、私道整備に関し、沿道住民の方々が主体となって、建てかえに関して一定のルールを定めている地域もあります。  例えば密集地域の解消に以前から取り組む太子堂二丁目のある地区において私道の狭隘道路がありますが、ここでは、沿道の皆さんで後退の位置やルールを取り決めたまちづくり憲章という名称の住民同士の協定が平成九年に結ばれています。この協定の中では、建てかえの計画がある場合には、事前段階に世田谷区役所に積極的に相談、セットバック後に障害となる道路上の電柱の移設や街路灯の移設には、行政もできる限り協力するものとするという項目があるにもかかわらず、残念ながら、建てかえしセットバックは終わっているものの、いまだ電柱が道路の真ん中に残ったままで、結局、狭隘道路整備にはつながっておらず、行政もできる限り協力するものとするという文言が意味をなしていません。私道整備に関しては、世田谷区としてかかわるつもりがないのかという残念な気持ちにもなりました。  世田谷区に確認いたしましたところ、太子堂のような事例は余り例がないということですけれども、建築基準法第四十二条二項道路の協定とはどのようなものなのか、これに対し、世田谷区はどのようにかかわり、まちづくりを進めていくつもりなのか、また、このような私道整備に関する道路協定は世田谷区内何件程度あるのでしょうか、答弁を求めます。  最後に、馬事公苑の建てかえに伴う各種課題について質問いたします。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの馬術会場としても予定されている馬事公苑が建てかえになるとのことで、世田谷区街づくり条例に基づく建築構想に係る説明会が先週、六月十日、十一日の二日間で開催されました。  馬事公苑はJRA所有ですが、桜の名所でもあり、身近に馬と触れ合える公苑でもあり、ふるさと区民まつりの開催場所でもある、区民から親しまれている貴重な空間です。特に苑内には武蔵野自然林、区民まつりでも活躍するグラスアリーナ、桜の木は現在十四種、四百十七本と、多くのみどりあふれる公苑であるわけですが、建てかえによって、これらのみどりや桜の木が失われてしまうのではないか、また、区民が利用することができなくなってしまうのではないか等の心配する声が寄せられるようになりました。  馬事公苑の建てかえは、施設の老朽化に加え、オリンピックの馬術競技開催に向けて施設整備が必要とのことです。当然JRAが事業主ということではありますが、長年区民から親しまれてきた場所でありますので、建てかえに当たっては、事業主とともに世田谷区も積極的に区民の声に応えていくように努力していただきたいと考えます。見解をお聞かせください。  さて、馬事公苑の建てかえスケジュールですが、来年一月一日から休苑。今のところ、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック終了後までの予定で、施設整備自体は二〇二二年まで行われる計画のようです。  また、施設整備に当たっては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の意向による部分もあると聞いてはおりますが、馬事公苑で開催される区民まつりは休苑中は利用することができなくなります。来年以降の区民まつりはどのように開催されるのでしょうか。  また、馬事公苑北側のけやき広場のみで開催されるイベント、例えばガーデニングフェア、農作物品評会開催にはどの程度影響してくるのでしょうか、見解をお聞かせください。  以上、壇上からの質問といたします。(拍手) ◎工藤 教育政策部長 私からは、スポーツとしてのゴルフの推進について、区内小中学校の体育の時間、部活動での近隣のゴルフ場と連携して導入してはどうかということの御答弁になります。  ゴルフを含めましてさまざまなスポーツに親しむことは、子どもたちの体力向上や健康の保持増進のために大変重要であると認識しておりまして、地域と連携した部活動の取り組みを推進しているところです。  他方、小中学校の体育学習につきましては、学習指導要領に各運動の狙いと具体的な競技の例示がございますが、ゴルフは位置づけがされてございません。  部活動につきましては学習指導要領に、生徒の自主的、自発的な活動であり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意することと示されておりまして、各学校が生徒などの実態に応じて設置するものとなってございます。  東京都の運動系の部活動の運営組織であります東京都中学校体育連盟にゴルフの種目がないこと、また、大会なども開かれていない状況などもございます。道具の購入費、ゴルフ練習場の使用に係る使用料金ですとか、顧問教員の引率等々、学校が導入するに当たりましては課題があると考えてございます。  教育委員会といたしましては、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして、オリンピック・パラリンピック教育の中で、ゴルフを含めたさまざまな競技種目への興味関心を高める取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◎関根 防災街づくり担当部長 私からは、私道における二項道路の後退位置の協定に対する区のかかわりについてお答えいたします。  建築基準法においては、道路とは原則として幅員四メートル以上のものとしておりますが、幅員が四メートルに満たない場合でも、建築基準法の施行日であります昭和二十五年十一月二十三日時点において、現に建築物が建ち並んでいる道で一定の条件を満たすものについては、法第四十二条第二項の規定により、道の中心線から二メートルの位置を道路と敷地の境界線とみなしております。しかしながら、戦後間もない当時の状況を客観的に確認できる資料が乏しい場合には、昭和二十五年当時の道路の位置を関係権利者全員で確認したことを示す協定の締結について、区から提案することもございます。関係権利者全員の合意による協定書が区に提出された場合、区では、その内容が適切だと判断できれば、協定書の合意内容に基づき、建築に係る申請、届け出、相談等に対応しております。こうした私道における二項道路の協定につきましては、この十年間で十三件提出されており、年間ですと一件程度でございます。  区といたしましては、今後とも区民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、区道を含めた二項道路等の狭隘道路の拡幅整備を推進してまいります。  以上です。 ◎小堀 玉川総合支所長 私からは、馬事公苑の建てかえに伴う区民の声に応えていくよう努力すべきという御質問にお答えいたします。  JRA馬事公苑につきましては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの馬術競技会場となったことを踏まえ、来年、二〇一七年から、まずは大会会場の整備に入り、大会閉会後から二〇二二年までは、いわゆるレガシー施設の整備を完了させるため、現在改修計画を進めていると聞いております。  この中で、大会後も長く残るレガシー施設につきましては、先般、区の街づくり条例に基づく建築構想の届け出が提出され、今月十日と十一日に地域住民を対象とした説明会が開催されたところです。  区では、都市整備方針、地域整備方針において、馬事公苑・東京農業大学一帯をみどりの拠点に位置づけ、馬事公苑を中心に、みどり空間の一層の充実・保全を図るアクションエリアとしてまちづくりを進めており、これまでのJRAとの協議におきましてもみどりの保全を強く促し、現在の改修計画にしっかりと反映されてきているところでございます。また、地域住民の方々からも、馬事公苑の貴重なみどりをできる限り残してほしいとの声を区にもいただいておりますので、引き続きJRAに対して要請してまいります。  区といたしましては、引き続き利用者や近隣住民の声に耳を傾け、馬事公苑が区民にとって、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして長く愛される施設となるよう、より多くのみどりの保全を念頭に、関係条例での協議等を通じ、事業者であるJRAに対して積極的に調整を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎田中 生活文化部長 私からは、馬事公苑の整備に伴う区民まつりなどのイベントへの影響について御答弁いたします。  区民まつりは、会場であるJRA馬事公苑が、オリンピック・パラリンピックを挟み、来年、二〇一七年から二〇二二年まで改修を行うため、今年度までは従来どおりの内容、規模で馬事公苑で開催できますが、来年度以降は代替地にての開催予定でございます。  来年度以降の開催場所につきましては、現在、実行委員会の開催方法検討会で検討が進められており、七月の区民まつり実行委員会で決定の予定になっております。できるだけ多くのイベントや出展場所を確保するべく検討しておりますが、開催場所の条件に沿って開催内容が決まってくるものと考えております。  来年度以降の開催場所については、実行委員会で決定次第、八月の区民まつり、「区のおしらせ せたがや」での周知に加え、エフエム世田谷などの協力を得ながら、さまざまな媒体で周知させていただく予定でございます。  なお、けやき広場での区民まつり以外のイベント開催につきましては、けやき広場は世田谷区道であり、直接的な影響はないと聞いております。  以上でございます。 ◆八番(すがややすこ 議員) それぞれ御答弁ありがとうございます。  まず、スポーツとしてのゴルフの推進なんですけれども、学習指導要領にないということで、体育の授業で行うのは難しいということはわかりました。御答弁ですと、東京二〇二〇オリパラに向けて、オリンピック競技に触れるということで、小中学校で教えていくということなんですけれども、ぜひ実際道具に触れるとか、そういうスポーツに触れるという意味で、ゴルフはやっぱりゴルフ練習場とかでないとできないと思いますので、近隣のゴルフ練習場さんにも働きかけをしっかりと行って推進していっていただきたいというふうに要望いたします。  それから、二点目のまちづくり憲章等への行政のかかわり方の件なんですけれども、根本的にあるのが世田谷区の狭隘道路整備ということで、以前も質問させていただいたんですが、やっぱり私道整備という部分に関しては、なかなかやっぱり世田谷区としても入っていけない部分もあるのかななんて私は思ってしまったんですけれども、住民の皆さんにとって道路拡幅することはメリットがあることですから、それはしっかり世田谷区としてもかかわっていっていただきたいなというふうに思っています。ましてや道路協定の中に行政がかかわることとするというふうな項目があるわけですから、そこはしっかり世田谷区としてもかかわっていただきたいということを要望いたします。  それから、馬事公苑の建てかえの件なんですけれども、今、来年の区民まつりの件に関しては七月に決定するということでしたので、決定いたしましたら、できる限り早く区民の皆様にもお知らせしていただきたいということを要望いたしまして、以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上ですがややすこ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十六番小泉たま子議員。    〔十六番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆十六番(小泉たま子 議員) 通告に基づき、順次質問いたします。  窓口での待ち時間問題について伺います。  去る三月二十九日、議会最終日でしたが、窓口での待ち時間等を調べました。これがそのときのこの表です。出張所、支所区民係での来客者数及び最大の待ち時間数は、それぞれ太子堂出張所が六百人弱、世田谷総合支所や用賀出張所などが二時間程度の待ち時間となっています。職員に伺っても、例年この時期は混み合うんですという当たり前の反応に驚きます。このことを何とも思わない区は全く非常識です。民間事業者ならば何としてもお客様の待ち時間を減らすことを全力で行うはずです。普通の企業であれば、この時期、対応に全社員を投入するでしょうし、場所も分散するに違いありません。  その両方ともせず、この何年間も放置している区の姿勢は一体何なのでしょうか。区長及び地域の責任者である支所長はどのように感じているか、お伺いをいたします。  さらには、この待ち時間問題に対しての区の考え方が、待ち時間を感じさせない工夫をすると言ったり、待ち時間のストレス等を減らす窓口など、待ち時間を減らそうとするのではなくて、長時間の待ち時間を前提に、それをどう区民に納得してもらえるかという、全く本質から離れた検討がなされているのも全く理解できません。  この区民をお待たせすることの責任者は誰で、どのように改善しようとするのかお伺いいたします。  区は今後、総合支所において総合窓口を設置すると言われています。取扱業務がふえることも想定され、このままの体制では、二時間どころか、それ以上の待ち時間が発生します。窓口を集中させることが、いかに実態に合っていないか、区民に迷惑をかけているか、そのことをどのように考えているか、伺います。  役所関係の手続、お仕事、相談は、身近な地区ではなく、支所や本庁舎に来なさいという上から目線の対応に、世田谷区がいつからなったのでしょう。今の区は理念なく、目先のことだけを捉えて運営していますが、これまでの世田谷区政は違っていました。  平成二年に区が発行した「打てば響くまちづくりをめざして」という冊子があります。地域事務所、現在の総合支所の開設に当たり、区の考え方を区民に明らかにしたものです。新しい出張所、現在のまちづくりセンターです。この開設がここに書いてあるわけですが、ここには、日常的な届け出の受け付けや証明書類の発行、お年寄りの暮らしにかかわることなど、皆さんの用事はできる限り出張所で済むようにしていきます。地区の暮らしに密着した仕事は、できるだけ出張所の判断で解決できる仕組みを整えますとされています。  また、疑問に答えるページがあります。地域事務所、現在の総合支所ができることによって、出張所だけで用が足りなくなるようなことがあったら困ります。出張所が小さくなってしまうんでしょうかという質問に対して、逆に出張所の仕事を地域事務所が吸収してしまうようなことはありません。もっと身近に、もっと便利に、これが地域行政のモットーですと明確に答えているのです。  この出張所というのは現在のまちづくりセンターです。以前の世田谷区は、明確なビジョンを持ち、それを区民に明らかにして、区民とともに地区、地域をつくり出していこうという姿勢がありました。今の区政にはこのような理念が感じられません。区長は人口がふえたと喜んでいますが、その出生届を地元のまちづくりセンターでできないとはいかなることですか、余りにも情けないことです。  現場で起きたことは現場で処理するという断固とした理念こそが必要なのです。家にいて何でも役所の手続ができるということを望んでいるのではありません。高齢者の方もひとり暮らしの方も家から出てある程度自由に歩き回ることができる、その範囲の中に基本的な役所関係の手続ができる場所があり、そこに行けば、ようこそいらっしゃいましたと声をかけてくれる、そのようなまちづくりを進めていくべきであるのに、今の区は全く逆のことを行おうとしています。地域包括ケアを地区でやるということは、申請手続も地区でやるということです。なぜそれがわからないのでしょうか。  社会的包摂と言いながら、地域包括と言いながら、申請については遠くの総合支所で二時間待たせることを区民に強いるのです。薄っぺらい社会づくりに区政が加担しています。どんどん区政が小さくなり、お年寄りなどに不便になり、格差社会を助長するようなものです。これらについてどのように考えるか、お考えを伺います。  区政運営に対する疑問について伺います。  世田谷区公共施設に関する区民アンケートについてです。なぜ今の時期に実施することになったのか疑問です。アンケート項目では、例えば区全体の公共施設の面積を減らすことも考えられますが、これについてどのように考えるかとありますが、既に区は、公共施設等総合管理計画のたたき台を明らかにし、建物改築時には規模を一〇%削減することや、複合化、多機能化を図り、コミュニティー系集会施設を集約していくという方針が出されているのです。それであるのに、今回のアンケートではそのことに全く触れず、全くゼロからの区民の意向を聞こうとしています。真面目に考えようとする区民をだますものではないでしょうか。区はしっかりと自分の考えを区民に明らかにし、その上で区民の意見を聞くべきであると思うのですが、お考えを伺います。  さらに、以前の議会質問で、全体としての公共施設を縮減していくという政策経営部の考えと本庁舎規模を増大させていくという総務部の考えが食い違うのではないかと問いただしましたが、その際の答弁は、今後バランスをとっていくということでした。しかし、何ら調整の兆しもなく、政策経営部のアンケート項目では、区が将来にわたり優先的に整備、維持すべきと考える施設を選べという回答候補の中に、福祉施設や教育施設と並び区役所本庁舎も挙げられているのです。全く区は全体として何を考えているのか不明です。区民に何を問いかけているのか不明です。そればかりか、混乱させています。  さらには、このアンケート結果については、現在進行中の本庁舎等整備基本構想検討委員会にいつ報告するのかと尋ねますと、本庁舎整備とは関係ないので報告はしないと答えました。全く区民をないがしろにするものです。これらについて、区はどのように考えるのか伺います。  区長招集挨拶では未来志向の行政改革を行うとされていますが、全く意味不明です。未来志向の行政改革とは行政サービスを根本から変える改革であり、行政実務の効果の最大化を図るとされていますが、何が未来志向なのかわかりません。未来ではなく、現実に窓口で二時間も待たせていること、このような現実を何ら解決しようとせず、未来志向などと言葉遊びをしているのが問題です。新しい行政改革を唱えるのであれば、まずは足元の矛盾、課題解決に全力を尽くすべきです。区のお考えを伺います。  最後に、人口もますます増加し、新住民の多くなっている状況を踏まえ、区内において安全安心のまちづくりを進めていくことからも、区内での駐在所の設置要望に対して、区としても真剣に向き合うべきと考えますが、いかがか、お考えを伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えをいたします。  年度末に大変待ち時間が長くなっていることについてであります。  まず、住民記録や戸籍の申請窓口は、最も多くの区民が利用されるサービスの現場であり、特に世田谷区に初めて転入される方にとっては、区との最初の接点であります。いわば区の玄関であり、フロントに位置する大切な現場だと考えています。そのため、窓口混雑時の待ち時間短縮について、窓口サービスにおいて大変重要な課題であると受けとめております。とりわけこの春転入される区民の方が大変多く、長時間お待たせした結果になってしまったことは大変申しわけなく思い、また、心苦しい限りであります。何とか改善をしたいと思います。  毎年三月は全国的に転出入が集中する時期であり、他の時期に比べて長くお待たせする面もあるため、今後、御指摘のような、例えば民間の窓口サービスのシステムの工夫や、他の自治体の窓口体制を参考にするとともに、待ち時間の多い日や時間帯の分析も同時に行い、そして職員体制の見直しや対策も進めて、待ち時間の短縮に向けてサービス改善に努めてまいりたいと考えております。 ◎寺林 砧総合支所長 窓口における待ち時間の認識について御答弁いたします。  出張所の繁忙期である三月、四月は、就職、入学、転勤、退職等に伴い、手続に来所する方が多数となり、年末年始等に高速道路が渋滞するように、窓口での受け付け、入力件数が飽和状態となり、混雑した状況が続いています。例えば四人家族の転入届に要する時間は、パソコン入力やその内容確認などの一連の関連事務を含め通常二十分のところ、三月、四月には窓口職員もフル動員、フル稼働して対応しておりますが、六十分程度になっております。  加えて、本年はマイナンバー制度の開始に伴う新たな事務がふえているとともに、同制度に関するさまざまな電話の問い合わせや対応に時間を要している現状でございます。  こうした状況下で、出張所職員も日々正確、迅速な事務処理に全力で取り組んでおりますが、やむを得ず長時間お待たせしてしまっていることにつきましては、区として大変申しわけないと思いますので、スペース等の制約もございますが、御質問でも触れられました待ち時間を感じさせないような工夫を検討するとともに、今後、少しでも改善が図れるよう、関係所管と連携してまいります。  以上でございます。 ◎萩原 地域行政部長 私からは、窓口に関する諸問題について四点お答えいたします。  まず、区民をお待たせすることの責任者と改善についてでございます。  窓口業務の課題を解決するためには、地域行政部と総合支所等関連する部署の理事者の責任のもと、相互に連携しながら、それぞれの役割を確実に果たしていく必要があるものと認識しております。  窓口業務の改善につきましては、来年度、総合支所に開設する予定の総合窓口において、申請受け付けから手続完了までの業務を見直し、より効率的に申請手続の処理を行うとともに、御案内サービスの向上を図るなど、多面的な改善を実施してまいります。  次に、総合支所の総合窓口の設置による待ち時間のお尋ねについてでございます。  今年度は各出張所で嘱託員の勤務日数をふやし、対応を図ったところでございますが、総合窓口の創設に向けて、例えば新たに受付番号発券システムを活用し、証明発行などの簡易な業務は処理ラインを分けるとか、申請書入力作業を集中化するなどの処理時間の短縮に向けた効率的で効果的な事務改善を図るほか、新たにフロアマネジャーも配置し、必要な手続等を適切に御案内するなど、親切でわかりやすい窓口を目指してまいります。また、本庁の所管課で受け付けていた手続の一部を総合窓口でも受け付けることができるよう改善するなど、区民サービスの向上に努めてまいります。  最後に、まちづくりセンターと出張所の分離と地区レベルの窓口のあり方について、あわせてお答えいたします。  窓口業務は、転出入などのライフイベントや諸証明が必要となった際には、利便性の観点から、多くの方々にはできる限り交通の便がよい駅周辺等で対応することが求められていると考えており、出張所とまちづくりセンターの機能分離後の七カ所の出張所で窓口を継続してまいります。  一方で、高齢者や障害のある方等が身近な生活圏にある全二十七地区のまちづくりセンターに気軽に立ち寄っていただき、御相談に応じながら適切なサービスにつながるようにしていくことも、セーフティーネットの観点から必要であると考えております。  マイナンバー制度や総合窓口開設後の状況を利便性や効率性なども踏まえて検証し、まちづくりセンターの窓口のあり方について、引き続き検討してまいります。  以上でございます。 ◎板谷 政策経営部長 私からは、三点お答えします。  初めに、公共施設に関する区民アンケートについてお答えをいたします。
     将来的な公共施設需要と財政状況の見通しに基づきまして、公共施設を適切に管理保全、更新するための計画として、仮称世田谷区公共施設等総合管理計画を平成二十八年度中に策定する予定です。  世田谷区公共施設に関する区民アンケート調査は、区の公共施設更新需要や財政状況をお伝えした上で、アンケートの設問において公共施設等総合管理計画の基本方針の考え方についてお聞きするとともに、公共施設の利用状況、ニーズ等を把握するために実施をいたしました。  アンケート結果は、夏までに取りまとめる公共施設等総合管理計画の素案に反映させ、区議会に御報告をいたします。素案におきまして区の方針を明確にお示しした上で、パブリックコメント等で、広く区民の御意見をお伺いしてまいります。  次に、公共施設等総合管理計画の基本方針と本庁舎の面積等の整合についてのお尋ねがございました。  公共施設等総合管理計画の基本方針では、今後の建物更新が集中する中で、改築に当たってはユニバーサルデザインや労働環境の確保など、法令等の基準に合わせてふえる分を除き、面積を一〇%縮減することを掲げています。本庁舎は、防災拠点機能の強化やバリアフリー化等への対応、行政機能の分散化の解消などが課題となっています。改築に当たりましては、求められる機能を確保できるよう施設規模を算出し、その上で面積抑制の工夫をすべきと考えております。本庁舎等整備基本構想検討委員会でお示ししました想定施設規模は、このような整理をした上でお示ししたものでございます。  また、本庁舎の面積が拡充する分につきましては、現在策定作業中の公共施設等総合管理計画の中で、他施設の複合化、集約化、統廃合、縮減等により、施設全体の面積を抑制してバランスを図ってまいります。  なお、今回実施いたしました区民アンケートは、公共施設全般に対する区民の現状認識や総合管理計画の基本方針に対する考え方を伺うものですが、本庁舎等整備基本構想検討委員会の御議論の中で、必要に応じて御報告してまいりたいと考えております。  最後に、行政改革のあり方についてお答えをいたします。  区は、今後必ず訪れる超高齢社会等の社会構造そのものの変化にあっても安定した行政運営を持続させていくために、不断の行政経営改革の取り組みが必要であると認識をしております。未来志向の行政経営改革は、従来の手法である経費抑制等の即効性のある取り組みとあわせて、限られた財源の中で事業の効果を最大限発揮させ、また、将来にわたって持続させていく等の新たな改革の手法を一体的に取り組んでいくこととしてございます。  今後は柔軟な発想によって新たな手法を検討していく一方で、引き続きこれまでの行政経営改革の基本的な考えに基づいた取り組みも推進してまいります。  以上でございます。 ◎澤谷 危機管理室長 区内における駐在所の設置要望について御答弁申し上げます。  駐在所勤務の警察官は、原則として家族とともに地域に居住しながら、地域の安全を守る活動を行っており、また、長年にわたって勤務する例も多いことから、地域住民とのつながりが強く、地域の皆様に大きな安心感を与えているものと認識してございます。  安全で安心できるまちづくりのためには、地域住民と区、警察による協働した取り組みが重要であることから、区内四警察署とは年四回程度、定期的に防犯対策について検討する連絡会を開催しています。  駐在所については、治安情勢に応じて警視庁が設置するものではございますが、地域から駐在所設置の要望をいただいた際には、総合支所と連携し、管轄する警察署に十分に相談していくとともに、引き続き連絡会において地域での個別の課題に関する意見交換を行うなど、地域の皆様が安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。  以上でございます。 ◆十六番(小泉たま子 議員) 区は、窓口でお待たせするということの認識が余りにもなさ過ぎます。窓口の集中と待ち時間を短縮するということは、これは相反することなので、できないことです。それをどうやってやろうとするのか、もう一度お答えください。 ◎萩原 地域行政部長 窓口の形態にはいろんなものがあるかと思いますが、一つは、区民と区政を結ぶ最前線として、いろんな信頼ですとか安心を抱いていただく大切な場であるというふうに認識しております。その点で、いわゆる効率性だけではないですけれども、特に迅速な手続を求めていらっしゃる方、特にライフイベントに関する諸手続でございますけれども、そういった面については、そういった迅速性とか、特にその辺も十分に留意しながら、それから身近な相談につきましては、二十七地区、今度、地域包括ケアを実施するわけでございますけれども、そういうところについては気軽に御相談に来ていただきまして、そこのまちづくりセンター等から専門なところにつなげるといった、こういうきめ細かな対応が必要だというふうに考えておりますので、いずれにしましても、区民の安心安全につながるような窓口を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆十六番(小泉たま子 議員) 今の答弁では、窓口が混雑しないための答弁ではありませんでしたので、引き続き追求してまいります。  以上で終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時休憩    ――――――――――――――――――     午後三時二十五分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 一般質問を続けます。  五番あべ力也議員。    〔五番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆五番(あべ力也 議員) まず、区財政とふるさと納税について伺います。  政府は消費税の増税を先送りする決定をしました。子育てや介護といった喫緊の課題に向けては補正予算を組むなど、財政出動による実施を検討するとしていますが、今回の措置による世田谷区が予定していた税収への影響額はどれぐらいになるのか、また、影響すると予想される事業とその財源減少にどのように手当てをするのか、まず伺います。  次に、ふるさと納税制度への対応です。  平成二十六年九月の決算特別委員会以降、何度もふるさと納税制度への質問と提案を繰り返してまいりました。今般、ようやく寄附に対する返礼品導入を決定したことや、「区のおしらせ」特集号で世田谷区へのふるさと納税を呼びかけていること、企画総務委員会での説明のあった寄附制度への理解と参加を推進する取り組みについての中で、ふるさと納税も踏まえた寄附文化の醸成としていることは、ふるさと納税制度による区民税流出阻止に向けてスタートラインに立ったものと評価をする一方、明らかとなった二十七年度の流出金額は区の予想をはるかに上回り、二万三千七百二十一件で約四十二億円、前年度の約七億六千万円から五・五倍に増加しています。  一方、世田谷区へのふるさと納税は四十二件で約千五百八十万円、差し引き収支は四十一億九千五百万円の赤字であります。本年、二十八年度は、さらに区民のふるさと納税寄附額は増加が予想されますが、区の想定を伺います。  私が以前ただしたように、世田谷区はふるさと納税により最高で約二百数十億円、区民税の二割が減収になる可能性があります。こうした大幅な減収が現実のものとなった場合、世田谷区は区民サービスを維持しつつ事業執行するためにどのような方策が考えられるのかお答えいただきたいと思います。  今月三日に保坂区長は、来年度、保育定員二千二百人分の拡充に取り組むとしておりますが、その事業費は四十三億円です。皮肉なことに、この額は昨年度、区民が他自治体にふるさと納税で寄附した額とほぼ同じ額です。このように本来ならば世田谷区に入ってくるはずの税収が他自治体に流出することにより、事業が予定どおりに執行できない、縮小を余儀なくされることは、もはや不測の事態ではありません。  これまで区の答弁では三千億近い巨額の歳入にあぐらをかいて、危機感すら感じられませんでした。しかしながら、ふるさと納税を利用する区民にとって送られてくる返礼品と税額控除は、政府の政策によって物価や税金、社会保障費が高騰する反面、実質所得が上がらない状況を打開する、納税者の生活防衛の選択肢の一つであります。こうした動向を世田谷区はどう認識しているのか、見解を求めます。  いずれにしても、世田谷区財政全体を見回して、ふるさと納税の対策と検討を第三者の厳しい目でとは言いませんが、区民の動向を調査しつつ、ふるさと納税のさまざまなメニューをそろえて、今以上に真剣に取り組むべきと考えます。急激な税収減による区財政への影響の現状認識と今後の対応について、区長の見解を求めておきます。  さて、この四月から五月にかけて、世田谷区産業振興公社で取り組んでいる「世田谷みやげ」参加の約百事業所を対象に、ふるさと納税に関するアンケートを実施いたしました。回答いただいた全ての事業所がふるさと納税の返礼品として「世田谷みやげ」を検討することに賛成でありました。御意見も総じて、「世田谷みやげ」の新たな販路の拡大と世田谷区の魅力発信、税収の確保など、区内事業者と区民、世田谷区がそれぞれウインウインの関係になれるので、ぜひ検討を実施してほしいとのことでありました。  また、興味深いことに、ふるさと納税制度は知っているが、利用したことがないという方がほとんどで、今後はふるさと納税をしてみたいとの回答でありました。このことからも潜在的なふるさと納税需要が大きいと確信できます。この結果に対する区の見解も求めておきます。  また、世田谷区の税収流出阻止の自己防衛のために、過剰な返礼品競争に参加しろとは言いませんが、対策は必要です。良識を保った、世田谷区民の感性に合うようなふるさと納税の返礼品として特に「世田谷みやげ」を検討し、区民ニーズに対応していくべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、下北沢都市計画道路事業等に関する行政訴訟が世田谷区の意思表明をもとに終了いたしました。今後のまちづくりはどのように進んでいくのか、世田谷区の意思表明のとおり、下北沢の低層の町並みが育てた個性的で魅力ある良好な町を維持発展させることを前提に、区民の憩いの公共空間となるように、また、周辺と調和した連続性のあるまちづくりを目指して、区民の意見を幅広く聞き、これからも上部利用施設へ区民のかかわりの場を広く設けながら、地域住民と行政の協働のまちづくりを実践してほしいと考えますが、区の見解を伺います。  次は、児童相談所についてです。  法改正により、二十三区で希望する区は設置可能となりました。早期移管を要望しますが、区が東京都から児童相談所の移管を受けるに当たり、他会派からも出ているように、人材の確保育成や財源確保の問題、一時保護所のあり方、世田谷児童相談所の管轄区域の扱いなど多くの課題があり、これらを整理、解決していく必要があります。  また、児童相談所の移管を受けることにより、児童相談所設置区として処理すべき事務等も移管されてくると聞きます。児童相談所の移管とあわせて、これら事務についても、区における事務処理体制を整えておかなければならないと考えます。移管に伴い、区が新たに行う事務について、その課題と解決策を伺います。  次に、保育室についてであります。  平成二十七年四月から子ども・子育て支援新制度が始まり、認可保育園については、保育士の処遇改善を含む国の公定価格が示され、区の独自加算も継続しています。また、認証保育所への運営費も認可保育園に準じて引き上げられました。さらには、東京都は、保育士の職務や役割に応じた給与体系となっている場合のキャリアアップ補助事業や、アレルギー児童対策や、研修実施等に応じた保育力向上補助事業を創設いたしました。しかし、対象は認可保育園や認証保育所などに限られていて、保育室は該当していません。  一方、保育室の運営費の基本単価は、平成十一年度に決めた子ども一人当たり月額七万九千円から十八年間上がっていません。新制度になっても何の恩恵もないばかりか、認可、認証との運営費の格差がますます拡大しています。保育室にとって、保育士の雇用安定や保育の質の確保のために処遇改善を図ることが重要であり、格差是正に向けて取り組むよう要望するものでありますが、区の見解を伺います。  最後に、庁舎建てかえについてです。  二〇一四年に閣議決定されたエネルギー基本計画で、二〇二〇年までに新築公共建物でのネット・ゼロ・エネルギー・ビルという、いわゆるZEB実現を目指す政策目標が設定されています。世田谷区庁舎の建てかえもこれに該当いたします。ZEBに着目した建てかえを望むものでありますが、区の見解を求めて、壇上からの質問を終わります。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員にお答えをいたします。  まず、財政とふるさと納税についてのお尋ねでございます。  ふるさと納税につきましては、自治体による過剰な返礼品競争が大きくクローズアップされ、区では過度な競争にくみすることなく、品位を持ち、節度を重んじて、寄附金とセットの記念品等でふるさと納税制度を活用する準備をしまして、今般スタートしたところでございます。  ただし、二十七年度分の速報値でこの影響額が約十六億円に上る減収があるという結果が出てまいりました。世田谷区は減収分の補填はないということであり、影響はもはや座視することができないレベルに達していると考えております。  今後は、物品返礼の枠のみではなく、他自治体で既に行われている体験型の提供など、知恵を凝らして取り組みを加速したいと考えております。  一方、ふるさと納税制度は、生まれ育った自治体や応援したい自治体に寄附ができる仕組みとして創設をされましたが、現在、返礼品による見返りを受けた住民のみが実質税負担減の恩恵を受け、その他の住民は失われた税収分の行政サービス低下を甘受しなければならない不公平が生じるなど、制度自体が税体系を乱していくという問題点があり、昨年九月には、ふるさと納税は本来の趣旨に立ち戻って考えるべきであると、特別区長会として国に対して主張しているところであります。今後も、区長会としての議論も強めてまいりたいと思います。  ふるさと納税への対応も含め、世田谷らしい寄附文化の醸成の取り組みが大きく広がるよう、極めて重要な施策として今後取り組んでまいりたいと思います。  次に、下北沢住民訴訟の終了についてであります。  区では、平成二十七年には上部利用計画を策定した上で、上部施設整備に当たって、広く区民にお声をかけながら整備に取り組んできました。具体的には、駅前広場、立体緑地、小広場など、施設の整備に当たってワークショップを開催するなど、多くの方々とともに整備を検討してまいりました。そうした中、既に開園した代田富士356広場では、ワークショップ参加者を中心に、この公園の維持運営のための活動団体が結成され、その運営に実際に携わっていただいてスタートしているところです。  今月開催した第四回北沢デザイン会議でも、これまでの地域での意見の対立などを乗り越えて、それぞれ団体相互の交流時間も用意し、今後の課題をまちづくりの全体像へ向けて検討する場へ参加をいただく、今後のまちづくり活動への御協力を広く募っているところであります。  いずれにいたしましても、世田谷区の意思表明のとおり、区民の憩いの公共空間となるよう、また、周辺と調和した連続性のあるまちづくりを目指して、区民の意見を幅広くいただくために、これからも上部利用施設の区民へのかかわりの場を広く設けながら、地域住民と行政の参加と協働のまちづくりを実践してまいりたいと考えています。 ◎板谷 政策経営部長 私からは、大きく二点についてお答えをいたします。  初めに、消費税増税の影響による税収の影響でございます。  二十九年四月からの消費税率一〇%への引き上げ時期につきましては、先日閣議決定された政府の経済財政運営と改革の基本方針二〇一六におきまして三十一年十月までの延期が示され、今後、国会での法案審議を経て正式決定されます。  現在お示ししている区の中期財政見通しでは、地方消費税交付金は二十八年度比で、二十九年度はプラス二十六億円、三十年度はさらにプラス四十億円を歳入増として見込んでおりましたが、延期により、三十一年度までは現在と同規模程度と見込まれ、消費税率引き上げによる歳入増につきましては、三十二年度以降になると想定をしております。  こうした消費税増税分は社会保障関連経費に充てていくこととされており、今後増加していくことが想定される医療及び介護、少子化施設など経費への影響が見込まれます。また、関連して特別区交付金の影響として、消費税増税による地方自治体間の税収格差を是正することを目的とした、地方法人課税の偏在是正措置につきましても実施時期を注視してまいりますが、消費税率引き上げと同様に先送りがされるものと見込まれます。  いずれにいたしましても、それぞれの交付金の減収の影響額は決して少なくありませんので、延期決定による再試算を速やかに行いまして、改めてお示しをしてまいります。  次に、ふるさと納税について、三点まとめてお答えをいたします。  三点、平成二十八年度影響額の想定、区民サービスを維持する方策、生活防衛の選択肢とする実態、まとめてお答えをいたします。  ふるさと納税制度は、平成二十年度の税制改正により、所得税や住民税の寄附金控除といった税制上の優遇措置を与える制度として導入され、昨年度にはワンストップ特例など制度の拡充がされてきております。ふるさと納税による今年度の区税控除額は、現在集計中ですが、六月二日現在、約十六億円と、決して小さくない額となっており、議員御指摘のとおり、今後も拡大する可能性が大きいと認識をしてございます。  ふるさと納税制度は、生まれ育った自治体や応援したい自治体への寄附ができる仕組みとして創設されました。しかし、その後、寄附を前提としながら、各自治体の豪華な返礼品を目当てとしたふるさと納税が多いことから、自治体による過剰な返礼品競争の問題も指摘をされております。生活防衛とのお話もありましたが、一方で非課税者はメリットがなく、高額所得者ほど税控除が広がる仕組みであり、節税対策とのお声もあります。  この間、ふるさと納税制度は寄附であり、ふるさとや地域を応援していく本来の趣旨に立ち返るよう、特別区長会を通じて主張してまいりました。今後も危機感を持ち、他区とも連携の上、対応策を図るとともに、世田谷らしい寄附制度への理解を広げてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎岡田 総務部長 私からは、二点に御答弁申し上げます。  ふるさと納税に関連しまして、「世田谷みやげ」の参加事業者のアンケート結果、また、ふるさと納税の返礼品の検討について御答弁申し上げます。  区では、区民の参加と協働による支えあいの輪が広がる地域社会を目指して、寄附文化の醸成を実施計画に掲げ、寄附制度のPR等の取り組みを進めてまいりました。今年度は総務課と七つの基金担当所管が連携を強化し、区のホームページを初め、「区のおしらせ」特集号などを通じて寄附金使途の見える化を一層推進するとともに、各基金への理解をより深め、広げていただくための事業案内の一環として、事業概要や事業実績に加え、事業関連の品物や鑑賞券などをお送りすることとしております。  一方、ふるさと納税制度につきましては、自治体間での返礼品競争が年々加熱しておりますが、区としては、世田谷を応援していただくための世田谷らしい取り組みを進めていきたいと考えております。  ただいま議員が実施された「世田谷みやげ」参加事業者へのアンケート結果について御紹介いただきましたが、「世田谷みやげ」を返礼品として活用することにつきましては、区内外に世田谷の魅力をPRするとともに、産業振興の観点からの効果も期待されることから、関係所管とも連携し、「世田谷みやげ」参加事業者の意向も踏まえながら検討を進めてまいります。  次に、庁舎建てかえに関連しまして、ゼロ・エネルギー・ビルに着目した建てかえをとの御質問にお答え申し上げます。  本庁舎等整備検討素材においては、五つの基本的方針の一つに、環境に配慮し、環境負荷の少ない持続可能な庁舎を掲げ、基本構想検討委員会において、環境に優しい庁舎、施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減を目指し、備えるべき機能について御議論をいただいているところでございます。  この間、国においてはエネルギー基本計画で建築物については、二〇二〇年までに新築公共建築物等で、二〇三〇年までに新築建築物の平均でゼロ・エネルギー・ビルを実現することを目指すとする政策目標が設定されており、昨年十二月にはこの目標達成に向けたロードマップを取りまとめ、今後、定義の見直しや設計ガイドラインの作成を行うこととしております。  今後の基本構想の策定においては、こうした国の動向も踏まえ、高い環境性能を備え、CO2削減及び省エネルギーを推進できる本庁舎となるよう検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、児童相談所の移管に伴い、区が新たに行う事務についてお答えいたします。  児童相談所は、児童虐待や非行などの対応を初めとして、子どもに関する相談援助活動を行っておりますが、そのほかに愛の手帳に係る判定事務や、児童相談所を設置する市が処理する事務として、保育所の認可等を審議する児童福祉審議会や里親の確保支援、小児慢性疾患の医療費の支給認定など、合わせて十四種類の事務を行うことになります。  これら事務には、児童福祉審議会や里親の確保支援のように区単独で実施が可能なものと、小児慢性疾患の医療の認定審査会のように、特殊性や高度な専門性が必要で、二十三区共同の実施が望ましい事務があります。また、区単独実施が可能であっても、保育所の設置認可や認可外保育施設の指導監督のように、二十三区共通の判断基準が必要なものもあります。  早期の児童相談所の移管を目指すに当たり、これらの事務一つ一つを整理し、区単独で実施可能なものについては、庁内の関係所管と協議を重ね、事務処理体制の構築を進めるとともに、二十三区共同で実施する必要があるものや統一基準が必要なものについては、特別区長会を通じ、二十三区で協議を進めてまいりたいと考えております。  次に、保育室の運営費について格差是正が必要との御質問です。  保育室は、昭和四十三年に東京都制度として発足し、産休明け保育に取り組むとともに、認可保育園に入園できない方の受け皿として、地域の中で多くの区民に支えられてきております。現在は区の独自事業として十四施設がございます。  保育室は子ども・子育て支援新制度の給付対象とならないことから、保育室がこれまで培ってきた保育の経験をより安定した環境のもとで十分発揮できるよう、給付対象となる認可保育所や小規模保育事業所への移行を支援しているところです。  本年四月には、認証保育所を経て移行したケースを含め二つの保育室が認可保育園に移行しました。さらに本年九月には一園が小規模保育事業所に移行する予定となっております。  国は、今月閣議決定したニッポン一億総活躍プランにおいて、自治体独自の保育施設へ運営費の一部支援を行うこととしております。今後、国の動向を踏まえ、待機児解消に向けた対応策を構築してまいりますが、その中で、保育室の運営費のあり方についても検討してまいります。  以上です。 ◆五番(あべ力也 議員) それでは、再質問させていただきますけれども、世田谷区の回答は、制度上の問題に触れて、ふるさと納税制度が改正されたり、制度そのものがこれは何とかなくならないかなというような淡い期待すら感じられるわけでありますけれども、問題がありながら、政府は新たにふるさと納税の企業版を創設して増強していることから、早々になくなるということはないと思います。もう既にことしは半年が過ぎておりますけれども、現状提示している対策でどれぐらいの税収の流出が阻止できるのでしょうか。
     そこで三点伺いますけれども、ふるさと納税による世田谷区への寄附目標額はことしは幾らでしょうか。二番目に、ふるさと納税での収支の勝敗ラインはどのようにお考えでしょう。三点目は、「世田谷みやげ」など新規の対策はいつまでに検討して実施するのか、この三点についてお答えいただきたいと思います。 ◎岡田 総務部長 三点の再質問にお答え申し上げます。  まず、ふるさと納税による世田谷区への寄附目標額、それから勝敗ラインということでございますが、平成二十七年度における世田谷区へのふるさと納税を含めた寄附額は、整理中ではございますが、約二千四百万円となってございます。  これらの寄附は、個人、法人、団体等の皆様の善意によるものでございまして、今後につきましても、寄附の具体的な目標額を掲げるというよりも、こうした皆様による善意の輪をより一層広げていくための取り組みを進めていきたいと考えております。  また、三点目の新たな対策の時期でございますけれども、来年度の予算編成に向け、関係所管と検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◆五番(あべ力也 議員) 目標はぜひ設定していただきたい、これは要望しておきます。  それと、区長、対策が遅々として進まないのは、所管がはっきりしていないからではないかと思うんですね。返礼品の事務等もこれから出てくるということから、寄附やふるさと納税対策の専門の所管を設けるべきではないかと思いますけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の再質問にお答えをします。  区では、ふるさと納税制度の対応を含めた寄附文化を広げていく対応をしておりますが、この体制については、このふるさと納税制度、納税制度や税控除実務については財務部、そしてそれぞれの寄附実務については、例えば保健福祉部であるとか子ども・若者部であるなど、各所管部と総務部が取りまとめていく、また、区財政への影響や全体調整は政策経営部が担当するという役割分担でやってきております。  現在、今回の十六億円、これがじゃ、今年度どう拡大していくのか、予断を許さない状況だと思いますので、私が陣頭指揮をとり、この対策について早急に進めるように進めているところです。  また、体制の整備については、今後のプロジェクトの進展にあわせ、さらに強化できるように検討してまいります。 ○上島よしもり 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十番上山なおのり議員。    〔十番上山なおのり議員登壇〕(拍手) ◆十番(上山なおのり 議員) 質問通告に基づき、順次質問をしてまいります。  まず、防災に関する諸課題についてお伺いいたします。  ことしの四月、熊本地震では地震発生直後より多くの避難所において混乱が見られました。ふだんは当たり前だと思っていることに配慮が行き届きにくいのが避難所での生活です。急ごしらえで設営された避難所ではさまざまなものが整っておらず、みんな大変だからと、つらいことも我慢してしまいがちになります。  その中にはちょっとした配慮で解消されることもあります。特に女性への配慮については、東日本大震災が発生した際にも課題として取り上げられ、マスコミでも大きく取り上げられました。例えば着がえや授乳のスペースの確保や、生理用品の支給方法やトイレの問題などが挙げられます。災害時の女性への配慮について、区はどのように考えているのでしょうか。  一方、今回の熊本地震では、区から熊本市に延べ三十六名の職員を派遣し、避難所運営支援や罹災証明事務、建物の応急危険度判定業務や、保健師による避難所における健康相談などの業務に従事したと聞いております。大規模な災害が起こった状況の中で、派遣職員が現地で直接見て感じたことを、今後の区の災害対策にどのように生かしていくのかお伺いいたします。  また、熊本地震では、多くの方がペットを連れての避難をされましたが、実際には避難所ごとに受け入れ方法が異なるなど、いろいろな問題があったと聞いております。世田谷区においても犬の登録数だけでも約三万七千頭、また、猫に関してはそれ以上の数が飼育されていると想定され、大変多くの方がペットを飼っていらっしゃいます。そのため、避難をされた場合には、熊本と同様の問題が起こることが考えられます。  そこでお尋ねしますが、世田谷区のペットの同行避難のルールはどのようになっているのでしょうか。また、ルールが決まっているのであれば、広く皆さんに知らせることが必要ではないでしょうか。区の方針をお伺いいたします。  次に、パラレルキャリアの普及について伺います。  パラレルキャリアとは、ドラッカーがその著書「明日を支配するもの」で提唱した考え方です。本業のキャリアのほか、もう一つ別のキャリアを持つことを指します。  ドラッカーはこのパラレルキャリアがなぜ重要かを二つの理由で説明しております。一つ目は、労働寿命が伸長したから、二つ目は、逆境のときに大きな意味を持つからであります。  一つ目のことに関しましては、現代社会に当てはめて考えるとすぐわかります。日本国内だけで見ても、政府は一億総活躍社会を掲げ、女性や高齢者を含めた一人一人の国民が活躍できる社会を目指しております。人の一生のうち仕事に携わる時間に対する価値観が変わっていることは確かでしょう。  二つ目につきましては、ドラッカーはこのように論じております。第二の人生、パラレルキャリア、篤志家としての仕事を持つことは、社会においてリーダー的な役割を果たし、敬意を払われ、成功の機会を持つということである。今、現代社会は働き方という面で大きな過渡期を迎えております。もはや終身雇用制等の制度は減少していますし、一人一人の社会人がみずからのキャリアを変化するものと捉えていかなければならないのであります。パラレルキャリアは、現代社会において必要なキャリアの考え方であるということは間違いないと思います。  ことし三月、エンジャパンが発表したパラレルキャリア意識調査があります。五八%の方はパラレルキャリアを実践したいと回答したものの、実際にはパラレルキャリアをしている方は二六%、パラレルキャリアをしていない方のうち八割以上が興味があると回答しております。しかしながら、活動の障壁となっているのは、何をしたいか定まっていない、始め方がわからないなどであります。パラレルキャリアに興味がある方々の受け皿をしっかりとしていかなければならない、そのように考えます。  そこで、区民が自身の専門知識を生かして、本業とは別のフィールドで地域貢献することを推進すべきと考えますが、区の認識と取り組みについてお伺いいたします。  最後に、障害者スポーツについて伺います。  先日、荒川区にあります義肢装具サポートセンターに視察に行ってまいりました。そこには、日常生活で使用するものから、スポーツ用に考えられて製作されたものまで、さまざまな義手、義足がありました。また、障害のない人もつけることができる体験用の義足が用意されており、私も実際につけてみました。私がつけたものは膝より下の義足で、膝を折り曲げて装着するものでしたが、かかとから着地しなければ体重を義足に乗せることができず、歩くこともできず、日常生活をしていく上で大変な不自由さを感じるものでありました。  ただ、ことしの夏にリオデジャネイロでオリンピック・パラリンピック大会が開催されますが、パラリンピック大会では毎回、義足の選手や車椅子の選手が、障害と厳しい練習を乗り越え、さまざまな競技で躍動し、世界に感動を与えており、義肢装具サポートセンターでの体験は、障害者のスポーツを考える上で大変意義深いものになりました。  また、身体に障害があっても努力して克服し、スポーツにチャレンジするすばらしさ、そのことを世田谷の子どもたちが知ること、体験することができれば、スポーツへの関心や取り組み方も変わるのではないか。また、障害者の立場になって考える、あるいは障害への理解や配慮する心が育まれ、人としての成長にもつながるのではないかなど、いろいろと考えるきっかけにもなりました。  さて、障害者スポーツといっても、その裾野は非常に幅広いと思います。例えば車椅子のバスケットボールやテニスなどの本格的な競技などがありますが、ボッチャなどの障害の程度に応じて誰にもできる、また、障害のない人も一緒に楽しめるスポーツもあるかと思います。  そこで、地域の方や子どもたちが障害者スポーツを体験する機会など、現状の取り組みについて、また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会が四年後に迫る中、今後の取り組みについてもお伺いいたしまして、壇上からの質問を終わりにいたします。(拍手) ◎澤谷 危機管理室長 熊本地震を踏まえ、避難所における女性への配慮、派遣職員の活用などについて御答弁申し上げます。  熊本地震や東日本大震災の被災地では、発災直後に一部の避難所で支援物資が届かない等の混乱が生じたり、着がえや授乳のスペースがないなど、女性への配慮が不足していたと聞いております。  区では地震発生後、職員を熊本市へ派遣し、避難所運営や罹災証明書の発行業務に従事し、被災地の復旧・復興支援を行っているところでございます。派遣から戻った職員からは、現地で被災の状況を目の当たりにし、被災者の方々と直接向き合う中で、テレビや新聞等の報道で知るのとは違った、現地にいなければ見えない課題なども感じ取ることができたと報告を受けております。  区では現在、地域防災計画の修正を行っており、この中で、実災害における課題も踏まえ、女性への配慮につきましては、有識者を含めた女性の視点部会を設け、女性の視点に立った災害時における取り組みについての検討成果を、地域防災計画に盛り込む予定でございます。  派遣職員が被災地において得た貴重な体験につきましては、庁内で共有しながら有効に活用し、今後の区の災害対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、災害時におけるペットの同行避難のルールの現状と区民への周知についてお答えいたします。  御指摘の熊本地震では、ペットの同行避難により避難所内に入らなかった方、車中泊を続けた方などの状況がマスコミ等を介して報道されました。ペットの同行避難に関しましては、環境省の災害時におけるペットの救護対策ガイドラインや東京都及び世田谷区の地域防災計画にも触れられておりますが、各避難所における具体的な運営方法等につきましては、今後調整していく必要がございます。  そのため、保健所ではペットの飼い主に対して、災害時の備えや避難した場合の標準的なルールを理解していただくために、さまざまな機会を通して注意事項をお伝えし、また、パンフレットをお配りしております。  あわせて、実際の避難所において動物の取り扱いに苦慮することも想定されることから、避難所でペット同行避難のトラブルの軽減を図る一つの方策として、動物ボランティア制度も検討しております。  また、先日、世田谷文化生活情報センターではペットと防災をテーマにした「いっしょに逃げてもいいのかな?展」を開催いたしました。  今後も、各所管と連携し、いろいろな機会を通して、ペットの同行避難に関しての御理解を得てまいりたいと考えております。  以上です。 ◎田中 生活文化部長 私からは、パラレルキャリアへの区の認識と取り組みについて御答弁いたします。  少子・高齢化の進展などにより地域コミュニティーの担い手が不足する中で、災害対策や複合化する福祉ニーズなどの多様な地域課題に対応するため、町会・自治会やNPOなどの地域活動団体において、区民が本業とは別に、あるいは退職後に専門知識やスキルを発揮することは、今後ますます求められると認識しております。  こうした意欲をお持ちの高齢者の活躍を視野に、区ではNPOや民間事業者、地域活動団体などで構成する生涯現役ネットワークを立ち上げ、団体同士の横の連携や、元気なシニアが地域活動に参加、参画する仕組みをつくってまいりました。  また、年代にかかわらず、NPO活動を目指す方につきましては、今年度開始した世田谷ボランティア協会によるNPO等市民活動相談事業を新たなキャリア形成の入り口として御利用いただけるよう充実させてまいります。  さらに各町会・自治会では、運営に当たって事務経理や広報宣伝、ITなど、さまざまな知識や技術を持つ人材を必要としており、身近な地域で能力を発揮していただく機会は無限にございますので、区といたしましてもPR等支援に努めてまいります。  以上でございます。 ◎五十嵐 スポーツ推進担当部長 私からは、障害者スポーツについてお答えいたします。  区民の方々を初め、次代を担う子どもたちが障害を理解し、障害のある方への配慮につながるようなスポーツ体験ができる機会をつくることは、広く障害者スポーツを推進していく上で大変重要なことと認識しております。  区では昨年度より日本体育大学に委託し、障害のある人とない人もともに楽しめるスポーツ・レクリエーション交流事業として、障害者スポーツを運営するスタッフ育成講習会と障害のある方と一緒に交流する体験会を年二回ずつ実施しております。体験会では、さまざまな障害のある方たちと一緒に、パラリンピック正式種目であるボッチャのほか、フライングディスク、卓球バレー、カローリングなどのスポーツ・レクリエーションを行いました。  また、スポーツ振興財団では、東京都がオリンピック・パラリンピック教育推進校に指定している区立学校へのアスリート派遣事業を実施しており、昨年度は砧小学校で車椅子バスケットボールの日本代表選手を講師に招き、子どもたちが実際に競技用の車椅子に乗り、車椅子バスケットボールを体験いたしました。昨年度は十九校が指定を受けていましたが、今年度は全ての小中学校が推進校に指定されておりますので、広く募集をかけております。  こうした取り組みを進めておりますが、まだ十分とは考えておりませんので、議員のお話の趣旨を踏まえ、今後も保健福祉領域やスポーツ振興財団、教育委員会などと連携しながら、障害者スポーツの充実に向け積極的に取り組んでまいります。  以上です。 ◆十番(上山なおのり 議員) 防災に関する諸課題について、自民党からも危機管理監の創設ということを訴えております。やはり専門職をふやす、また、派遣職員などの経験を有効に活用していただく、そういった形というのが必要ではないかと思います。  また、三・一一や神戸の阪神もそうなんですが、そういった被災者の体験談、また、避難所運営の経験談、そういったものが、テレビや新聞などの報道ももちろんそうですが、ネットなど、そういったところでもいろいろと情報が出ております。避難所運営にぜひとも生かして、少しでもそういったものを生かせるようにしていただきたいと思います。  また、答弁の中で同行避難のところでありましたペットと防災をテーマにした「いっしょに逃げてもいいのかな?展」ということで、私も伺ってまいりました。その中に、日本のペット人口は三割、飼っていない人が七割、飼いたくても飼えない人を除いても、動物に興味がない、また、苦手な人がやはり半数以上いるということになるということであります。また、その中でも動物アレルギーや衛生的な面、いろいろな問題があると思います。避難所ではいつも以上に飼い主としての配慮が求められるのではないかと思います。一人でも多くの飼い主への周知、また、そうした避難所運営というものを求めてまいりたいと思います。  また、三・一一のときに国土交通省東北地方整備局が発表したものでございますが、備えていたことしか役には立たなかった、備えていただけでは十分ではなかったという現場の悲痛な声がございます。やはりそういった意味も含めますと、想定外に備えるといいますか、考えられることはもう全て考えて対応していかなければ、災害時の避難所の運営というのはできないのではないかと思いますので、いろいろなところを勉強しながら、しっかりと進めていただきたいと思います。  以上で終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で上山なおのり議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、六番ひうち優子議員。    〔六番ひうち優子議員登壇〕(拍手) ◆六番(ひうち優子 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいります。  まず、自転車の交通安全教室について伺います。  交通事故全体に自転車事故が占める割合が、全国平均約一八%に対して、世田谷区内は約三五%ということで、自転車の安全対策については継続して取り組んでいかなければなりません。自転車が歩行者ではなく軽車両であるという意識が、少しずつではありますが、以前より浸透してきていると感じますが、まだまだ道半ばであります。  以前から自転車の安全対策には、自転車のルール、マナーの周知徹底といったソフト面、そして自転車が安全に走れるような空間をつくること、いわゆる自転車専用レーン、もしくは道幅が狭い場所には自転車ナビライン、自転車ナビマークの整備といったハード面が必要と申し上げてまいりました。  本日は、自転車のルール、マナーの周知徹底といったソフト面について再度伺ってまいります。  まず、自転車の安全教室でありますが、区は工夫を重ね、スタントマンを使って目の前で自転車の事故を再現し、その恐怖から自転車事故の抑制を図るといった、スケアードストレート方式の事故再現型の自転車安全教室を、中学校三年間で一回、また、地域イベントなどの機会を活用し、一般向けに実施してまいりました。継続的に実施しており、平成二十七年度末現在までの累積実施回数として、中学校七十三回、一般向け五十五回と着実にふえており、すばらしいことだと思います。しかし、いまだに自転車事故が多いことから、今後、回数をふやす、もしくは工夫をして、より多くの区民の方にこのスケアードを肌で感じていただく、もしくは知っていただくことが有効と考えます。  そこで三点伺います。  一点目、以前に中学生の保護者の方からスケアードストレート方式の安全教室は有効だが、三年間に一回は少ない。一年に一回怖さを実感させたいとの御意見をいただきました。予算的に一年に一回は厳しくても、例えば小中学校でスケアードストレート方式の自転車安全教室を開催し、そこに中学生だけでなく地域の方も参加をしていただくなど、幅広い年代の方に参加の機会をふやし、中学生向けのスケアードストレート方式の安全教室を有効活用する工夫も考えられます。見解を伺います。  二点目、特に社会人の方の自転車のルール、マナーがよくないとの御意見をいただきます。現在、社会人向けのスケアードストレート方式の安全教室は、コヤマドライビングスクールや烏山駅前広場など年に四回、イベントの中で行っておりますが、回数をふやすことも必要です。また、社会人の方は忙しく、なかなか自転車安全教室に足を運ぶ時間がないので、動画が有効と考えます。  新宿西口広場では、警視庁が車と自転車の事故の様子を流しており、やはり視覚で訴えることで抑制されると思います。区のツイッターで自転車安全に関する動画を配信するなどしてSNSを使い、区民の方同士で広めていただくことが有効です。  また、区は平成二十六年度から自転車安全利用推進員の育成、支援をしており、平成二十六年度には三十四人、平成二十七年度には五十四人の方が自転車安全利用に貢献をしてくださっています。この方々を活用し、フェイスブックを使って動画をシェアしていただくなど、SNSを使っての工夫が考えられます。見解を伺います。  三点目、以前から朝送り迎えする幼稚園、保育園のママさんたちの自転車が怖い、特に最近は電動アシスト自転車が多く、スピードが出ているとの御意見をいただいております。  そこで、保育園や幼稚園に送り迎えするママさんたちへの出前講座など、何かしらの形で自転車安全教育を行っていただきたいと思います。前回の質問の進捗状況も含め、見解を伺います。  次に、千歳烏山駅の駐輪場対策について伺います。  京王線の連続立体交差事業に伴い、千歳烏山駅周辺の駐輪場が、以前からあった駐輪場が一つ閉鎖、そのかわりに三つの駐輪場が整備をされました。千歳烏山駅の駐輪場対策については、区民の方から、特に土日、駅周辺に自転車が駐輪され、通行する際に困るなど、さまざまな御意見をいただきます。千歳烏山駅周辺の駐輪場対策について、現在の状況と今後の対応について見解を伺います。  次に、三軒茶屋のコミュニティーサイクル化について進捗状況を伺います。  以前の質問では、三軒茶屋でレンタサイクルを利用している区民の方からの御意見、具体的に区内四カ所のコミュニティーサイクルを使っており、そのカードを持っているが、三軒茶屋で自転車を借りるときにはこのカードが使えず、三軒茶屋用の利用カードを別につくらなければならない、不便だという御意見を取り上げ、現在、桜上水~経堂~桜新町~等々力間ではどこで返して、どこで借りてもよいコミュニティーサイクルになっていて、縦のラインだけでなく、三軒茶屋をつなげて横のラインも充実させ、最終的にはコミュニティーサイクルという名のとおり面的な広がりをすべきとの質問をいたしました。  その際の区の答弁では、開設時には、首都高速道路高架下にあるため、有線によるシステム化ができなかったが、現在は無線LANによるシステムをつなぐことも可能なので、今後、コミュニティーサイクルとしての活用検討を進めていくとのことでした。  その後、四月にスタートいたしましたが、現在の状況について伺います。  次に、以前から質問している地域Wi―Fiの整備について伺います。  このテーマは、平成二十五年から継続して取り組んでおり、その結果、現在、十六の図書館へのWi―Fiは完了いたしましたが、世田谷区の公共施設でのWi―Fiの設置状況は、平成二十七年現在、区民施設で約三〇%、庁舎では八・一%と低い状況であり、まだまだ道半ばでございます。一方で他区では、中野区、墨田区、足立区、港区などで、区民施設ほぼ一〇〇%と高い状況です。  以前から申し上げておりますが、今後は公共施設一つ一つに行政がWi―Fiを整備するのではなく、地域全体へのWi―Fiの整備が必要で、そのためには、官民連携で民間のWi―Fi環境を活用し、アクセスポイントを民間が行政と話し合って決めていく手法がコスト削減にもよいと考えます。  現在、国では総務省と観光庁が連携をして、外国人向けの無料Wi―Fiの整備促進に取り組む協議会を設置しておりますし、東京都もオリンピック・パラリンピックを見据え、区市町村観光インフラ整備支援補助金事業を実施しております。  また、他の自治体では地域全体へのWi―Fi整備が進んでおります。例えば台東区では、防災コミュニティーセンターや帰宅困難者支援施設、文化施設など、区内全体に官民連携でフリーWi―Fiを整備することを発表いたしました。  また、豊島区では東日本では初めて新庁舎の全フロアにフリーWi―Fiを整備、そして、それに合わせて池袋駅周辺に五十三台のアクセスポイントを整備し、官民連携でTOSHIMA Free Wi―Fiを提供しており、さらに全国約九万五千のアクセスポイントがあるJapan Connected Wi―Fiにも連携をしております。  また、地方都市でも、例えば沖縄県那覇市や福岡市、京都市、広島市などでは、観光の視点から市内の観光名所においてNTTやイッツコムのインフラを使ってフリーWi―Fiを整備しており、どこでもWi―Fiがつながる状況です。  今後、Wi―Fiは特に三つの観点から必要不可欠です。そこで、この三点についてそれぞれ見解を求めます。  まず一点目、今回の熊本地震では、災害用統一SSID、00000JAPANによるWi―Fiスポットが無料開放され、情報収集に大いに役に立ったことは記憶に新しいことであります。首都直下型地震に備えるため、災害対策の観点から避難所へのWi―Fi整備を求めます。  二点目、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、海外のお客様をお迎えするに当たり、観光都市の視点からWi―Fiの整備は不可欠であります。
     三点目、地域活性の観点からも、例えば下北沢や三軒茶屋などの商店街へのWi―Fiの整備が有効です。  以上、この三点、災害、観光、地域活性の観点から、区内全域への地域Wi―Fiの整備が必要と考えます。  前回の私の質問への答弁では、現在、観光、防災に関する所管などと地域Wi―Fiの整備に向けた検討を進めており、年度内をめどに、方向性を定めた上で具体的な整備方針をまとめるとのことでした。以前の質問の進捗状況も含め、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎小山 土木部長 私からは、自転車に関連いたしまして五点、順次御答弁申し上げます。  まず、自転車交通安全教室について体験機会を広げるべきとの御質問でございます。  御質問にありました、スタントマンが目の前で交通事故の様子を再現するスケアードストレート方式の交通安全教室につきましては、現在、三年に一回の頻度で区立中学校全校を対象に実施しており、また、地域のイベント等の機会を活用し、一般向けにも実施しております。特に最近は小学校PTAの皆様からも実施要望が高く、実施の際は、小学生だけでなく、保護者や地域の方に御参加いただくようお願いして、スケアードストレートを開催してきております。貴重な体験機会ですので、できるだけ多くの方に幅広く参加いただけるよう、今後も引き続き努めてまいります。  次に、自転車安全利用推進員を活用しましたSNSを用いた啓発についてでございます。  動画を初め映像を活用することで、交通事故の危険性や自転車安全利用、交通安全のメッセージを、よりわかりやすく効率的に伝えられる可能性があると考えております。自転車安全利用推進員の中には、既に自身の所属するサークルの電子掲示板に自転車安全利用啓発に役立つ情報やリンクを書き込んだり、自転車安全利用のためのPR動画を作成し、インターネット上の動画サイトにアップしたりしている取り組み事例がございます。  議員御提案の自転車安全利用推進員の方の活用を初め、区、警察、区民、事業者が協働して有効な実施方策を検討してまいります。  次に、出前講座などの安全教育についてでございます。  区内の自転車事故件数は二十代から四十代にかけてが多く、これはちょうど子育て世代に当たり、この世代に対し重点的に自転車安全利用啓発に取り組んできております。  現在、小学校PTAに対し、PTAの研修会での呼びかけ、出前型自転車安全講習の実施等さまざまな取り組みを進めているところです。小学校PTAのネットワークを通じ、幼稚園や保育園へ取り組みや参加を広げていきたいと考えております。  また、子育て支援イベント等で、チャイルドシートつき電動アシスト自転車に子どもの体重分のおもりを積んで押し歩きする体験講習「はじめてのママチャリ」を実施するなど、多様な取り組みを進めております。  今後、さらに取り組み方法を工夫し、より幅広い層に対し取り組みを図ってまいります。  次に、千歳烏山駅周辺の駐輪場対策についてお答えいたします。  京王線の連続立体交差事業に伴い、事業区域内にある烏山南駐輪場を平成二十八年三月をもって閉鎖いたしました。烏山南駐輪場は日に約千六百台の利用がある大規模な駐輪場であったことから、昨年度、千歳烏山駅周辺に新たに三つの駐輪場を整備するとともに、既設の烏山中央駐輪場のラック増設の対応を図りました。また、民営の駐輪場も新たに二カ所新設され、従来の利用台数分については確保されたところでございます。  今後、利用率が低い駐輪場もあることから、利用者への適正な駐輪場案内を心がけ、駐輪場利用の動向に注視し、必要に応じ対応を図ってまいります。  最後に、三軒茶屋のコミュニティーサイクルの開設後の状況についてお答えいたします。  コミュニティーサイクルのシステム拡充につきましては、平成二十三年四月策定の自転車等の利用に関する総合計画におきまして、今後展開する新たな取り組みの一つに位置づけており、これまで桜上水、経堂、桜新町、等々力の四駅にコミュニティーサイクルポートを開設してきております。  お話にありました三軒茶屋中央レンタサイクルポートのコミュニティー化でございますが、昨年度、無線LANによるシステム構築によりまして整備を実施し、平成二十八年四月からコミュニティーポートとしての運用を開始しております。  開始後の利用状況でございますが、三月の利用率九八%に対し、四月は一〇三%と伸びてきており、また、三軒茶屋とほかのポートの間での移動が百台を超えるなど、コミュニティーサイクルとしての利用の活発化が見られてきているところでございます。  区といたしましては、コミュニティーサイクルの拡充は利用者の利便性向上に直接つながることから、引き続き事業に取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ◎原田 総合調整担当参事 私からは、地域Wi―Fiの整備についてお答えいたします。  訪日外国人旅行者の要望として無料Wi―Fi環境の整備が上位に上がるなど、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、国内の通信事業者と契約がない方の情報通信手段の確保が課題となっております。また、熊本地震におきましても安否確認情報等の情報収集のための無料Wi―Fiの有用性が再認識されたところです。  そこで、区では外国人観光客へのサービス向上や、地域の活性化、区民の安全安心の確保等を目的とした公衆無線LAN環境の整備を推進するため、本年五月に、仮称SETAGAYA Free Wi―Fi整備方針を策定し、同時に庁内推進委員会を設置いたしました。  今後、費用対効果を検証し、各事業者と連携しながら整備計画を策定し、オリンピックの会場周辺やキャンプ地周辺、避難所等の防災面や公共施設、観光客の来訪が期待される生活文化拠点などにおいて、優先設置場所を整理しながら整備してまいります。  以上でございます。 ◆六番(ひうち優子 議員) フリーWi―Fiの点ですが、たしか三年前からこのWi―Fiについて質問して、ようやく今回動き出したと思っております。特に避難所へのWi―Fi設置、あとはオリンピックに向けて、これからも引き続き検討していただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。 ○上島よしもり 議長 以上でひうち優子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三十一番ゆさ吉宏議員。    〔三十一番ゆさ吉宏議員登壇〕(拍手) ◆三十一番(ゆさ吉宏 議員) 公私ともに大変お世話になり、また、最も尊敬する先生のお一人である深谷隆司先生、通産大臣もお務めになりましたが、二年前、舛添都知事の選対本部長もお務めになりましたが、深谷先生が政治家を志すきっかけになりましたのは、昭和二十年、満州での敗戦と引き揚げ体験でした。  敗戦と同時に、日本人はロシア兵によって金品を出せ、女を出せと言われる。帰国しても、もう日本という国はない。日本人はみんな殺されてしまった。そんな間違ったうわさが満州国内で蔓延して、母親は髪の毛を短く刈り込み、顔を黒く塗って、家族全員息をひそめて屋根裏部屋で生活を送ったそうです。もしロシア兵に捕まれば、男はシベリアに送られ、女性は辱めを受ける。  夜になると、あちらこちらで手りゅう弾が爆発する音が聞こえてきたそうです。また逝ってしまったか。日本人家族が手りゅう弾で一家心中する、そういう音が毎晩のように聞こえてくる。深谷先生御一家も、子どもたちを真ん中にして、大人たちがその周りを取り囲んで一家心中の練習をしたそうです。  そんな生活が約一年続いて、やっと日本に帰れる日がやってくる。貨物列車と歩きとで命からがら港に着き、そこからアメリカの引き揚げ船で長崎港、今のハウステンボスがあるあたりの浜辺に到着したとき、大人たちは、ああ、日本という国があって本当によかったと浜辺の砂をたたいて泣いたそうです。当時、まだ小学生だった深谷先生も大人たちと一緒になって泣いたそうです。これ以来、愛国心、国を愛する心が芽生え、政治家を志すようになられました。  一方、私は九州の宮崎の出身ですが、高校卒業後、上京して、練馬区、新宿区、江東区とさまざまな町で生活をしましたけれども、常に世田谷への憧れ、いつか世田谷で暮らしたいという、そういう思いがありました。そして、今から十五年前、晴れて世田谷区民となり、以来、世田谷への愛着がますます深まっている、そんなところです。  私にとって第二のふるさとであるこの世田谷に暮らし続けたい、少しでも多くの方に世田谷の魅力を感じていただきたい、そんな思いから、今の仕事をやっているつもりです。  ことしの一定でも提唱しましたが、区内産業を活性化して、世田谷区民の財布を痛めずに税収を上げる上げ潮戦略、名づけてせたがやノミクスを推進すべきだと言ってまいりました。  今後倍増を見込む訪日外国人、そして日本人旅行者をいかに世田谷区内に取り込むか、そのためのまちなか観光をいかに活性化させるか。浅草の浅草寺は、日本人、外国人でいつもあふれています。世田谷は浅草とは違うかもしれませんが、日本の伝統と文化に触れる機会の創出、日本らしい飲食店の充実、あるいは都心では体験できない区内農地での農業体験、多摩川での水遊びなど、いかに異次元の体験を提供できるか。羽田空港とを水陸両用バスで結び、また、区内の観光地を二階建て観光バスでめぐる。発想の大転換を行って、従来の延長線上にはない発想で観光の推進に取り組むべきだと考えます。  まずは区内に不足しているホテルを誘致する。駅に近い民有地にホテルをつくっていただく。民有地がないのであれば、区の遊休地を定期借地にして、そこに建てていただく。それでもだめなら、首都高速の上部空間を活用して建てていただく。一昨年の道路法改正で既存の高速道路の上に建物をつくることができるようになりました。いずれにしても、やりようによっては幾らでも方法はあります。ホテルをつくれば、世田谷区独自の観光税を新たに創設し、幾ばくかを徴収する。これによって億単位で税収をふやすことができるはずです。区民の財布を痛めずに税収を上げるための政策、せたがやノミクスを推進するために、区の魅力をもっと生かして、民間の観光関連産業を誘致すべきと考えますが、これについて、区の見解を伺います。  次に、エリアマネジメントについて。  二子玉川エリアマネジメンツが発足して一年が経過しましたが、今後、二子玉川でのイベントを初めとしたさまざまな取り組みについて、できるだけ多くエリマネがかかわるようにすべきだと考えています。例えば多摩川の河川敷を使ったイベントを行う場合、往々にして地域住民と主催者である企業、団体とにあつれきが生じますが、半官半民的で収益を公益に還元する役を担うエリマネがスーパーバイザーとなり、調整役となって、イベント収益の何%と取り決めたフィーを得て収益源とすべきであります。  また、民有地、例えば駅コンコースのガレリアを使ってファーマーズマーケットを開催する。あるいは一度頓挫した駅前の広告事業に再チャレンジして収入の柱とする。いずれにしても、二年目を迎え、結果を出さなければならないエリマネに対して、区がどのような支援を行うのか、決意と覚悟のほどを伺います。  最後に、都立玉川高校跡地について。  これについては、我が会派の代表質問でも触れましたが、少し違う切り口でお聞きしたいと思います。  今から約三年ほど前、地元の玉川町会で都立玉川高校の跡地活用に関するアンケート調査を行っています。それによると、スポーツ施設、児童館、図書館、保育園、老人福祉施設、医療施設などが挙げられています。約二万三千平米という広大な敷地に対して、区としてどのような公共施設の需要があるのか。一方、第一種住居地域、四十五メートル第二種高度地区という縛りがある中で、最善の施設をどのように整理していくべきか。七月に区は東京都への要望をどのような内容にするのか、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎花房 産業政策部長 私からは、区の魅力をもっと生かして、民間の観光関連事業を誘致すべきという御質問に御答弁いたします。  区のさまざまな魅力を生かし、広く情報発信することは、区民の地元への愛着を深めるとともに、国内外からの観光客を誘客し、区内へ経済波及効果をもたらすもので、重要な産業政策の柱の一つであると考えております。  議員から御提案のありました区内でのホテル建設や水陸両用バスの運行等につきましては、民間事業者が取り組む事業であると捉えておりますが、実現すれば区内への誘客の大きな力となります。  民間事業者がこれらの事業を実現されるには土地の確保や採算の確保などの課題があると考えますが、民間事業者が区内での事業展開を目指されるためには、区内の豊かな自然や文化施設、個性的な商店街など、区が持つ魅力をブラッシュアップすることが求められると考えております。  区といたしましては、民間事業者が展開する事業等を誘致いたしまして、区内への波及効果を生むためにも、産業振興公社やまちなか観光協議会に参加されている鉄道事業者、旅行会社等と連携いたしまして、区内の魅力をより一層磨き、国内外への情報発信に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎小堀 玉川総合支所長 私からは、二子玉川エリアマネジメンツの支援についての御質問にお答えいたします。  二子玉川では、完成間もない市街地再開発事業のグランドオープンや各種イベントの実施により魅力が増した町を訪れる方々が増加し、さまざまな交流が盛んになってきております。  お話にありました二子玉川エリアマネジメンツは、地元の玉川町会と地域に根差す企業とが連携し、昨年四月に設立されております。  区といたしましても、アドバイザーという立場で参加しておりまして、エリアマネジメントの手法によるまちづくりに取り組んでおります。  これまで多摩川及び河川敷空間での水辺の環境保全活動、河川や自然との触れ合い体験などの実施を試み、四月に開催された花みず木フェスティバルにおいては河川敷空間を活用したオープンカフェの出店を実現するなど、公益還元の仕組みづくりに向けた収益還元事業の検証を進めております。  また、この七月末に開催が予定されておりますTOKYO ART FLOW 00等の新たなイベントにおいては運営の一翼を担っていくと聞いてございます。  区といたしましては、今後、二子玉川エリアマネジメンツが社会実験や新たな試みを進めていくに当たり、適切な情報提供を行うとともに、この組織が地域の調整役としてより充実したものとなるよう、これまで以上にアドバイザーとしての機能を果たしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎板谷 政策経営部長 私からは、都立玉川高校跡地についてお答えをいたします。  当該地域は都市計画上は第一種住居地域です。一部の商業施設や一定規模以下のレジャー施設等の建設も可能ですが、大規模な集客施設の整備は認められておりません。地区計画による用途地域等の調整を行うには、都市計画法、街づくり条例に基づく、住民の合意形成の手順を踏むことが不可欠となります。  また、公共施設の配置に関しましては、今後三十年間の間に既存公共施設の大量更新が控えており、整備運営を進めるには、民間活力を活用した整備や運営など、新たな発想、工夫が求められるところです。  二子玉川地区は広域生活文化拠点であり、商業、業務、文化、交流、レクリエーションなどの機能を備え、にぎわい、居住、自然環境が調和する町を目指しています。また、再開発の進展とともに、近年、人口増の傾向が続くエリアでもあり、目指す地域像の実現や人口動向に対応する活用を検討する必要があると考えております。  こうした条件のもとで、当該地域における政策的優先度や、地元要望施設の公益性、施設規模や整備手法、財政面の課題等を整理した上で、七月に東京都に対して区の要望をお伝えし、意向を伺ってまいります。  以上でございます。 ◆三十一番(ゆさ吉宏 議員) 御答弁いただきありがとうございました。先ほど来申し上げておりますとおり、上げ潮戦略、せたがやノミクスで税収を上げ、今後膨らんでいく保健福祉、あるいは都市整備などに係る行政コストに対応しなければなりません。多くの方に住みたい、訪れたいと言っていただける世田谷をつくるために、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上でゆさ吉宏議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいります。  質問に入る前に、一言報告と要望を申し上げます。  先月の五月二十八日は、世田谷区内の小学校四十校で運動会が開かれ、私の住んでいる下北沢小学校でも初めての運動会が開かれ、多くの保護者や児童がいるのに少々校庭が狭いので、来年度の運動会にはぜひ北沢中学校の校庭を使わせていただけないかと、同席していた中学校の校長先生に申し上げた次第です。ぜひ行政としても運動会の会場については配慮をお願いしたいと思います。  さて、皆さん、世田谷区内に活動されている民生委員・児童委員の数を知っていますか。近所で日ごろ困ったときの相談やさまざまな見守りをしている民生委員・児童委員ですが、区内には約六百人います。この六百人の方は国から委託されていて、地区の事情に明るく、何でも相談に乗ってくれています。  例えば乳幼児から高齢者までの誰もが安心して暮らせるよう、生活の悩みや心配事や困り事、また、医療や介護、子育ての不安な相談にも応じて、その課題が解決できるよう、必要な支援へのつなぎ役になっています。そして、地域の見守りとして定期的な訪問などを通じて、高齢者や障害者世帯、子どもたちの見守りを行っています。  さて、子どもたちや子育てに関する支援を専門に担当する民生委員、主任児童委員が活動して、先月の五月十五日、東京都民生児童委員連合会の主催で、歩行者天国の新宿通りを都内三千人の民生委員さんが参加をして、普及・啓発パレードが行われました。各区市町村のマスコットキャラクターの参加やバンドの演奏もあって、世田谷区内からも百人余りの民生委員さん、そして烏山のマスコットのからぴょんも参加しました。『「どうしたの?」ひと声かける思いやり』がテーマでしたが、沿道に集まった多くの方々に、民生委員・児童委員の活動を知っていただくいい機会になったと思います。  そうした中、世田谷区内ではことしも民生委員ふれあい訪問が五月の下旬から始まり、七月の中旬まで訪問活動が行われます。対象者は、介護保険の認定がなく、お一人か高齢者のみで生活している人たちの中から指定された年齢の一万二千人余りの方々であり、民生委員がくまなく訪問して生活状況を確認するというものです。暑い時期ですから、訪問となると、ぜひ体調には気をつけて取り組んでいただきたいと思っております。  ところで、昨今は、オレオレ詐欺とか訪問販売による消費者被害の報道の影響もあって、居留守をする人もふえているようです。電話をかけても居留守、留守番電話、玄関で何回もチャイムを鳴らしてもなかなか出てこないという現代社会にあって、御苦労があるかと思いますが、ふれあい訪問に際しては、どのような反応があったり、また、どのような成果につながっているのかお伺いします。  住民に寄り添い、行政のセーフティーネットにつながるなど、地区での安全安心、暮らしの継続には欠かせない民生委員さんですが、最近は引き受けてくれる人が減っているとも言われております。なり手不足が課題となっていますが、民生委員・児童委員の任期は三年間であって、ことしの十二月一日付で一斉改選が行われる年でございます。児童虐待から高齢者の安否確認までの範囲が広がるとともに周囲の期待も大きくなると、推薦のハードルも高くなるのではないでしょうか。新たな委員候補者の確保は大きな課題と思いますが、区の考えをお伺いします。  次に、命の教育についてお伺いします。  先日、品川区の中学生が友人と二人で電車に飛び込むという報道がありました。未来ある中学生が自分で死を選ぶということに心が痛みました。彼らは、中学校に入り友達になって、同じ演劇部で元気に活動し、将来を語り合った仲なのではないでしょうか。このほかにも時々、中学生がみずから命を絶つということが報じられていますが、学校においては、これまでにもさまざまな場面で命を大切にする教育がされていると思いますが、現在どのような教育活動が進められているのでしょうか。  また、これらの教育活動を踏まえて、子どもたち一人一人の命の大切さを自覚し行動できることが重要であると思います。そのために、今後どのような取り組みが必要であるのか考えをお伺いします。  次に、子ども食堂についてもお伺いします。  さまざまな事情がある子どもに食事提供を含めた居場所づくりとして、子ども食堂の取り組みが各地で広がっています。五月二十八日の朝日新聞の夕刊の一面では、子ども食堂を始めたい大人向けの講座が世田谷区内のお寺さんで開催され、盛況だったと紹介されています。  一方、区内では喜多見児童館が初めて、児童館が提案する地域での多世代交流プロジェクトとしてじどうかん食堂を始めるとのことです。第一回目は今週の十七日金曜日です。夕方四時から六時、おいしいおいしいドライカレーだそうです。児童館のチラシには、いつも一人で御飯を食べている子、コンビニ御飯が多い子、みんなちゃんと食べているのかな。児童館は幼児から大人までみんなの居場所、そのよさを生かして、地域で食堂をオープンしますと書かれています。地域の方々の協力を得て、家でも学校でもない第三の居場所において食事を提供しようとする、こうした子ども食堂のような活動が今後ますます求められてくると思います。  区内では社会福祉協議会が、地域の方々が主体となって運営する子ども食堂に対して施設や運営に係る経費の一部を支援すると聞いていますが、区内の子ども食堂の現在の実施状況と支援の仕組みについて伺います。  子ども食堂の状況については、家族で夕食を囲み、その日の出来事や学校や仕事について話し合うことがだんだん少なくなってきています。本来、こうした中で子どもたちは成長していくものでしたが、最近は孤食がふえていると言われております。孤食とは一人で食事をとることで、特に孤独を感じてしまう寂しい食事のことです。子ども食堂はまだまだ始まったばっかりの取り組みですが、区としてはこうした取り組みについてどのように考えているのかお伺いします。  児童館の子ども食堂の取り組みについては大変いいことだと思います。将来社会を支えていく世田谷区の子どもたちが地域で健やかに育つために、今支援を必要とするお子さんや親御さんを的確に応援できるよう、関係者間の連携体制の充実についても、よろしくお願いします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、民生委員ふれあい訪問の現状と成果について御答弁いたします。  民生委員ふれあい訪問は、サービスを利用していない高齢者を民生委員が訪問し、高齢者の生活状況などを確認いただくことで、その方の孤立を防ぎ、見守りを進めるなど、民生委員と高齢者のつながりを深めていただくことを目的に、毎年五月から七月に実施しております。  毎年訪問実施後に民生委員から御意見を伺っており、訪問し話をお伺いすることで関係が密になった。また、訪問して感謝されたと評価いただいている一方、最近の世の中の情勢から、民生委員と名乗っても警戒され、ドアをあけてくれない方がふえ、訪問がしにくくなっているとの御意見をいただいております。  民生委員ふれあい訪問の結果は、地域のあんしんすこやかセンターや保健福祉課と共有し、支援が必要な場合には、あんしんすこやかセンターなどが訪問し、必要なサービスにつないでおります。この訪問をきっかけに、民生委員と高齢者とのつながりが深まり、介護や保健福祉サービスを利用するなど、高齢者の孤立を防ぐとともに、地域での生活を継続する一助となっております。  今後も民生委員を初め地域の方々と連携し、誰もが安心して住みなれた地域に住み続けられる地域づくりに取り組んでまいります。
     以上でございます。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、民生児童委員と子ども食堂の御質問について御答弁いたします。  まず、民生児童委員の人材確保についてです。  民生児童委員につきましては、区民や地域の活動団体との信頼関係のもとに活動する必要があり、町会・自治会の活動を初め、学校のPTA活動やふれあい・いきいきサロンなど、地域での活動実績のある方が各地区から推薦されております。近年、候補者の推薦をいただく町会・自治会等においては、役員の高齢化や活動の担い手不足が困り事の上位を占めており、地域活動に実績があり、適任と思われる民生児童委員候補者を見つけるのも苦労しているというお話も伺っております。  区では、七月より全地区で地域包括ケアの地区展開を進めてまいりますが、この取り組みは、福祉の相談支援の充実とともに、参加と協働による地域づくりが重要な柱となっております。区では、この取り組みを通じて地域活動に参加していただける方をふやし、地域福祉を担っていただける人材の裾野を広げていくことで、将来の民生児童委員の人材確保にもつなげていきたいと考えております。  次に、子ども食堂の実施状況と支援の仕組みについてお答えいたします。  区では、現時点で定期的な活動をしている子ども食堂として四カ所があると把握しておりますが、このほかにも、今後開設したいと考えている区民の方も多いと聞いております。社会福祉協議会では、平成二十八年六月一日より、子ども食堂の運営経費を助成する子ども食堂運営支援金応募についてホームページ等で周知を行ったところ、既に十数件の問い合わせをいただいております。このほか、社会福祉協議会では、子ども食堂の運営を計画、または実施している区民や団体からの相談を受け付けて、活動場所の確保や開設に向けてコーディネートを行っております。  今後はさらに、区内で子ども食堂活動を行っている区民、団体や、これから開設を目指している区民、団体のネットワーク化を支援することで、お互いに情報や経験を共有できるよう取り組んでいく予定でございます。  次に、子ども食堂に対する区の考えについてお答えいたします。  子ども食堂の取り組みは、家庭の事情による孤食や経済的事情による欠食の状態にある子どもが、家庭的な温かい雰囲気のもと、楽しく安心して食事をとることができる機会として重要なものとなっております。  また、区民が主体的に子ども食堂に取り組むことは、地域の子育て力の向上につながるものとして意義があるものと認識しております。こうした認識のもと、区では今年度から社会福祉協議会と連携して、子ども食堂の立ち上げや運営に関する支援を始めました。さらに新たな地域の資源として、子ども食堂の取り組みが広がるよう工夫してまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、命の大切さを伝える教育の取り組み状況と今後の展開について御答弁申し上げます。  学校教育を通して子どもたちに命の大切さを伝えていくことは大変重要であると認識しております。各学校では、人権教育や道徳教育を基盤として、自他の生命を尊重することなどについて学習しており、例えば道徳や保健体育の授業において、生命がかけがえのないものであるということを理解し、互いのよさを認め合う人間関係を築くことなどを学習しています。  さらに、管理職を初め養護教諭やスクールカウンセラーを含めた全教職員が、一人一人の子どもの実態を共通理解し、子どもたちに寄り添いながら、小さなサインを見逃すことのないよう努めるとともに、関係機関との連携や校内体制の充実を図っております。また、区教育委員会主催の研修においても、世田谷保健所や文部科学省作成の資料を活用し、学校での取り組みが適切に進められるよう働きかけております。  昨年度、学習指導要領の一部改正により、特別の教科道徳の実施が公示され、自分ならどう行動するか考えたり、相手の意見を聞き、議論を重ねながら、子どもが主体的に問題を解決し、実践したりすることができる学習が求められるようになりました。  教育委員会といたしましては、生命尊重を初めとしたさまざまな道徳的価値について、道徳の授業を中心として、子どもたちが現実の社会にある困難な問題に対して主体的に対処できる力を育成することで、子どもたち一人一人が命はかけがえのないとうといものであるということを理解し、大切にできるよう取り組んでまいります。  以上です。 ◆四番(青空こうじ 議員) 子ども食堂は、食べに来る子どもたちも一緒になってつくるそうです。やっぱりみんなと一緒につくって一緒に食べる、これがやっぱり楽しみだと思うので、これからも世田谷区の子ども食堂をどんどんどんどん普及していただければいいと思います。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三十九番板井斎議員。    〔三十九番板井斎議員登壇〕(拍手) ◆三十九番(板井斎 議員) 発達障害児の服薬について伺います。  過日、発達障害の生徒を持つ母親より相談を受けました。小学校三年生のとき、クラスで落ちつきがないと言われ、担任より教育相談を受けるよう指示され、教育相談の担当者からは病院に行くよう言われたそうです。精神科の医師は、発達障害の疑いがあるとして、衝動的な行動を抑える向精神薬を処方しました。母親は、クラスの中でなじめると言われ、疑問を感じながらも承諾したそうです。  薬を飲み始めると落ち着いて授業を受けられるようになりましたが、生き生きとした表情が消え、痩せてしまったそうです。中学生になり、その症状は薬の副作用が原因と知り、みずからの判断で減薬を試みましたが、ひどい頭痛に悩まされ、断念したと伺いました。  発達障害者支援法において発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群、その他広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であって、その症状は通常、低年齢において発現するものと定義されています。  発達障害は病気ではありません。しかし、子どもが処方された薬はメチルフェニデート錠、コンサータという薬です。メチルフェニデートとは覚醒剤のことです。副作用に心臓疾患、行動障害の悪化、思考障害、突然死があり、薬物依存のリスクがあると記載されています。しかも十五歳まで脳は未発達の段階にありながら、投薬による副作用や効果を確かめる検証が全く進んでいない状況にあります。  医療経済研究機構は昨年一月、子どもの精神疾患治療でどのような向精神薬が処方されているか、実態調査を発表しました。それによると、二〇〇二年からの三年間と二〇〇八年からの三年間を比較した結果、六歳から十二歳への注意欠陥多動性障害治療剤の処方件数は一・八四倍、幻覚などを軽減する向精神病薬も一・五八倍と増加していることがわかりました。また、向精神薬が処方される原因として、子どもの発達障害が知られるようになり、兆候をいち早く見つけ早期治療につなげ、専門的なケアをしたほうが病状の悪化を防げるという誤った善意が、学校や医療現場に浸透しているとしています。  そこで伺いますが、発達障害のある児童に対し、教育現場においては投薬に頼らない対処を第一とすべきと考えますが、見解を伺います。  冒頭の事例のように、子どもたちが教職員の誤った善意の勧めで病院に通い、そこで処方が始まることをなくすためには、教育現場において発達障害及び服薬に対する知識の普及が何より重要と考えます。見解を求めます。  また、児童の服薬実態を把握し、医療現場と教育現場が連携を図る必要があると考えますが、認識を伺います。  次に、介護つき有料老人ホームについて伺います。  世田谷区では平成二十三年度から、有料老人ホームが施設内で介護サービスを提供した場合、急激な介護報酬増につながるということから、計画的な整備を目的に公募を開始しています。事業者は都知事から事業者指定を受けますが、実際は世田谷区の選定を都が追認する形となっています。  区内では、これまで公募で選定された七つの施設が開設していますが、昨年度、玉堤で二カ所選定されました。選定された理由として、地域交流スペースの総合事業への貸し出しや、健康講座、多世代交流、近隣住民のための災害時の備えなど、地域貢献に対する取り組みが多数予定されていると常任委員会で報告がなされました。  地域にとって朗報と考え、事業者に詳細を尋ねると、提案された地域開放室の場所は二転三転し、面積は提案よりも狭くなっている上、地元住民には開放せず、NPOに使用させるとの返事が返ってきました。さらに災害時の近隣住民用として食料や医薬品を七十名分備えているとの提案は、場所がないので、入居分しか用意しないと変更されていました。  一番驚いたのは、公募で選考された運営事業者ではなく、建設事業者が窓口となっていたことです。これではやるやる詐欺と同じです。選定した区の責任が問われます。  疑問に思った私は、開設から一年以上経過した施設六カ所に、提案がどの程度実施、実現しているのか確認をしました。結果は、地域住民向けの介護講座の開設や地域住民との交流はほとんど行われていませんでした。理由を尋ねると、地域のニーズを把握した提案ではなかった、専属の職員が不在と、地域貢献は前途多難であります。  世田谷区は、地域包括ケアシステムを推進するために、関係所管や領域をまたいだ組織体制や制度を組み合わせる必要があり、地域の課題を解決するためには多様な関係者の主体的な参加が欠かせない、マッチングにより取り組みを進めていくことが必要とうたっています。にもかかわらず、地域包括ケアを推進するために、有料老人ホームをも地域の社会資源にしようとする意識の欠如がこうした実態を生み出していると考えます。  今後、事業者が指定を受ける条件として、地域包括ケアの一員として地域のニーズを把握し、地域に貢献することを強く打ち出し、意欲のある事業者を選定すべきと考えます。これまで選定された施設の提案の履行とあわせて区の見解を求めます。  次に、多摩川流域の洪水対策について伺います。  昨年の関東・東北豪雨を受け、私は党の水害対策プロジェクトの一員として、首都東京を大洪水から守るさまざまな提案をまとめ、二月に石井国交大臣に提案をしました。その内容が取り入れられ、先般、多摩川流域における新たな洪水浸水想定区域図が公表されました。世田谷区においては浸水範囲が従来の想定の一・七倍にも広がり、その対応が急務の課題となりました。  今後、新たなハザードマップを作成することになりますが、洪水から命を守る意義からも、地域住民参加型で避難場所や避難経路を確認する取り組みや、地域防災計画の修正を通じて区民意識の向上を図ることが何より重要と考えますが、区の見解を伺います。  また、世田谷区豪雨対策後期行動計画では、区内全体、道路の単位対策量を三百から四百立米に強化するとともに、中町・上野毛地区をモデル地区に追加しました。モデル地区においては、公園や教育施設の単位対策量を千立米以上に、道路の単位対策量を六百立米以上に強化し、雨水貯留浸透施設を設置します。また、既存住宅においては雨水浸透施設や雨水タンクの設置費用の増額などを実施するとしています。  今回、新たな想定で示されたハザードマップエリアでは水深十メートル超の箇所もあり、避難計画に加え、域内の雨水処理を強化することが最優先課題と考えます。具体的には、モデル地区と同様の単位対策量を適用することで洪水対策を強化すべきと考えますが、見解を求めます。  また、行動計画では、敷地面積が五百平米以上の大規模民有施設における建築物について単位対策量六百立米以上の雨水貯留浸透施設の設置を指導するとしていますが、この対策量は区内一律であります。  そこで、モデル地区及びハザードマップ域内の洪水対策として、大規模な集合住宅に対しては新たな対策量を導入する必要があると考えますが、見解を求めます。  最後に、高井戸インターチェンジ入り口開設について伺います。  首都高速四号新宿線と中央自動車道の接続地点にある高井戸インターチェンジは環八通りや甲州街道に近い交通の要衝ですが、調布や八王子方面に向かう下り線の入り口がありません。インター予定付近に小学校があり、地元住民の要望に考慮し、七六年に高井戸~調布間が開通して以降も入り口は着工されないままの状態が続いています。したがって、周辺の一般道から中央自動車道の下り線に入るには、調布まで進むか、永福に迂回しなければなりません。  また、インターチェンジの開設をめぐっては、中日本高速道路会社と東京都、杉並区、地元小学校、PTAの五者協議の確認事項がありますが、その後、環八通り西側のすぐ近くに新たな下り線入り口も計画されています。加えて、中日本高速道路会社は、日本高速道路保有・債務返済機構との協定で、二一年三月までに入り口の開設工事を完了させる計画が盛り込まれています。  加えて、二〇二〇年には外環道が完成する見通しであります。外環道と中央自動車道のジャンクションが調布市付近にできることを考えれば、高井戸インターチェンジ下り線の入り口ができることにより、ここを起点に都心から各方面への交通アクセスが向上することになります。また、災害時の物資輸送に資するはずです。国などに要望すべきと考えますが、区の認識を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 私からは、高井戸インターチェンジについて御答弁申し上げます。  中央自動車道下り線の高井戸入り口につきましては、平成十四年当時に中央自動車道高井戸インターチェンジ入口開設に関する陳情が議会に出され、趣旨採択されたことから、当時、区議会から国土交通大臣宛てに中央自動車道高井戸インターチェンジ入口の開設に関する要望書が提出されております。  また、平成十八年三月には、世田谷区から国土交通省及び東京都に対しまして外環道計画の検討にかかる要望書を提出し、この中で、外環道東八インターチェンジへの交通アクセスを分散させ、円滑な道路交通を実現するために、烏山地域の都市計画道路の整備事業を推進することとあわせ、中央道高井戸インターチェンジ入り口の設置を検討するよう求めた経緯がございます。  現在、外環道の工事も進んできており、仮称中央ジャンクション周辺の円滑な交通処理のためには、区といたしましても高井戸インターチェンジ入り口の開設が重要になってくると考えております。東八道路と接続するため、杉並区内で事業中の放射五号線の整備状況も踏まえながら、地域の皆様と合意形成を図り、入り口の開設に向けた検討が進展するよう、杉並区とも連携しながらその動向を注視してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、発達障害児の服薬について二点、順次御答弁申し上げます。  まず一点目、薬に対する効果、検証が定かでない、教育現場における対処について問うという御質問でございます。  文部科学省の調査によりますと、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある児童は六・五%程度在籍すると言われておりまして、学校における丁寧な対応や特別な支援のさらなる充実が重要な課題となっております。  本区におきましては、今年度より全小学校に特別支援教室「すまいるルーム」を導入いたしまして、これまでの通級指導体制から担当教員が各学校を巡回する指導体制とし、通常の学級における様子を確認しながら、より個に応じた支援ができるよう取り組み始めました。  また、昨年度に立ち上げた教育支援チームには、今年度から都の医学総合研究所の心の健康の専門家も構成員に加え、スクールソーシャルワーカー、弁護士など、さまざまな専門的な知見や立場から、学校に対して丁寧に指導、助言を行っております。  なお、桜丘中学校、桜丘小学校、笹原小学校で構成するさくらの学び舎では、発達障害のある子どもにとっても、ない子どもにとっても学びやすい環境づくりなど、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた授業のあり方や手法、教室環境等について研究をしております。  今後、これらの成果をまとめまして、区内全小中学校に研究成果を広げてまいります。  二点目でございます。発達障害及び服薬に対する知識の普及、医療機関との連携についてという御質問でございます。  特別支援教室の導入を契機としまして、昨年度と本年度にかけて、東京都教育委員会が都内の全小中学校の校長及び副校長を対象に、特別支援教育に関する研修会を実施いたしました。この研修では発達障害のある子どもに対する支援として、第一に情緒をコントロールできる力を身につけるなどの教育、第二に社会参加が可能になる環境の整備、第三に必要な状況に応じての薬物治療といった考え方なども示され、学校が行うべき対応としては、個に応じた支援を軸とした特別支援教育の充実について説明がありました。  また、本区においても校長研修会や特別支援教育コーディネーター研修会を実施し、発達障害への理解や支援のあり方など、本人のためにどのような支援ができるか考えていく視点から、合理的配慮を進めていくようにしております。  今後もこうした研修を生かして、各学校が発達障害などについての正しい知識を持って、一人一人の特性に応じた指導を進めるとともに、必要に応じて専門機関などと連携しながら、障害理解の促進に取り組んでまいります。  以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、特定施設入居者生活介護の選定方法を地域ニーズを取り入れた選定方法に改めるべきという御質問について御答弁いたします。  区では、特定施設入居者生活介護、いわゆる介護つき有料老人ホーム等の整備について、介護保険の給付費の伸び率等も勘案し、平成二十三年度に公募による新たな事前相談制度を導入し、計画的な整備を図っております。  事業者の選定に際しては、地域のニーズを踏まえ、質の高いサービスの安定的な提供などの提案内容や財務状況、既存施設の実地調査を含め、学識経験者や区民代表が参加する選定委員会で審査するとともに、建築基準法など関係法令等問題ないことを確認しております。  また、区が進める地域包括ケアシステムを構築するため、建物や職員による地域交流や福祉避難所など地域貢献の提案なども審査のポイントとして、選定された事業者には提案内容を地域の方に丁寧に説明することと着実に実施するよう指導しております。  開設後には、職員の配置状況やサービス内容など提案内容が実施されているかなどを確認するため、訪問調査を実施しております。  今後とも事業者の選定に際しましては、地域のニーズを踏まえ、質の高い介護サービスが提供されるとともに、地域交流や地域貢献に積極的に取り組む事業者の整備誘導に努めてまいります。  また、開設後も引き続き訪問調査を実施し、事業者の協力を得ながら、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎澤谷 危機管理室長 国土交通省は先般、多摩川における新たな洪水浸水想定区域図を公表した。今回の想定をもとに避難場所や避難経路を検討し、地域防災計画の修正やハザードマップの作成を早急に行うべきとの御質問です。  国土交通省が今回公表した多摩川における新たな洪水浸水想定区域は、平成二十七年五月の水防法の改正、九月の関東・東北豪雨などを受けて、これまでの計画規模降雨、二日間の雨量で四百五十七ミリによる浸水想定区域に加え、想定し得る最大規模の降雨、二日間の雨量で五百八十八ミリによる浸水が想定される区域や、予想される浸水継続時間が示されております。  想定最大規模の洪水浸水想定区域につきましては、現時点の多摩川の整備状況を勘案して、想定最大規模降雨に伴う洪水により多摩川が氾濫した場合の浸水の状況をシミュレーションにより予測したものを示しております。  区といたしましては、新たな浸水想定区域の公表内容に基づき、今回の地域防災計画の修正にあわせてその内容を反映するとともに、ハザードマップの内容を更新し、配布、活用することを通して、洪水予報等の伝達方法や避難場所等の情報、どのような避難行動をとるべきかなど、水害に対する区民の認識を深められるよう、速やかに周知を図ってまいります。  以上です。 ◎小山 土木部長 私からは、流域の洪水対策について二点御答弁申し上げます。  まず、雨水流出抑制の単位対策量の強化についてです。  区では平成二十六年十二月に、これまでの豪雨対策を見直し、世田谷区豪雨対策行動計画(後期)を策定し、道路の単位対策量の引き上げや、新たなモデル地区二地区の追加、雨水タンク助成範囲の拡充など、さまざまな流域対策の強化を図ってまいりました。  また、今年度からはモデル地区四地区と成城みつ池緑地など、湧水を保全する必要がある湧水重点保全地区の八地区を合わせた十二地区につきましては、雨水浸透施設設置助成金の助成率を八割から十割に引き上げるなど、さらなる流域対策の強化、促進に努めております。  議員御指摘のハザードマップの浸水エリアなど浸水被害が想定される地域は、その流域で水の集まる低い地域に位置しております。そのため、その上流域や周辺地域も含めモデル地区の拡充等、さまざまな流域対策について検討してまいります。  区といたしましては、引き続き公共施設への雨水流出抑制施設の設置や、個人住宅の浸透施設及び雨水タンクの設置助成などさまざまな施策を実施しながら、より効果的な流域対策の推進に努めてまいります。  次に、大規模民間施設に対する対策強化についてお答えいたします。  区では、世田谷区雨水流出抑制施設の設置に関する指導要綱に基づき、敷地面積が五百平方メートル以上の大規模民間施設につきましては雨量六十ミリ相当となる一ヘクタール当たり六百立方メートル以上の対策量を確保するよう、区内全域で指導しております。  一方、対策量を強化しているモデル地区内の道路及び一千平方メートル未満の公園の対策量につきましては一ヘクタール当たり六百立方メートル以上としており、大規模民間施設と同等の対策量でございます。この点からも大規模民間施設の対策量としては、現在の基準でも相当高いものと認識しているところでございます。  御指摘のモデル地区及びハザードマップ域内の流域対策の強化といたしましては、地域的に雨水の浸透しづらい地形的条件もございますので、貯留施設の設置を促進するとともに、単位対策量の強化の可能性についても検討してまいりたいと思います。  以上です。 ◆三十九番(板井斎 議員) 発達障害の教育について、区として薬に頼らないと明確な答弁がありませんでした。また、介護つき有料老人ホームの選定でも地域貢献をより明確にすべきでありますが、改めて答弁を求めます。 ◎工藤 教育政策部長 再質問にお答えいたします。  発達障害も非常にさまざまな類型があるということで、議員からも御案内いただきました。まずは医薬品の服薬から始まるものでは決してないといったようなことも含めまして、教育現場ではしっかり情報共有して、医療との連携も努めてまいりたいと思っています。  以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 有料老人ホームの地域貢献についてお答えいたします。
     新規開設施設につきましては、まず入居者の生活の安定、安全な生活を送ることが最優先となるというふうにも考えております。また、特定施設につきましては、二次避難所協定ですとか、高齢者身近なお休み処などの運営ですとか、サロン活動の場の提供など協力をいただいてきております。  このように事業が安定した中で地域貢献が進んでいくと考えておりますので、今後も事業の安定性をまず担保した上で地域貢献が進むよう、今後とも事業者の指導に努めてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◆三十九番(板井斎 議員) 介護つき有料老人ホームの今の答弁は進め方が逆だと思います。しっかりと地域貢献する業者を選んでいただきたいと思います。  以上で終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で板井斎議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問は終了いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十五日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれに散会いたします。     午後五時二十二分散会...